こんにちは〜。 がんずぅかりうらまずなー(お元気ですかー)?
きょうは、「ご利益」のぱなすからスタートです。あなたにも「ご利益」がありますように。
あつかー、ぱずみっとー。
ご利益
あば本舗(下地上地出身)
4月から中部病院への転勤が決まった。
そこで、休日の3月20日春分の日(彼岸)に、新しい職場まで通勤距離がどのくらいあるのか?距離を測るべく朝から出かけることにした。
まず高速にのり、沖縄市北のインターチェンジで降り中部病院まで行き戻ってくるつもりだった。
高速に乗る前に じんぬ にゃーんにば(お金がないので)、近くの金融機関に寄ってお金を工面した。出かけようとしたその時、ふと思った。
まちよ〜 おとうが33回忌ゆ たぬんたー てぃら んかい てぃーゆ かみが いきみゅーでぃびゃ〜?(まてよ、父の33回忌を頼んだお寺に手を合わせに行ってみょうかな〜?)
そんなわけで、愛車を逆方向へと走らせる。
首里城の南側に位置する達磨寺は、沖縄中の人びとから篤い信仰を集めるお寺である。
実は20年前、長男家族が転勤のため長期に東京に居た間、父の位牌を私と母が預かっていた事がある。その間、33回忌をすることになった時、達磨寺のお坊さんに供養をお願いした。それ以来、達磨寺には何となく親しみ?を感じていた。
さて、達磨寺へ到着し、お賽銭を上げ神妙に祈った。
かまーたんかい まいにつ 車しー いかだかー ならんすぅが ぷじ まもり ふぃーさまち(遠いところへ、毎日車で行かなくてはいけないけれど、どうかお守りください)
ふと見ると様々な種類のお守りやら開運厄除けグッズが置いてある。
そこでお坊さんに、遠くへ通勤するのでどんなお守りがいいですか?と相談すると「七難厄除け+自分の干支の守り」を勧めて下さった。購入後仏様にもう一度祈りお願いする。
とうーとぅがなす ぷじ まもりふーさまち(神様、どうかお守りください)
車に戻って、有り難いお守りを運転免許証の中に入れようとして取り出す。久々にまじまじと運転免許証を見て、免許の期限に釘付けになった。おっごえぇぇ〜!去年の11月13日で期限切れになっているではないか!
あまりの事に頭が真っ白になった。何と!私は免許更新手続きをすっかり忘れて4ヶ月も無免許運転で走っていたのである。お寺から自宅まで、どうかお巡りさんが居ませんように・・・と、ぷぅとぅぷぅとぅ(ドキドキハラハラ)しながら自宅に戻る。
早速週明けに休みをもらって、公安委員会で講習を受けることになった。多少手続きが面倒だったが、免許証は交付され4月から無事に新しい職場に通勤することが出来たのだった。
まーんてぃ あがいたんでぃ(本当にやれやれ)である。
あんな(母)にその事を報告すると、ぴんなぎむぬ いら しょうどう(父の名前)が だいずてぃ ならーしふぃーたーがらまい っすさるんがむぬどー(不思議な事もあるもんだね。昌道が、大変な事を教えてくれたのかもしれないよ)
期限切れの免許証で堂々と4ヶ月も車を運転している娘のダメダメぶりに、亡き父もあきれ返って天国からメッセージを送ったのかもしれない。トホホ。
振り返って3月20日お彼岸の日。あの日、もしも達磨寺へお参りしなかったら・・・今頃どんなトラブルに見舞われていたのだろうか?
いやはやご利益なるものは、やはりあるのかも知れないと思いつつ、今日も車を走らせる。合掌。
一行詩
ビートルズ世代のサラリーマン(平良下里出身)
☆げんかんな さなぬぱなさき° 梅雨ばんず
(玄関は 傘の花咲く 梅雨の盛り)
この時期は靴を脱ぐ場所が無くなります。
☆さなまい かーらき°まどぅまいにゃーん 梅雨ばんず
(傘も 乾く暇も無い 梅雨盛り)
連日の雨には、すぷたす°(湿気が多くじめじめ)となりますね。
☆ずーゆならし ぱーがらゆならし あみぬふす°
(大地を鳴らし 葉っぱを鳴らし 雨が降る)
旱魃の大地を大粒の雨が潤していく。今年は大丈夫かな。
☆あみぬなか あてぃぷからさてぃ ぱりみばかす°
(雨の中 嬉しくて 畑を見回る)
農民にとって雨は死活問題。天の恵みに感謝。
☆ぐまじんぬ つつみつとぅらす おばぁがてぃ
(小銭を 包んで渡してくれる おばぁの手)
島を出るとき そっと 渡してくれた
おばぁの手のぬくもりが ばっしらいん。
このお金は あたらかかーば 使うことが出来ないね。
☆いふつむぬ いみゆかふたき すまゆぱす°でぃ
(幾つもの 夢を抱いて 島を出で)
その内、幾つの夢が叶ったのか?
☆うがなーり すまふつかたり ゆーやふき
(集まって 島口を語り 夜はふけ)
ほんと、いくら時間があっても語り足りないね〜。
☆さいきんな むぬばっしならんてぃ かながいから
(最近は 物忘れがひどくてと 随分前から(言っている))
10年も同じ台詞を言い続けているさいが!
『狩俣のイサミガ』どぅかってぃ解説
マツカニ(上野高田出身)
今回はタイトルに宮古島の北端の地「狩俣」を冠した「狩俣のイサミガ」です。あまたある民謡の中で歴史の淘汰をかいくぐり、いまだ宮古島の人々に愛され唄われ続けている唄です。
1 かす゜また ぬ いさみが んなぐず ぬ みやらび
(狩俣のイサガミ んなくずの 乙女)
アガスゥミャーヨ(ハヤシ)
2 とぅんがら や やうんむ なしばたや びし゜ぅうんむ
(女友達は 家にいるの 年頃の乙女は 座っているの)
3 やうらば なうすぅでぃ びじうらば いきゃすぅでぃ
(家にいたら何ですか 座っていたら何するの)
4 くりぷどぅ ぬ すぅうつん くりぷどぅ ぬ すぅびゃりん
(これ程の大潮に これ程の干潮に)
5 いん うりだ やうんむ ぱまふまだ びじうんむ
(海下りず 家にいるの 浜踏まず 座っているの)
6 ずぅやずぅ きゅうや いんうり ずぅやずぅ きゅうや ぱまふま
(さぁ行こう 今日は 海下り 行こう 今日は 浜を踏もう)
7 いんざ いんむが うりでぃが いざ ぱまが ふまでぃが
(どこの海へ下りるの どこの浜を踏むの)
8 うりならす゜ いんだら ふんならす゜ ぱなだら
(下り慣れた海だよ 踏み慣れた浜だよ)
9 ばが てぃらや とぅりむち いすぅでぃらや さぎむち
(私のかごを取り持って 磯用のかごを下げ持って)
【解説】
1番の「んなぐず」の部分はよくわかりません。「砂地」とか「屋号」とか訳されているのもありますが、ここでは、どぅかってぃに考えて城辺の地名「んなくず」にしてみます。狩俣のイサミガは城辺の「んなくず」から嫁に来て、親しい「とぅんがら」が出来た、となります。「とぅんがら」とは特に親しい同じ年の女友達どおしのことをいいます。ちなみに同級生のことは「あぐ」といい「ハーイアグー」と呼んだりします。(ブタではないよ)
2番の「なしばた」の部分も悩ましい部分ですが宮古民謡の歌詞の特徴から考えると「とぅんがら」と同義語のような気がします。「子どもを産むおなか」と訳せないこともないのですが・・・。ネフスキーの本『宮古のフォークロア』の中には、「なりぱだ」となっていて、「年頃の乙女」と訳してあります。
4番の「すぅうつん」もまた難儀な部分です。『平良市史』によれば、「満潮」と訳されているのですが、後の歌詞から考えるとどうでしょうか?「大潮」としたほうが良い気がします。「すぅびゃーり」は通常は「すぅぬぴしゅー」と言いますが すぅ(潮)が ぴゃーり(日照り)ているということで、すごい干潮だと考えられます。
曲調は独特のメロディーをノリノリの三線がサポートします。「漲水のクイチャー」と同じ感じです。僕のかすかな記憶をたどれば西田佐知子の「恋に二日酔」という歌は「狩俣のイサミガ」をもとに作られ、よく似ていたと思います。「お富さん」の作曲で有名な沖縄出身の渡久地政信の作曲だったと記憶していますが・・・。
『平良市史』によると「狩俣のイサミガ」は、33番まであり、嫁があつまって姑の悪口をいっていると潮が満ちてきたので、見回していると貝やタコがいたので持てるだけ取って帰ると、舅や姑からは、お前が取ったんじゃなく不倫の相手が取ったんじゃないかと言われ、頭に来て、私がいなくなったら姑は、カマドの前に座って水でも飲め、舅は山に行きがてら蜂にさされてしまえという所まで歌われています。いつの世も大変大変。ではでは。
#参考資料:『平良市史 第7巻資料編』,『宮古のフォークロア』ニコライ・A・ネフスキー著
編集後記
松谷初美(下地町高千穂出身)
宮古も梅雨の しみゃーに(終わりに)なって、だいずな うぷあみ(大雨)が降ったようですが、農作物にとって恵の雨になっているといいですね。
上野の新里では、梅雨のこの時期に羽化するという「ツマグロゼミ」が鳴きだしたとのこと。(宮古毎日新聞より)。別名「梅雨ゼミ」とも言われているこのセミは、新里にしかいないそうです。私は、んなだ みーたーくとぉにゃーん(まだ見たことありません)。それにしても、新里にしかいないとうのは、ぴるますむぬやー(不思議なことですね)。
以前、「お店紹介」で紹介したことがありますが、下地にある「南風」では、パイナップルの収穫が始まったそうです。今年は、5千玉の収穫を見込んでいて、甘さもばっちりのようですよ。現在はホームページからの受付はしていないそうですが、下地の洲鎌にある直売所で販売しているとのこと。機会のある方は、ぜひ、行ってみてくださいね。
それから、下地勇さんとBEGINの島袋優さんのユニット「シモブクレコード」のアルバム「Looking South West」が発売になりましたね〜。まいにつ(毎日)車の中で聴いていますが、今は「周回遅れのランナー」に、はまり中〜。♪世界は〜回っているんだよ〜・・・。あっがい、ずみっ!ツアーも予定されているそうです。詳細は下記のサイトで!
さて、vol.198や のーしが やたーがらやー?
あば本舗さんの話しには、びっくり。こういうことってあるんですねー。もっと後だったら、免許証失効ということもありえたわけで、本当に、お父さんからのメッセージだったんだはずね。そのお寺での状況が手にとるように分かり、ご利益の実感がしみじみと伝わってきました。
ビートルズ世代のサラリーマンさんは、「梅雨時期にあわせ、雨を題材にして、身の回りや宮古の事を詠んでみました」ということでした。情景が目に浮かぶようでしたね〜。「ばんず」や「みばかず」や「ぐまじん」など、みゃーくふつも あずーあず やー(味わい深いですね)。
あなたもぜひ、みゃーくふつで詠む一行詩に挑戦してみませんかー?いつでも、受付中!
「狩俣のイサミガ」は、宮古民謡の中でもだいずポピュラーな歌ですね。ばんたが(うちの)おばあもよく歌っていました。歌詞の中には今では使われていない言葉もあるので、意味は知らずに歌っていましたが、マツカニさんの解説に、アハーと思いました。それにしても、んきゃーんの人たちが歌っていた歌を今の私たちも歌えるというのは、昔の人と繋がる感じがしますね。ばんまい、おばあを思い出しながら、あっじみーでぃ。
200号まで、んなぴっちゃ(もう少し)となりましたが、先日、東京新宿の某所で関東に住むくま・かまライターが うがなーり(集まって)、密談をいたしました。みゃーくふつの面白さと難しさといろいろ実感しながらの談義でしたよ。さてさて、どんな形で登場するでしょうか。お楽しみに〜。
今号のあなたの感想もぜひお聞かせくださいね。まちうんどー(お待ちしています)
次号は7月2日(木)の発行予定です。お楽しみに!
きゅうまい かぎぴかず(今日も佳き日)でありますように〜。あつかー、またいら!