来間島で毎年旧暦9月に行われる「ヤーマス御願」は、島の守り神への感謝と豊年を祈る伝統行事です。宮古島から来間大橋を渡ったその先、人口わずか160人ほどの小さな島に、数百年の祈りが今も息づいています。観光で来間島を訪れる方も多いですが、この時期に当たればとても貴重な体験になるはずです。

基本情報

項目内容
正式名称ヤーマス御願(やーますうがん)
文化財指定宮古島市指定有形民俗文化財(御嶽・祭具)
開催時期旧暦9月の甲午(きのえうま)の日から2日間(新暦10月下旬〜11月上旬)
開催場所来間島集落内
アクセス宮古島から来間大橋を渡って車で約15分
入場料なし(地域の神事のため見学は節度をもって)

怪物退治の伝説 — ヤーマス御願の由来

ヤーマス御願の起源は、来間島に伝わる怪物退治の伝説にさかのぼります。

かつて来間島には恐ろしい怪物が棲みつき、島民を苦しめていました。そこへ対岸の与那覇集落から三人兄弟が渡ってきて、見事に怪物を退治したのだといいます。島民たちは三人兄弟への感謝を込めて、毎年お礼の祭りを行うようになりました。それがヤーマス御願の始まりです。

「ヤーマス」は「八ます」とも書かれ、豊穣や繁栄を願う意味が込められています。与那覇と来間島の絆を象徴する行事でもあり、島と島のつながりの深さを感じさせてくれます。

2日間の祭りの流れ

1日目 — 豊年祈願とマスムリ

初日は、島内3つのブナカ(祭祀を行う家筋のようなもの)にそれぞれ集まり、五穀豊穣と島の繁栄を祈願します。

この日の大きな見どころが「マスムリ」です。マスムリとは、その年に生まれた新生児のお祝い。集落全体で新しい命の誕生を喜び、子どもの健やかな成長を祈ります。少子化が進む島で新しい命が祝福される光景は、集落の絆の強さそのものです。

2日目 — 棒踊りとクイチャー

2日目は一転して賑やかな雰囲気に。男たちが棒踊りを披露しながら集落内を練り歩きます。棒踊りは勇壮な掛け声とともに木の棒を打ち合わせる演舞で、怪物退治の故事を偲ばせる力強さがあります。

練り歩きのあとは雨乞い座(アマグイザ)に場所を移し、祝宴へ。宮古島を代表する伝統舞踊「クイチャー」を全員で踊り、祭りは最高潮を迎えます。足を踏み鳴らし、手を叩き、円になって踊るクイチャーの輪は、見ているだけでもその熱気が伝わってきます。

過去の開催実績

日程備考
2023年10月下旬〜11月上旬ごろ旧暦9月甲午の日
2024年10月下旬〜11月上旬ごろ旧暦9月甲午の日
2025年10月下旬〜11月上旬ごろ旧暦9月甲午の日

※旧暦に基づくため、毎年新暦での日程が変わります。正確な日程は宮古島市の広報や地元メディアでご確認ください。

160人の島が教えてくれるヤーマス御願の体験

来間島に暮らしていると、ヤーマス御願の日は空気が変わるのがわかります。普段は静かな集落に太鼓の音が響いて、おじい・おばあたちの表情がどこか誇らしげになる。僕ら島の外から来た人間でも、その変化にはっとさせられるんです。

特に2日目の棒踊りとクイチャーは、ぜひ目の当たりにしてほしいです。男たちが棒を打ち合わせる音は集落中に響くし、最後のクイチャーでは踊りの輪が自然と広がっていく。人口160人の島で、これだけの熱量が生まれるのかと驚かされます。

地元の方に「見にきたの?」と声をかけられたら、ぜひ素直に「はい」と答えてみてください。お茶やお菓子を出してもらえることもあります。小さな島だからこその距離感が、この行事にはあります。観光イベントにはない、人の温もりに触れる時間になると思います。

観光客へのガイド

日程の確認
旧暦ベースの行事のため、新暦では毎年日付が異なります。10月下旬〜11月上旬の間で、宮古毎日新聞や宮古島市の広報をチェックするのが確実です
あくまで地域の神事です
観光イベントではなく、来間島の住民が大切にしてきた祈りの行事です。見学の際は静かに見守り、撮影は周囲に配慮してください
来間島へのアクセス
宮古島市街地から車で約20分。来間大橋(全長1,690m)を渡ります。路線バスはないため、レンタカーが必要です
島内の飲食・宿泊
来間島にはカフェや小規模な宿がいくつかありますが、数が限られます。宮古島市街地に宿を取るのが無難です
セットで楽しむ
来間島は竜宮城展望台や長間浜など絶景スポットも豊富。祭りの時期に合わせて訪れれば、観光と文化体験の両方を楽しめます

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