喪服にネクタイピンをしてもいいの?
ネクタイピンはネクタイが動かないように固定する役割はもちろん、単調になりがちなスーツにアクセントを与えてくれるアイテムでもあります。ビジネスマンの方の中には、普段からネクタイピンを愛用している方は多いのではないでしょうか。
ビジネスシーンや結婚式などでネクタイピンを使用するのは問題ないですが、お葬式の場では使用しても良いのか悩むこともあります。一般的には、ネクタイピンは喪服に合わせても問題ないとされています。しかし、デザイン性の高いおしゃれなネクタイピン、ピンの形が大きく目立つものはマナー違反となるので注意が必要です。
ネクタイピンの種類
ネクタイピンには「挟むタイプ」と「刺して固定するタイプ」があります。こちらでは、代表的なネクタイピンの特徴についてご紹介します。また、お葬式に適したデザインも解説しますので、喪服に合わせるネクタイピンをお探しの方はぜひ参考にしてください。
「タイクリップ」ならお葬式でも使える
「タイクリップ」は、クリップのようにネクタイとシャツを挟むタイプです。近年、ネクタイピンというとこのタイクリップが主流となっています。簡単に使用できるため愛用している方も多いでしょう。
タイクリップなら葬儀の際に身に着けても問題はありませんが、シルバーのように光に反射して光るものではなく、黒やグレーなど落ち着いた色のものを選びましょう。タイクリップの先端に真珠や黒真珠がついているタイプはフォーマル用なので、冠婚葬祭で使用可能です。
「タイタック」は要注意
タイクリップは挟んで使用するタイプでしたが、タイタックは針を使って上下のネクタイを固定するタイプのネクタイピンです。シルバーなどの細長いチェーンがついているので、カジュアルな印象となりお葬式には適しません。しかし、真珠が1粒使用されたシンプルなタイタックなども販売されています。タイタックを選ぶ場合は「葬儀用」など表示されているものを選ぶと間違いありません。
シンプルな「タイバー」も
タイバーはタイクリップと似ていますが、タイクリップがバネなどで挟むのに対し、タイバーは1つの細長い金属棒を曲げ、その隙間にネクタイを挟み込むタイプになります。シンプルな構造なのでタイクリップと比べ、ネクタイピン自体に厚みがなく目立ちません。ただし、喪服用のネクタイに厚みがない場合は、挟んでも落下してしまうことがあるので、あらかじめ着用して確認しておきましょう。
お葬式につけるなら
喪服と合わせて使用するネクタイピンは、黒色のタイクリップやタイバーがおすすめです。日頃からネクタイピンを愛用しているなら、葬儀用として黒色のネクタイピンを用意しておくと安心です。価格は1,000円~3,000円程度なので手に入りやすいでしょう。
大切な喪服のマナーも確認
お通夜や葬儀・告別式に着用する喪服は、「正喪服」「準喪服」「略喪服」と種類分けすることができます。ご遺族側ではなく、一般参列者なら喪主より1段階軽い装いの「準喪服」を着用することになります。それぞれにどのような特徴やマナーがあるのかご紹介します。
喪服の種類
正喪服 | 喪主やご遺族が着用する喪服 男性:黒のモーニング 女性:アンサンブルで黒無地、黒ストッキング |
準喪服 | 一般参列者が通夜、葬儀・告別式に着用するもの。 ブラックスーツともよばれる。 男性:ブラックの上着にシングルの黒いズボン 女性:アンサンブルやワンピースなどに 黒ストッキング。控えめなフリルなどのデザインはOK。 |
略喪服 | 「略喪服」は、三回忌の法要から着用することが多い。 黒に限らずグレーや紺など落ち着いた色合いの服装を心掛ける 男性:ダークグレー、濃紺などのスーツ 女性:ダークグレーや濃紺のジャケットにスカートやパンツを合わせる。派手でなければチェックなどのデザインもOK。 |
喪服に合わせる「ネクタイ」のマナー
喪服に合わせるネクタイは黒で無地の弔事用タイプを選びます。黒い色でも刺繍などが入っていたり、ストライプのような模様が入っているタイプは相応しくないので避けましょう。
喪服に合わせる「ベルト」のマナー
お葬式には香典や喪服の準備に追われ、ベルトまで気が回らない方もいるかもしれません。しかし、「通夜振る舞い」や「精進落とし」など会食に出席する場合は、ジャケットを脱ぐことも考えられます。見えないところまで気を付けておくのも、葬儀マナーの1つといえるでしょう。
茶色のベルトはお葬式に身に着けてもいい?
普段のスーツに合わせて茶色いベルトしか持っていない方もいるかもしれません。茶色いベルトと黒い喪服は相性が悪く、悪目立ちしてしまいます。喪服用として黒いベルトを1本用意しておくといざという時に慌てなくて済みます。
ベルトのデザイン
ベルトのバックル部分は黒か、シルバーが最適です。ゴールドはお葬式には相応しくないので避けた方が良いでしょう。
ベルトを忘れた場合
会食せず参列のみならジャケットは脱がないため、ベルトが無くても気付かれる可能性は低いです。ただし、久々の喪服でズボンが体型に合わないといったことも考えられます。可能であれば途中で購入して、参列前に身に着けておくと安心です。
喪服に合わせる「靴」のマナー
続いては喪服に合わせる靴のマナーをご紹介します。通夜やお葬式など悲しみの場では、目線が下がりがちなので、他人の靴は意外と目に入りやすくなります。マナーに合った靴を履くのはもちろん、天候が悪い場合は式場に入ったらサッと汚れを落とすなど、細かい点にも気を付けましょう。
男性は「内羽根」「ストレートチップ」
靴ひもが外に出ない「内羽根」のデザインで、甲の先に直線状の縫い目のある「ストレートチップ」の靴がフォーマルシューズとして最適です。通常のビジネスシューズを履いていく場合は、色は黒で金具のないシンプルなデザインのものを選びましょう。
女性は光沢のない「黒いパンプス」
黒いパンプスで、ヒールは5cm前後の高すぎないものを選びましょう。女性の靴は「布素材のパンプス」が適しているといわれていますが、光沢のないシンプルなデザインであれば、素材は皮素材や合皮のどちらでも問題ありません。
喪服に合わせる「カバン」のマナー
喪服にはどのようなカバンを合わせるのが良いのでしょうか。ここでは、「お葬式カバン」について男女それぞれご紹介します。
男性のお葬式カバンは必要?
基本的に男性はスーツのポケットを利用し、カバンを持たない方が良いでしょう。ただし、持ち歩きたいものがありカバンが必要な場合は、以下のタイプがおすすめです。
- 黒色のセカンドバッグ
- 弔事用のクラッチバッグ
男性用の葬式カバンは、紳士服専門店や大型スーパー、通販などで手に入ります。
女性のお葬式カバンは黒無地のハンドバッグ
女性の場合は、金具がなくシンプルなデザインのハンドバッグを選びましょう。色は黒がベストで、ショルダーバッグなどは避けたいです。荷物が多く、サブバッグを持つ場合も色は黒を選びましょう。動物の柄、皮素材のカバンは殺生を連想させるため、お葬式にはマナー違反です。
まとめ
今回は喪服にネクタイピンの組み合わせや、お葬式の服装などのマナーについてご紹介しました。ネクタイピンがあるとネクタイが乱れにくいため、いつも使用している方は多いですよね。喪服に合わせるときも、色やデザインなどに気を付ければ使用することはマナー違反にはあたりません。喪服だけではなく見えない部分や細部まで気を配り、ご遺族に失礼のないように参列しましょう。