葬儀後の手続きと優先順位をまるごとチェック|忘れがちなのは?

一般的な葬儀について
葬儀後の手続き

ご遺族は葬儀後も初七日法要を行ったり、弔問客の対応をしたりと忙しい日々を送ります。しかし、葬儀後に必要な手続きはたくさんあることはご存じでしょうか。手続きを怠ると、後から更に面倒なことになったり、時にはペナルティーを課せられてしまうこともあります。また、貰えるはずのお金が貰えないまま時効を迎えることにもなりかねません。今回は、葬儀後に行う手続きを、期限ごとにまとめましたので、参考にしてください。

14日以内に行う手続き

亡くなって14日以内に行う手続き

故人が亡くなってから14日以内に行う手続きをご紹介します。忙しい時期ではありますが、大切な手続きばかりなので期限内に必ず行いましょう。

年金受給者死亡届の提出

故人が亡くなった翌日に年金の受給資格が失効します。「年金受給者死亡届」と呼ばれる受給停止の手続きを行わないと、年金は払い続けられます。最悪の場合、不正受給と見なされ罪に問われることもありますので、忘れずに手続きを行いましょう。ただし、「日本年金機構」にマイナンバーが登録されている場合は、「年金受給者死亡届」の提出は必要ありません。

未払い分も忘れずに請求

年金は2カ月ごとに支払われます。そのため、故人が亡くなった月によっては、前月と当月分の年金が未払いになることがあります。受給停止の手続きを行ったら、同時に未払い分の請求も行いましょう。未払い分の手続きは「街角の年金相談センター」や年金事務所で行うことが可能です。

世帯主変更届の提出

故人が1人暮らし、又は夫婦2人暮らしの場合は、世帯主の変更届は必要ありません。しかし、同居家族が3人以上いる場合は世帯主を変更する手続きが必要になります。手続きは新しい世帯主が、お住まいの市区町村役場の窓口で行います。新しい世帯主の本人確認書類や印鑑などが必要になりますので、あらかじめ確認しておきましょう。14日以内に手続を行わないと、住民基本台帳違反となり5万円以下の過料を請求されることもあります。

国民健康保険資格・後期高齢者医療資格喪失届の提出

自営業などで国民健康保険に加入していた場合や、後期高齢者医療保険に加入していた場合は、資格喪失の手続きを行います。併せて保険証を返納しますので忘れずに持参しましょう。

介護保険資格喪失届の提出も忘れずに

故人が介護保険の被保険者だった場合は、介護保険の保険証も返納します。以下の手続きを行います。

  • 介護保険被保険者証の返納
  • 介護保険負担限度額認定証の返納
  • 介護保険資格取得・異動・喪失届の提出

また、第1号保険者だけではなく、40歳以上65歳未満の第2号保険者で要介護認定がされていた場合も同様の手続きを行います。

  • 介護保険被保険証の返納
  • 介護保険負担限度額認定証の返納
  • 介護保険資格取得・異動・喪失届の提出

参考:埼玉県滑川市「死亡された場合の手続きについて |介護保険資格取得・異動・喪失届」

3・4カ月以内に行う手続き

亡くなって3ヵ月以内に行う手続き

3、4カ月以内に行う手続きの中で気を付けたいのが「相続放棄の手続き」です。3カ月が過ぎると自動的に相続すると見なされるので、故人に借金がある場合は、早めに決断しましょう。

相続放棄の手続き

相続放棄には3つの選択肢があります。

  1. 単純承認
  2. 相続放棄
  3. 限定承認

何も手続きを行わないと1の「単純承認」になります。故人に多くの借金が残されていた場合、2の相続放棄となり、全ての相続を放棄する申述を家庭裁判所で行います。また、マイナスの遺産とプラスの遺産のどちらもある場合は、3の限定承認となり相続する範囲を決めます。2と3の手続き期間は、相続の開始を知ってから3カ月以内に行う必要があります。

所得税の申告

通常の確定申告は2月~3月の間で行われます。亡くなった時も必要ならば4カ月以内に「準確定申告」を行います。「準確定申告」が必要なケースや、医療費などの所得控除の適用など、注意点がありますので以下の国税庁のサイトで確認しておきましょう。

参考:国税庁 「納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」

10カ月以内に行う手続き

相続税の申告は、相続を知った日から10カ月以内に行います。遅れると税務署からペナルティーを課せられるので注意が必要です。

相続税の申告

相続税の申告は、相続を知った日の翌日から10カ月以内に行う必要があります。納付が遅れたり、申告ができなかった場合はペナルティーが課せられることがあるので、必ず期限内に行いましょう。そして、手続きする税務署は、届出人が住んでいる管轄の税務署ではなく、故人が住んでいた管轄の税務署になりますので、注意が必要です。

また、突然親族が亡くなり相続が発生した場合は、相続税が払えないケースも出てきます。この場合は、「分割」や「延納」が認められることもあるので早めに税務署や税理士などに相談しましょう。

国税庁「相続税の申告手続き」

2年~3年以内に行う手続き

忘れがちなのが、「葬祭費」や「埋葬料」の手続きです。時効を迎えてしまうと、請求されないので注意が必要です。

葬祭費・埋葬料の申告

「葬祭費」や「埋葬料」の申告を行うと、葬儀費用の一部が支給されます。葬祭費に関しては地域によって金額が異なりますが、5万円前後が多いようです。葬祭費と埋葬料の違いについては以下で解説します。

  • 葬祭費について:国民健康保険や後期高齢者医療制度などに加入していた被保険者が亡くなった場合、葬儀費用の一部が給付される
  • 埋葬料について:故人が組合保険などに加入していて、家族がいなかった場合に故人の葬儀を執り行った知人などに対し「埋葬料」が支払われる。また、被保険者の家族が亡くなった場合、被保険者本人に一律5万円が支給される。

死亡保険金を請求する

死亡保険金の手続きに関しては、加入していた保険会社に連絡し必要書類を取り寄せ手続きを行います。生命保険金は相続税や所得税の対象になる場合があります。3年以内の期限ではありますが、早めに手続きを行った方が良いでしょう。

その他必要に応じて行う手続き

公的な手続き以外にも、生活に関するさまざなな手続きの解約や名義変更を行う必要があります。電気、ガス、水道、NHKなど公共料金の名義を変更したり、支払い口座の変更を行ったりしましょう。また、携帯電話などの通信費についても電話会社に解約の問い合わせをしてください。

まとめ

大切な家族が亡くなり、葬儀が終了してからも残されたご遺族は故人に関するさまざまな手続きを行う必要があります。年金の受給停止手続きは、遅れてしまうと引き続き受給が続きます。余分な年金を受け取ってしまうと、返還する際に更に手続きが必要になります。また、手続きが遅れるとペナルティーが発生してしまう税金関係や、自ら手続きを行わないと支払われず、そのまま時効を迎えてしまう「葬祭費・埋葬料」などもあります。葬儀後から1つ1つ確認しながら手続きを進めていきましょう。