沖縄県宮古島には、「パーントゥ」という、古くから伝わる独特の行事があります。この行事は、1993年に国の重要無形民俗文化財に指定され、その神秘的な魅力で多くの人々を引きつけています。今回は、その「パーントゥ」についてご紹介します。

パーントゥの起源と特徴

パーントゥは、宮古島の島尻地区と上野野原(うえののばる)地区で行われる伝統行事です。この行事の主役は、仮面をかぶり、全身泥まみれの姿をした3体の神様です。彼らは「シイノキカズラ」という蔓草を体に巻きつけ、独特な風貌で登場します。パーントゥは厄払いの神として知られており、その役目は集落の人々に泥を塗りつけることで悪霊を追い払うことです。

島尻地区のパーントゥと上野野原地区のパーントゥの違い

島尻のパーントゥの特徴

島尻地区のパーントゥ

島尻地区のパーントゥは、数百年前に「クバマ」と呼ばれる海岸に黒と赤の仮面が漂着したことが起源とされています。村人たちはこの仮面を海の向こうから訪れた来訪神として崇め、男性が仮面をかぶって集落内を駆け回るようになったのが、パーントゥの始まりと伝えられています。

現在、パーントゥは「ンマリガー」と呼ばれる井戸の底の泥を全身に塗り、奇声を上げながら各家庭を回り、泥を住民や観光客に塗りつける姿が特徴です。この泥には災厄を吸い取る力があると信じられていて、パーントゥに泥を塗られることで、その年の災厄が祓われるんです。また、この泥は強い臭いがあり、逃げ惑う人々の悲鳴や笑い声が響き渡ります。特に観光客にもよく知られているのが、この島尻のパーントゥです。

開催時期は旧暦9月上旬となっていますが、詳しい日程は開催の約1週間前に発表されます。ちなみに、2023年の開催日は10月25日(水)・26日(木)、2022年の開催日は10月5日(水)・6日(木)でした!

宮古島のパーントゥは、重要無形民俗文化財に指定されている神聖な伝統行事です。そのため、日程についてのお問い合わせが増えておりますが、島尻自治会からの正式な公表までお待ちいただけますようお願い申し上げます。皆さん一人ひとりの協力が必要です。

特徴
  1. 泥を使った儀式: パーントゥが全身に泥を塗り、人々にも泥を塗りつけることで厄払いを行います。
  2. 仮面と姿: パーントゥは怖い仮面をかぶり、全身に泥を塗った姿で現れます。
  3. 行事の規模: 多くの観光客が訪れるため、とても大きな行事として知られています。
  4. 伝統の強調: 島尻地区では、特に厄払いの意味が強調されていて、地域住民によってとても大事に守られています。

上野野原地区のパーントゥ

上野野原地区のパーントゥも同じく厄払いの行事ですが、島尻地区とはいくつかの違いがあります。上野野原のパーントゥは、より神聖で宗教的な側面が強く見られます。毎年旧暦の12月最後の丑(うし)の日に行われるこの伝統行事は、地元では「サティパロウ」の名称で認識されていて、集落の女性と小学高学年の男子のみが参加します。この行事では泥を塗るような儀式はありません。

「パーントゥ」と呼ばれる神様のお面をかぶった子どもが先頭に立ち、太鼓をたたいたりホラ貝を吹いたりしながら行列を進みます。女性たちは頭や腰にセンニングサやクロツグなどの植物を巻き、ヤブニッケイの小枝を持って「ホーイ、ホーイ」と声を上げながら集落を練り歩きます。女性たちは子どもたちを囲み、「ウルウルウル」と叫んで厄払いを行います。こうして、旧正月を前に集落全体の厄を祓う伝統的な儀式が行われます。

特徴
  1. 草や木の葉を使った儀式: 上野野原では、泥ではなく草や木の葉を使って厄払いを行います。パーントゥはこれらの素材を使って人々に触れます。
  2. 衣装と仮面: 上野野原のパーントゥも仮面をかぶりますが、衣装には地域特有の装飾が施されていて、自然の素材を多用しています。
  3. 行事の規模: 規模は島尻地区に比べてやや小規模ですが、地域の住民によってとても大切にされています。
  4. 宗教的な側面: 上野野原では、厄払いだけでなく、神聖な儀式としての側面が強調されていて、祈りや供え物を捧げる場面も見られます。

共通点と相違点のまとめ

共通点
  • どちらの地区でもパーントゥは厄払いの神聖な儀式として行われます。
  • 仮面をかぶったパーントゥが地域を巡り、人々に触れて災厄を祓います。
  • 地域住民にとって大切な伝統行事であり、文化的な意味が深いです。
相違点
  • 使用する素材: 島尻地区は泥、上野野原地区は草や木の葉を使います。
  • 衣装と装飾: 島尻地区のパーントゥは全身泥まみれの姿であり、上野野原地区のパーントゥは自然素材を多用した装飾を施しています。
  • 宗教的側面の強調: 上野野原地区の方が宗教的な儀式としての側面が強く、祈りや供え物を捧げる場面が見られます。

このように、同じ宮古島内でも、島尻地区と上野野原地区ではパーントゥの行事に独自の特色があります。それぞれの地区が持つ独自の伝統と文化を尊重しつつ、両方のパーントゥを体験することで、宮古島のいろんな文化に触れることができます。

厄払いの神「パーントゥ」の儀式

パーントゥの儀式は、新築の家のお祓いや子供の無病息災を祈願するために行われます。行事が始まると、パーントゥは集落内を歩き回り、出会う人々に泥を塗りつけていきます。この泥は厄払いの象徴であり、泥を塗られることによってその年の悪運が払われると信じられています。

「パーントゥ」の魅力と参加のポイント

この行事は、その神秘的な雰囲気と共に、地域の人々の強い絆を感じさせます。パーントゥに遭遇した観光客は、その瞬間、特別な体験を共有し、宮古島の文化に深く触れることができるのです。

島尻地区のパーントゥに参加する際の注意点

  1. 服装:泥を塗られることが前提ですので、汚れてもよい服を着て参加しましょう。
  2. カメラ:パーントゥとの写真撮影は一生の思い出になりますが、防水ケースなどでカメラを保護しましょう。
  3. 心の準備:泥を塗られることは厄払いの一環ですので、ポジティブな気持ちで受け入れましょう。

宮古島の文化を体感する絶好の機会

「パーントゥ」は、宮古島の豊かな文化を象徴する行事の一つです。参加することで、地域の人々との交流が深まり、島の魅力をより深く理解することができます。この機会にぜひ、宮古島の「パーントゥ」に参加し、その魅力を体感してみてください。

パーントゥは宮古島の神秘的な祭り

宮古島の「パーントゥ」は、厄払いの神がもたらす祝福とともに、訪れる人々に特別な体験を提供します。この神秘的な行事に参加することで、あなたの旅が一層豊かなものになることでしょう。宮古島を訪れる際には、ぜひ「パーントゥ」に参加し、その魅力を存分に味わってください。

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