宮古島市上野の宮国集落で、旧盆最終日(ウークイ)の夜に行われる大綱引き。市指定無形民俗文化財にもなっているこの行事は、キャーン(シイノキカズラ)という島に自生する蔓で編んだ綱を使い、集落の東里と西里が力を合わせて引き合います。綱引きのあとに始まる宮国クイチャーまで含めて、宮古島の旧盆を締めくくる熱い一夜です。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催時期 | 旧盆ウークイの夜(旧暦7月15日。新暦では8月中旬〜9月上旬) |
| 会場 | 宮国公民館前の大通り(宮古島市上野宮国) |
| アクセス | 宮古空港から車で約15分 |
| 料金 | 見学無料 |
| 主催 | 宮国自治会 |
島の蔓で編む綱 ― キャーンとツナシィドゥ
宮国の大綱引きが他の綱引き行事と一線を画すのは、綱の素材と作り手です。
キャーン(シイノキカズラ)の綱
一般的な藁縄ではなく、キャーン(シイノキカズラ)という宮古島に自生する蔓を使って綱を編みます。この蔓は強靭でしなやか。集落の人々が山に入って刈り取り、何日もかけて編み上げます。
ツナシィドゥ ― 綱を作る中学2年生
綱の製作を担うのは、集落の中学2年生。彼らは「ツナシィドゥ」と呼ばれ、綱引きの準備段階から中心的な役割を果たします。大人たちに教わりながら綱を編む経験は、宮国の子どもたちにとって大切な通過儀礼のひとつです。
東里vs西里 ― 綱引きからクイチャーへ
勝敗が占う来年の運勢
宮国集落は「東里(あがりざと)」と「西里(いりざと)」に分かれて綱を引きます。東里が勝てば豊作、西里が勝てば豊漁の年になるといわれています。
デーロイ(押し合い)
綱引きだけでなく、デーロイ(押し合い)と呼ばれるぶつかり合いも見どころのひとつ。男たちが体を押し合う迫力は、見ているだけでも圧倒されます。
宮国クイチャー
綱引きとデーロイが終わると、集落の老若男女が大きな輪になって宮国クイチャーを踊ります。勝っても負けても関係なく、みんなで大地を踏み鳴らすこの時間が、宮国の旧盆のクライマックスです。
過去の開催実績
| 年 | 日程 | 備考 |
|---|---|---|
| 2024年 | 8月19日(月) | 西里が勝利 → 豊漁の年 |
| 2025年 | 9月6日(土) | 西里が勝利 |
| 2026年 | 未発表 | 旧暦7月15日に準ずる |
※旧盆のウークイに合わせて開催されるため、日程は毎年変動します。
中学2年生が綱を編む夜 — 宮国の大綱引きで見てほしいもの
宮古島にはいくつか綱引き行事がありますけど、宮国のそれはちょっと特別です。何が特別かって、キャーンという島の蔓で綱を手作りするところ。しかもその中心になるのが中学2年生なんです。大人たちに教わりながら、自分たちの手で綱を編み上げていく。この「ツナシィドゥ」の過程を知ると、当日の綱引きの見え方がまったく変わります。
ウークイの夜、宮国公民館前に集落のみんなが集まってくると、空気が一気に引き締まります。東里と西里に分かれて引き合う綱引き、その後のデーロイの迫力、そして最後に全員で踊るクイチャー。一連の流れを目の前で見ると、「ああ、これが生きている文化なんだな」と感じます。
市指定の無形民俗文化財でもあるこの行事、観光ガイドブックにはあまり載っていません。だからこそ、知っている人だけが出会える宮古島の夜がここにあります。
宮国の大綱引きで圧巻なのは、クイチャーが始まる瞬間の空気の変わり方です
宮古島にはいくつか綱引き行事がありますけど、宮国の場合は綱引きだけじゃ終わらないんです。東里と西里の勝負がついて、デーロイの押し合いで汗だくになって、さあ帰るかと思ったその瞬間に、宮国クイチャーが始まります。さっきまで敵同士だった東里と西里が一つの輪になって、大地を踏み鳴らしながら踊り出す。あの空気の切り替わりは、何度経験しても鳥肌が立ちます。
地元の人間として一番見てほしいのは、ツナシィドゥの中学2年生たちの顔です。何日もかけてキャーンの蔓から綱を編み上げてきた子たちが、自分たちの綱で大人も一緒に引き合っている場面を見ている表情。誇らしさと緊張が入り混じったあの顔は、宮国でしか見られません。
ウークイの夜は旧盆の最終日で、ご先祖様を送り出す大切な日でもあります。家族の時間が終わってから集落のみんなが公民館前に集まってくる。その夜の高揚感は、盆と祭りが重なる宮国ならではのものです。観光で居合わせたら、遠慮なくその輪の端っこに立ってみてください。
観光客へのガイド
見学について
宮国の大綱引きは地域の伝統行事ですが、見学は可能です。ただし、あくまで集落の祭事であることを忘れずに。
見学時のポイント
- 時間帯
- ウークイの夜、20時前後に始まることが多いですが、年によって前後します
- 場所
- 宮国公民館前の大通りに集落の方々が集まります。通りの端から見学するのがおすすめです
- 服装
- 夜とはいえ8〜9月の宮古島は蒸し暑いです。涼しい服装と虫除け対策を
- 駐車場
- 専用駐車場はありません。路上駐車で集落の方の迷惑にならないよう注意してください
- 撮影マナー
- フラッシュ撮影や至近距離での動画撮影は控えましょう。声をかけてから撮影するのがベストです
アクセス
宮古空港から県道390号線を南下し、上野方面へ約15分。宮国集落内に入ると、旧盆の夜は人の流れで場所がわかるはずです。
宮国の大綱引き以外の宮古島の8月のイベントはこちら!
宮古島の年間イベントスケジュールはこちら!