【沖縄県納税貯蓄組合連合会長賞】「一人ひとりの小さな力」 宮古島市立平良中学校 小野寺 芽

 みなさんは、「宿泊税」という税金について知っていますか。「宿泊税」とは、観光客がホテルや旅館など、宿泊施設に宿泊料金とは別に、払う必要のある税金のことです。二〇二五年七月の時点では、全国十二の地域・九の都道府県で導入されています。

 私が、「宿泊税」について知ったのは、二年前の夏休み、母と福岡県へ旅行に行った時でした。ホテルのロビーで、チェックインをしようとするとき、母が事前に支払っていた宿泊料金とは別に「宿泊税」として、二〇〇円を支払っていました。私ははじめ、「なぜ、泊まるだけで税金?」と少し不思議に思っていたのですが、調べてみるとこの税は観光地にとって、とても大切な役割を果たしていることが分かりました。

 現在、日本では、特定の観光地に観光客が過度に集中し、その地域に住む住民の生活に悪影響を及ぼしてしまう「オーバーツーリズム」が深刻化しており、大きな問題となっています。実際、私が住む宮古島でもこのような問題は起きていて、人口五万人程の小さな島にたくさんの観光客が集中することで島のあちこちが混雑し、島民の生活に支障をきたしている現状があります。ですが、「観光業」は観光地の経済や文化を支える、重要な産業であり、止めることはできません。とはいえ、それらの問題解決に必要な費用を全て住民の税金から賄うことは、とても難しいように感じます。そこで、重要な役割を果たすのが「宿泊税」です。「宿泊税」があることでまず住民の税負担を減らせるようになります。観光地の様々な問題解決に必要な、膨大な費用を観光客1人ひとりに少しずつ協力してもらうことで、住民の生活にしわ寄せがいくのを防ぐことができます。また、「宿泊税」でメリットを感じられるのは、住民だけではありません。例えば、この税を自然や環境の保全のために使えば、地域の自然を目的として訪れた観光客は、美しい景観を楽しむことができるし、道路などのインフラ整備に使えば、地域に初めて来た観光客でも、安心安全で快適な旅行を楽しむことができます。

 初めは「何のため?」と思っていた税金でも、調べてみると観光地に住む住民と、そこへ訪れる観光客、どちらにもメリットのあるとても重要な税金だと分かりました。私は、まだ未成年で、税金を納める立場にはありません。ですが、「宿泊税」について学んでみて、理由もなくただ徴収される、そんな税金はきっと無いんだろうと感じました。税金は様々な分野で活用することのできる、幅広く役立つお金です。納めた納税者一人ひとりの思いがあるからこそ、より価値のあるものだと考えます。三年後、私が納税者という立場になった時は、税は誰かの暮らしや未来を支える力になる、と前向きに社会貢献のできる人になりたいです。