11/1 宮古島「税」のカレンダーの運用が始まりました!

【沖縄県納税貯蓄組合連合会長賞】税に込められる人の思い 宮古島市立北中学校 松川 久麗杏

 「無料でありがたいな」私の住む宮古島では、十五歳まで医療費が免除される制度がある。そのため、私が病院でMRI検査を受けた時、本来ならお金を払って受けるが、なんと無料で受けられた。私はその時素直にありがたいと思った。なぜなら「無料」だと思っていたからだ。だが、私が母にその事を言うと、「無料じゃないよ」と言われた。どうしてなのか、母から詳しく聞くと、医療費には「税金」がかかっているのだと知った。

 ある日私がメガネ店に行くと「小学生に無償でメガネを提供」と書かれていた。お店の人にどうしてなのか聞くと、「経済的にメガネを購入することが難しい家庭にとっても、メガネを無償で提供することで、子供にとって豊かな学習環境をつくっている」のだと教えてくれた。また、どうして無償にできるのか聞くと、「税金のおかげなんだ」とも教えてくれた。私はその時、いつも高いと思っていた税金が、こんな風に誰かに恵を施しているのだと感じた。

 そこで、私は他にも、身の周りで税金が使われていないか気になった。すると、私は学校で使っているタブレットのことを思い出した。日本では現在、ほとんどの学校でタブレット導入が普及している。私は、タブレットを購入する際に発生するお金は、税金で賄われているのかと思い、気になって先生に聞いてみると、やはり導入する際にも税金が使われていると分かった。タブレットを導入する理由を調べてみると、「最低限のITの知識やIT機器を活用できる力を養う」ことが目的とされてるそうだ。このことから私は、身の周りで税金が使われる背景には、「豊かな学習環境をつくるため」「経済的な面で子供を病院へ連れていくのをためらう家庭をなくすため」など、誰かの強い思いがあることに気づいた。

 私には一つ思うことがある。特に、私たち学生にとって大切なのは、医療費が無償化されることも、学校でタブレットを使うことができるのも、「当たり前」「無料」だと思わないことだと思う。図書館で本を読めることも、学校で使う机や椅子も、「無料」ではないのだ。どうしてそこに税金が使われているのか、一人一人が考え、自分の身の周りにあるものを大切にすることが大切だと思う。なぜなら、そこに税金が使われているのには必ず理由があり、誰かの思いがあるからだ。

 私は十月に修学旅行へ行く。その際、一人一人に十万円の補助金がおくられる。「ラッキー」ではないのだ。私はこれから、どうしてそこで税金が使われるのか、しっかりと考えていきたい。そうすることで、税への視野が広がり、「税に込められた人の思い」が私の中で深まっていくと思う。