<第3章> 第2節 自然な流れに身を任せる～選択の瞬間を生きる～

第3章 – 人生を切り開く
～本当の自分を知り、本当にしたいことをする～

第2節 自然な流れに身を任せる
～選択の瞬間を生きる～

魂の声が消えるとき

魂の声に従って人生を切り開くには、まず、喜びを感じるほうへ進むことです。せっかく受け取ったメッセージ、そちらに向かって行動を起こしたいと思った瞬間、たいていはこんな思考が始まります。「でも、そんなの無理に決まっている」「でも、今までどおり仕事をして、責任を果たさなくては」。いったんは「こうしたい」と素直に思えたのに、「でも」と考え始めることで、魂の声を一瞬でかき消してしまうのです。

なぜ、「でも」という拒否反応が強く出てしまうのでしょう。新しいことに挑戦する恐れもあるでしょう。けれどもそれ以上に、「今の仕事を続けるか」「それとも仕事を辞めて、別の道に進むか」という二者択一を自分に課してしまうからなのです。これは、とても危険な考え方です。せっかくやりたいことを始めても、経済が成り立たなくなっては、やりたいことをする喜びもすぐに消えてしまうでしょう。

小さな一歩から始める勇気

そもそも、そんな極端な考え方をする必要はないのです。先ほどもお伝えしましたね。魂のメッセージは、いきなり劇的に人生を変えてしまうものではありません。川のせせらぎが、少しずつある一定方向へ流れていくように、なんとなく、よりよいほうへ、よりよいほうへと自分を導いてくれるものなのです。

ですから「今の仕事を続けるか」「それとも仕事を辞めて、別の道に進むか」という二者択一をするのではなく、今の仕事を続けながらも、少しだけ余暇を見つけて、別のこともやってみればいいのです。「ちょっと経験してみたら？」という魂のメッセージは、それくらいのちょっとした行動をあなたにすすめているだけなのです。

変化は自然の流れの中で

まずは心惹かれることに関わってみる。今の仕事を辞めるかどうかを考えるのは、本格的にそちらの方向へ進みたいという希望が生まれ、実際にそれでやっていける目処が立ったときでかまいません。あるいは別のことを始めてみたら、今の仕事の楽しさに改めて気づく場合もあるでしょう。あなたの魂は、そのことを伝えるために、新しいことに挑戦するきっかけを与えてくれたのかもしれません。

新しいことを始めたけれど、結局は元の場所に戻っていた。こういうことが起きる場合も、決して無駄な経験ではありません。魂の声に従った結果、今の道が自分にとって本当に必要なものだと再確認できた、ということなのです。人生には、そんな優しい気づきの瞬間も用意されているのです。