11/1 宮古島「税」のカレンダーの運用が始まりました!

【宮古島税務署長賞】応援する思いを納税で 宮古島市立鏡原中学校 下地 亮真

 父が昨年、ふるさと納税を始めた。お金をあまり使わず、普段は高くて買えないような商品を手に入れられる、と紹介されたという。

 ふるさと納税は、都市と地方の格差を是正するために始められた。人口が多い都市と人口が少ない地方の市町村では、当然税収にも大きな差がある。ふるさと納税とは、住んでいる地域とは別の、自分が応援したい地域に税金を納められる制度だ。納税した地域からは、特有の返礼品を受け取ることができる。

 これを聞くと、立派な制度だと感じる。しかし、最近は少し困ったことも起こっている。返礼品だけ目当てに、自らが欲しい物を返礼品としている自治体を選んで納税する。これが横行し、人気のある返礼品を提供する自治体ばかりに納税がされ、それらと比較するとあまり人気のない返礼品の自治体は納められるはずだった税金が流出する一方、という事態が深刻化している。このように、本来の趣旨からかけ離れた使い方をする人々が後を絶たないそうだ。

 今、ふるさと納税を初めとした支援を必要としている地域は、数多くある。熊本地震によって被害を受けた熊本城を復興するための長期的な支援が求められる熊本市。原発の処理水が海に放出されたことで、水産物の消費が落ち込んでいることに苦しむ、東北地方の太平洋側の地域。今年の元日に起こった地震によって多数の人命が失われ、今なお避難生活を余儀なくされている人々が大勢いる。輪島市など能登半島に位置する市町村。また、他にもそれぞれの課題を抱える地域がある中で、自身の喜びのためだけにふるさと納税を利用しようとしている人々は、よく考えてほしいと感じる。

 また、支援を必要としていなくとも、自分の故郷など支援をしたい地域はあるだろう。そのような基準で選ぶことも、良いのではないか。

 私には大きな夢がある。しかし、今住んでいる地域は、離島ということもあり、設備や人員が十分とは言えず、その夢を叶えることは難しいと感じる。そのため、進学や就職によってこの島を離れることになるだろう。だが、ここまで育ててくれた地域への感謝の気持ちがあるのも事実だ。だから、島を離れた後も、ずっと応援し続けたい。それを行う上で、ふるさと納税は必要不可欠な制度となるだろう。

 また、ふるさと納税は、自分が納めた税金の使途を自分で指定することが出来るそうだ。それなら、私は教育を選びたい。そして「離島だから、自分の夢を叶えられない」と思う子供が、少しでも減ってほしい。出来れば、どのような夢でもこの島で叶えられるようになることを願っている。

 私は将来ふるさと納税を行い、「支えたい」「感謝したい」地域に、少しでも力になれるようにしたい。