第2章 – マイナスのクセと人間関係
第4節 魂の声を無視したときに起こる心の葛藤
魂の声と自分の感情がぶつかるとき
魂から届いたメッセージを無視すると、自分の内側で、魂と感情がぶつかり合うことがあります。
魂は本当のことを伝えている。
けれども、自分の感情は、それを認めたくない。
その二つが心の中で戦い続けると、大きな疲れやストレスにつながります。
私自身も、魂からのメッセージを信じることができず、自分の中で激しい葛藤を起こした経験があります。
その結果、心だけではなく体にも影響が現れ、軽い過食症のような状態になりました。
高校時代の元彼との再会
以前、昔付き合っていた人に謝りたいことがあり、高校を卒業して以来、初めて会いに行ったことがあります。
実際に会ってみると、元彼はギャンブル依存症になっていました。
けれども、私は会いに行く前から、どこかドロドロとした、嫌な気配を感じていたのです。
言葉ではうまく説明できませんでしたが、
「何かが違う」
「以前とは変わっている」
「素直に会うことを喜べない」
という感覚がありました。
そして実際に再会した瞬間、
「やっぱり」
「当たってしまった」
と思いました。
魂から届いていた感覚が、現実と一致したのです。
過去のきれいなイメージを手放せなかった
高校時代の元彼は、優等生という印象が強く残っていました。
真面目で、きちんとしていて、将来も安定しているように見えていたのです。
その記憶が、私の中であまりにもきれいなまま残っていました。
だからこそ、魂から、
「今は昔とは違う」
「あなたが思っているような人ではない」
というメッセージを受け取っていても、認めたくありませんでした。
魂は現実を見ていました。
けれども私の感情は、過去のきれいなイメージにしがみついていたのです。
そのため、自分の中で大きな葛藤が起こりました。
魂からのメッセージに従わず、無理に打ち消そうとしていたのですから、苦しくなって当然だったと思います。
「あの人と結婚していたら」という思い
私は心のどこかで、
「あの人と結婚していたら、私の人生は違っていたかもしれない」
と思っていました。
今の人生とは別の道があったのではないか。
もっと楽で、もっと幸せな人生があったのではないか。
そんな思いを、長い間抱えていたのです。
けれども、今ならわかります。
誰と結婚していたとしても、私自身が変わらなければ、きっと何らかの苦労はあったでしょう。
相手が変われば、人生の問題がすべてなくなるわけではありません。
そう考えると、元彼に会ったことには意味がありました。
もし会っていなければ、
「あの道を選んでいたら、幸せだったかもしれない」
「自分には別の人生があったのではないか」
と、存在しない過去にとらわれ続けていたと思います。
今では笑い話です。
けれども、当時の私は本気で悩み、自分自身を振り回していました。
欲しい答えを求めて魂を疑っていた
私は、自分が望んでいる答えが欲しいあまり、自分の魂を信じることができませんでした。
魂からのメッセージを受け取っているのに、
「これは違う」
「きっと当たっていない」
「そんなはずはない」
と、自分で否定していたのです。
自分で自分を霊視しながら、
「いや、その霊視は間違っている」
と言っているようなものでした。
最初から、
「今はこういう状態の人なのだ」
と腹をくくって会いに行っていれば、ここまで苦しくはならなかったと思います。
ところが私は、魂から見えたものを打ち消すために、たくさんの言い訳をつくりました。
昔は真面目だったから大丈夫。
きっと事情があるだけ。
本当は変わっていないかもしれない。
そうして、自分の都合のよい答えへ無理に持っていこうとしたのです。
自分が自分を振り回していた
魂からのメッセージを否定し続けると、心の中に濁ったものがたまっていきます。
本当は気づいている。
けれども、認めたくない。
自分で感じ取っている。
それでも、自分の感覚を信じたくない。
この状態が続くと、魂も感情も落ち着くことができません。
私はそのとき、自分の中がドロドロと濁っていくように感じていました。
誰かに振り回されていたわけではありません。
自分が自分を振り回していたのです。
魂の声を素直に受け止めず、感情だけで別の答えを探し続けた結果、心も体も疲れ果ててしまいました。
その後、ストレスから食欲を抑えられなくなり、軽い過食症のような状態になりました。
もう二度と、同じことはしたくありません。
魂から届いたメッセージを、自分の都合でねじ曲げることの苦しさを、身をもって知った経験でした。
魂からのメッセージは受け止めるだけでいい
魂からのメッセージは、いつも自分が聞きたい内容とは限りません。
むしろ、認めたくないことや、見たくない現実を伝えてくることもあります。
けれども、嫌な内容だからといって、そのメッセージが間違っているわけではありません。
大切なのは、すぐに善悪を判断することではなく、
「私は、そう感じているんだな」
「魂は、こう伝えているんだな」
と、そのまま受け止めることです。
受け止めたあとに、どう行動するかを考えればいいのです。
魂の声と感情を無理に戦わせる必要はありません。
両方の存在を認めることで、心の中の葛藤は少しずつ静まっていきます。
マイナス思考が魂を追い詰める
マイナス思考にとらわれすぎると、魂は少しずつ傷ついていきます。
同じ不安を何度も考える。
最悪の未来ばかりを想像する。
自分にはどうすることもできないと思い込む。
そうした思考が長く続くと、魂の自由な働きが妨げられます。
やがて魂は、バラバラの星のかけらになってしまったかのように、まとまりを失っていきます。
心も体も疲れ果て、自分が何を感じているのか、何をすればよいのかさえ、わからなくなってしまうのです。
私も、事業に失敗し、多額の借金を抱えたときに、マイナス思考の連鎖へ深く入り込んでしまいました。
支払日が来るたびに追い詰められた
事業がうまくいかなくなり、借金を抱えていたころ、毎月のように支払いの日がやってきました。
10日、15日、20日。
日付が近づくたびに、心が重くなりました。
「どうしよう」
「返せない」
「お金がない」
「次はどうなるのだろう」
どれだけ悩んでも、返済するためのお金が突然現れるわけではありません。
そのときの私にできることは、謝ることくらいでした。
逃げたくなることもありました。
けれども、
「逃げたら、もっと大変なことになるかもしれない」
「追いかけられるかもしれない」
「殺されるかもしれない」
と、さらに恐ろしい未来を想像してしまいます。
そうして迷っているうちに、催促の電話がかかってきます。
電話が鳴るだけで、心臓が大きく跳ねました。
毎日が、強いストレスの連続でした。
「死んだほうが楽」と思うほど追い詰められた
そのころ私は、毎日のように、
「死んだほうが楽かもしれない」
と思っていました。
私は娘を妊娠していたとき、重度の妊娠中毒症で命を落としかけたことがあります。
そのときに臨死体験をし、死後の世界を、とても楽で心地よい場所だと感じていました。
だからこそ、
「生きているほうが、よほど苦しい」
「この世で苦しみ続けるより、あの世へ行くほうが楽だ」
と思ってしまったのです。
けれども、簡単に死ぬことはできません。
子どももいます。
家族もいます。
何より、死にたいと思いながらも、心のどこかでは生きたいと願っていました。
その二つの思いの間で、毎日揺れ続けていたのです。
心の底まで沈みきった瞬間
もうどうにもならないところまで精神的に追い詰められたとき、不思議な感覚がありました。
それは、深い海の底へ、トンと着地したような感覚でした。
日本海溝のような、光の届かない深い場所です。
そこまで沈みきったことで、これ以上は下へ行けないと思いました。
暗い海の底で、私は自分に言いました。
「もう、生きるしかないじゃん」
「逃げるのをやめよう」
どうしようと悩んでも、状況は変わりません。
返せないことを怖がっていても、借金は減りません。
苦しいのは、私だけではありませんでした。
子どもたちも同じように苦しんでいました。
それならば、返せないことを悩み続けるのではなく、
「どうしたら返せるのか」
「何ができるのか」
「誰に相談すればよいのか」
を考えようと思ったのです。
悩むことをやめて相談することにした
私は、よくわからないまま弁護士のところへ相談に行きました。
すると、クレジットカードの過払い金について調べてもらうことになりました。
その結果、一枚のカードから、100万円ほどが戻ってきました。
ほかのカードについては、債務整理をしてもらいました。
すべてが一度に解決したわけではありません。
それでも、一人で悩み続けていたときには見えなかった方法が、相談することで少しずつ見えてきたのです。
自分の中だけで考えていると、
「もう無理だ」
「何も方法がない」
と思い込んでしまいます。
けれども、外へ助けを求めると、自分では知らなかった道が見つかることがあります。
「返せません」と正直に伝えた
借入先の窓口にも足を運びました。
私は担当者に、
「返せません。ごめんなさい」
と、正直に伝えました。
すると、
「今日は、いくら返済できますか」
と聞かれました。
本来であれば、一回の返済額は十数万円ほどでした。
けれども、その金額を一度に支払うことはできません。
私は、5,000円や1万円など、その日に支払える金額だけを持っていきました。
担当者は、それを受け取ってくれました。
私は、少額を三日おきくらいに払いに行きました。
利息にも届かないほどの金額だったかもしれません。
それでも、支払える分を少しずつ返していきました。
一か月分を払い終えた日
ある日、担当者から電話がかかってきました。
電話を見た瞬間、私は覚悟しました。
「もう待てません」
「きちんと返済してください」
「これ以上は対応できません」
という、最後通告の電話だと思ったのです。
けれども、電話の内容はまったく違いました。
担当者は、こう言いました。
「上地さん、一か月分たまりました」
「たまりましたよ」
「一か月分、払えますよ」
その言葉を聞いた瞬間、涙がボロボロとこぼれました。
一か月分を支払うまでに、何日かかったのか、今ではよく覚えていません。
けれども、少しずつ積み重ねたお金が、ようやく一回分の返済額になったのです。
責められると思っていた相手から、励ますような言葉をもらいました。
その瞬間、人の愛や思いやり、親切さ、優しさに触れることができました。
私は、その言葉に支えられ、もう少し頑張ってみようと思えたのです。
借金だけを見続けると視野が狭くなる
借金が増え、返済できなくなると、頭の中は借金のことでいっぱいになります。
「どうしよう」
「差し押さえられるかもしれない」
「家族に迷惑がかかるかもしれない」
「すべてを失うかもしれない」
まだ起きていない未来まで、次々と悪い方向へ想像してしまいます。
そして、借金から逃れることだけに意識が集中していきます。
これが、
「借金がある」
という一つの事実から始まる、マイナス思考の連鎖です。
借金がある。
返せない。
責められる。
逃げられない。
すべてを失う。
死ぬしかない。
このように、思考が次々と悪い方向へつながっていくのです。
最初は一つの問題だったものが、頭の中では何倍にも膨れ上がってしまいます。
事実と想像を分ける
マイナス思考の連鎖を断ち切るためには、事実と想像を分けることが大切です。
「借金がある」は事実です。
けれども、
「必ずすべてを失う」
「誰も助けてくれない」
「もう人生は終わりだ」
という考えは、まだ起きていない想像です。
想像を事実だと思い込むと、心はどんどん追い詰められていきます。
だからこそ、
「今、実際に起きていることは何か」
「自分にできることは何か」
「誰に相談できるのか」
と、一つずつ整理する必要があります。
悩み続けることと、問題を解決するために考えることは違います。
同じ不安を繰り返すだけでは、現実は変わりません。
小さくても行動することで、初めて流れが変わり始めます。
マイナス思考の連鎖は心と体を壊す
マイナス思考が長くつながり続けると、魂は攻撃されます。
不安や恐怖、焦り、自己否定が、何度も魂へぶつかっていくからです。
魂が傷つくと、心も体も休むことができません。
眠れなくなる。
食べすぎる。
食べられなくなる。
呼吸が浅くなる。
体に力が入る。
いつも何かに追われているように感じる。
そうした状態が続けば、やがて体にも大きな負担がかかります。
私自身、その後、副腎腫瘍を患い、再び命を落としかけました。
すべての病気がマイナス思考だけで起こるわけではありません。
けれども、長期間にわたる強いストレスや緊張が、心身へ大きな影響を与えることはあります。
だからこそ、苦しい状態を一人で抱え続けないことが大切です。
逃げるのではなく現実と向き合う
現実と向き合うというのは、すべてを一人で解決することではありません。
できないことは、できないと認める。
返せないものは、返せないと伝える。
わからないことは、専門家に相談する。
苦しいときには、助けを求める。
それも、現実と向き合うための大切な行動です。
私は、借金をすぐに返せたわけではありません。
問題が一瞬でなくなったわけでもありません。
それでも、
「どうしよう」
と考え続けることをやめ、
「今できることをしよう」
と決めたことで、状況は少しずつ動き始めました。
魂と感情を戦わせない
魂は、私たちを苦しませるためにメッセージを送るのではありません。
危険に気づかせるため。
本当の気持ちを伝えるため。
進むべき方向を示すため。
魂は、私たちを守ろうとしているのです。
けれども、自分が欲しい答えだけを求め、魂からのメッセージを否定すると、魂と感情の間に葛藤が生まれます。
その葛藤が長く続けば、心も体も疲れてしまいます。
魂からのメッセージを受け取ったときには、まず否定せずに受け止めてみてください。
「本当は、私はこう感じている」
「この状況は苦しい」
「このままではいけない」
「誰かに助けを求めたい」
その気持ちを認めることが、マイナス思考の連鎖を断ち切る最初の一歩です。
魂の声と感情を戦わせるのではなく、どちらにも耳を傾ける。
そして、現実の中でできることを、一つずつ始めていく。
そうすることで、魂は再びまとまりを取り戻し、未来へ進む力を取り戻していくのです。
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