梅雨が明けるころ、宮古島にはサガリバナの季節がやってきます
添道(そえどう)サガリバナ群生地では、夜に咲き、翌朝には散ってしまう幻想的なサガリバナを楽しむことができます。毎年、開花のピークを迎える6月下旬から7月上旬には、「添道サガリバナ、夜のお花見」としてライトアップも行われ、宮古島の初夏を代表する風物詩のひとつとなっています。
一夜限りの花に出会う、ちょっと特別な夜の散策に出かけてみませんか。
会場では、白から淡いピンク色のサガリバナに加え、小ぶりで真っ赤な花を咲かせるベニサガリバナも見ることができます。闇の中にふわりと浮かび上がる花と、あたりに広がる甘い香りは、昼間とはまったく違う特別な雰囲気をつくり出します。
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催時期 | 6月下旬〜7月上旬(ライトアップは約10日間) |
| ライトアップ時間 | 19:30〜21:30 |
| 会場 | 宮古島市平良西仲宗根(添道地区) |
| アクセス | 宮古空港から車で約10分 |
| 料金 | 無料 |
| 主催 | 宮古島環境クラブ(MEC) |
サガリバナとは — 夜に咲き、朝に散る花
サガリバナ(学名: Barringtonia racemosa)は、東南アジアから沖縄にかけて自生する亜熱帯の樹木です。花の最大の特徴は、夜に咲いて翌朝には散ってしまうこと。白から淡いピンクの花弁に、まるで打ち上げ花火のように広がる長い雄しべが印象的です。
花が開くと甘くやさしい香りが漂い、闇の中に浮かぶ花と香りが幻想的な空間をつくり出します。
添道の群生地 — 約600本超の圧巻のスケール
添道のサガリバナ群生地は、約600本超という規模を誇り、個人の庭先に数本あるものとは次元の違うスケール感があります。
この群生地は、2001年度に実施された農地基盤整備事業によって、赤土等の汚濁を防ぐための沈砂池が整備された際、同時に左岸230mに遊歩道とサガリバナ並木が造成されたことが始まりです。
現在、添道サガリバナ群生地には、樹齢が分からない自生木が約100本、旧平良市が植えた遊歩道沿いの並木が約150本、宮古島環境クラブが右岸斜面に植えた約350本があり、毎年およそ600本のサガリバナの成木が花や実をつけます。
さらに今年(2026年)は、新たに右岸道路沿いへ100本の植栽も行われました。
宮古島環境クラブ(MEC)が長年にわたって保全活動を続けてきたことで、これだけの群生が守られています。
また、この一帯にはサガリバナ属のベニサガリバナやゴバンノアシも生育しています。2026年のライトアップ期間中は、左岸の自生木と遊歩道沿いの並木、合わせて約250本のサガリバナに加え、ベニサガリバナ2本も同時に照らされる予定。
ライトアップの見どころ
毎年6月下旬〜7月上旬の約10日間、群生地がライトアップされます。ライトに照らされたサガリバナは、昼間とはまったく違う表情を見せてくれます。
- 見ごろの時間帯
- 夜8時ごろから花が開き始めます。20時〜21時が一番の見ごろです。
- 散った花も美しい
- 翌早朝(5時〜6時ごろ)に訪れると、水面に浮かぶ散り花を見ることができます。これもまた格別の風景です。
ライトアップ以外の時期
ライトアップ期間外でも、開花シーズン中は自由に見学できます。
サガリバナは例年6月下旬から7月上旬に見ごろを迎えますが、台風の影響がなければ、11月ごろまで果実とともに花を見ることもあります。
過去の開催実績
添道サガリバナのライトアップ「添道サガリバナ、夜のお花見」は、2009年に始まりました。コロナ禍による3年間の中止を除き、今年(2026年)で14回目の開催となります。
開催期間は毎年6月25日〜7月4日までの10日間。期間中は毎晩19:30〜21:30の2時間、サガリバナがライトアップされます。
ライトアップ期間中には、地元の方だけでなく県外からの観光客も多く訪れます。関東や関西の旅行会社が企画する団体ツアーも予定されており、期間中とその前後には、約17団体・400名を超えるバスツアーが訪れる見込み。(2026年6月情報)
| 年 | 日程 | 備考 |
|---|---|---|
| 2022年(第10回) | 6月25日(土)〜7月4日(月) | ライトアップ 19:30~21:30 |
| 2023年(第11回) | 6月24日(土)〜7月4日(火) | ライトアップ 19:30~21:30 |
| 2024年(第12回) | 6月25日(火)〜7月4日(木) | ライトアップ 19:30~21:30 |
| 2025年(第13回) | 6月25日(水)〜7月4日(金) | ライトアップ 19:30~21:30 |
| 2026年(第14回) | 6月25日(木)〜7月4日(土) | ライトアップ 19:30~21:30 |
一夜で散るサガリバナに、島の人間も毎年心を奪われる
何年住んでいても、サガリバナの夜には足を運んでしまいます。「今年もやってるらしいよ」と誰かが言い出すと、仕事帰りにふらっと添道まで車を走らせてしまう。それくらい、あの夜の空気には抗えないものがあります。
暗い遊歩道に入った瞬間、まず甘い香りが先にやってきます。目が慣れてくると、白い花が闇の中にぽわっと浮かんでいるのが見える。打ち上げ花火みたいな雄しべが広がっている姿は、何度見ても不思議な美しさです。そして翌朝にはもう散っている。この儚さが、サガリバナの一番の魅力だと思います。
おすすめは、夜のライトアップと翌早朝の二回訪問です。夜は幻想的な光景、朝は水面に浮かぶ散り花。同じ場所なのにまったく違う表情を見せてくれます。宮古島の初夏にしか出会えない、ちょっと特別な夜の体験です。
添道サガリバナ群生地は、かつて旧平良市が構想した「サガリ花の園」として、散策・自然環境の学習・観光の場としての活用が期待されています。今後、周辺道路や駐車場、トイレなどの環境整備が進めば、ライトアップ期間だけでなく、年間を通して修学旅行や観光ツアーを受け入れられる場所になる可能性があります。
そのためには、除草や伐採などの維持管理体制づくり、アクセス道路の整備、大型バスの駐車場やトイレの設置など、地域全体で守り育てていくための環境づくりが大切です。
一夜だけ咲き、朝には散ってしまうサガリバナ。
その儚く美しい花が毎年咲き続ける添道サガリバナ群生地は、宮古島の自然が育んだ大切な宝です。訪れる人も、地域の人も、これから先の世代へ残していきたい場所として、大切に見守っていきたいですね。
観光客へのガイド
添道のサガリバナ鑑賞は素晴らしい体験ですが、いくつか知っておいていただきたいことがあります。
- 懐中電灯は必携です。 群生地の周辺は街灯がほとんどなく、ライトアップされていない場所は真っ暗です。足元を照らすライトがないと危険です。
- 虫よけ対策は万全に。 湿地帯なので蚊が多いです。長袖・長ズボンの着用と、虫よけスプレーの持参を強くおすすめします。
- トイレはありません。 事前に済ませてから訪れてください。
- 駐車場: 通常は3台程度のスペースしかありませんが、ライトアップ期間中は臨時駐車場が設けられます。
- マナー: 花や枝を折ったり持ち帰ったりしないでください。散った花を拾うのもご遠慮ください。保全活動によって守られている群生地です。
- 所要時間: ゆっくり歩いて30分〜1時間程度です。
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