全身に泥を纏った3体の神が集落を走り回り、出会う人すべてに泥を塗りつける。宮古島市平良島尻地区に伝わるパーントゥは、2018年にユネスコ無形文化遺産に登録された「来訪神:仮面・仮装の神々」のひとつです。泥を塗られることで厄が払われるとされ、泣き叫ぶ子どもも、逃げ惑う大人も、みんなまとめて無病息災。世界に誇る宮古島の奇祭です。

基本情報

項目内容
正式名称島尻のパーントゥ
文化財指定国指定重要無形民俗文化財
ユネスコ登録2018年「来訪神:仮面・仮装の神々」として無形文化遺産に登録
開催時期旧暦9月上旬(新暦では10月下旬〜11月上旬ごろ)
開催期間2日間
開催場所宮古島市平良 島尻地区
日程発表開催約1週間前に島尻自治会が発表(直前発表制)

泥の来訪神パーントゥ

パーントゥは、島尻集落近くの「ンマリガー(産井泉)」の底に溜まった泥を全身に塗り、シイノキカズラ(つる植物)を体に巻きつけた異形の姿で現れます。仮面をつけた3体のパーントゥが集落に出現し、2日間にわたって走り回ります。

その目的はただひとつ——人々に泥を塗って厄を払うこと。

パーントゥに泥を塗られることは「福」とされ、新築の家、新生児、そして集落を訪れた人まで、容赦なく泥が塗られます。逃げても追いかけてきます。泣き叫ぶ子どもたちの姿は、毎年ニュースでも取り上げられる島尻の秋の風物詩です。

野原のサティパロウとの違い

宮古島には「パーントゥ」と名のつく神事が2つあります。島尻と上野野原です。

島尻のパーントゥ野原のサティパロウ
時期旧暦9月旧暦12月
姿全身泥だらけの3体木彫りの仮面をつけた子ども+女性
スタイル走り回って泥を塗る(激しい)集落を練り歩く(穏やか)
雰囲気笑いと悲鳴が入り混じる厳かで静かな神事

同じ「来訪神」でありながらまったく異なる表情を持つのが、宮古島の神事の奥深さです。

直前発表制について

島尻のパーントゥの正確な開催日は、約1週間前に島尻自治会から発表されます。旧暦に基づくため新暦の日程は毎年変わり、さらに自治会の判断によって最終的な日取りが決まるため、「何月何日」と事前に確定することができません。

この直前発表制は、神事としての性格を守るためのものでもあります。観光イベントではなく、あくまで島尻の人々の暮らしに根差した祭りであることを、訪れる際は心に留めておいてください。

過去の開催実績

日程備考
2018年ユネスコ無形文化遺産に登録
2023年10月25〜26日
2024年10月8〜9日

島尻のパーントゥ、泥だらけになって初めてわかるおすすめの理由

パーントゥの話をすると、島の外の人はだいたい「えっ、泥塗られるの?」って引き気味になるんですけど、実際に体験した人のほとんどが笑顔で帰っていくのが面白いところです。

泥まみれの神様が全力で追いかけてきて、容赦なく塗ってくる。子どもは泣き叫ぶし、大人も本気で逃げる。でもその後に残るのは不思議な爽快感というか、「厄が落ちた気がする」という感覚なんです。僕ら島尻の人間にとっては子どもの頃からの年中行事ですけど、何歳になっても追いかけられると心臓バクバクします。

ユネスコの無形文化遺産になってからは注目度が上がりましたが、あくまで島尻の人たちの大切な神事です。日程が直前にしか発表されないのも、観光イベントではないからこそ。もしタイミングが合って見に来れたなら、それだけで十分ラッキーだと思います。汚れてもいい服だけ持ってきてください。あとは神様にお任せです。

観光客へのガイド

  • 泥を塗られる覚悟で行ってください。 パーントゥは観客と演者の区別をしません。見に行ったら泥を塗られるものだと思っておいたほうが良いです。汚れても良い服装・靴で臨みましょう。スマートフォンやカメラの防水対策も忘れずに。
  • レンタカーの汚れに注意。 車に泥がつく可能性もあるため、返却前の洗車が必要になるかもしれません。レンタカー会社に事前に相談しておくと安心です。
  • 日程は直前にしか発表されません。 「旧暦9月上旬」としか分からないため、10月の宮古島旅行で見られるかどうかは運次第です。島尻自治会や宮古島観光協会の発表を随時チェックしてください。
  • 神事への敬意を忘れずに。 撮影は可能ですが、進行を妨げる行為、パーントゥへの過度な接近、私有地への無断立ち入りは厳禁です。地元の方の指示に必ず従ってください。
  • アクセス。 島尻地区は平良市街から車で約15分。当日は臨時駐車場が設けられることがありますが、集落内の道は狭いため、徒歩での移動が基本です。

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