こんにちは〜。
だんだんとぴしーぴしになってきましたねぇ。 がんずぅかりうらます゜なー(お元気ですかー)?
今回もいろいろな話題をお届けですよ。お楽しみくださいね〜。
離島フェア2013 レポート
R(平良・西里出身)
みなさん、離島フェアをご存じですか?
離島市町村、沖縄県、離島振興協議会が主催する「離島フェア2013」が、今年は、沖縄セルラーパーク那覇(沖縄県那覇市奥武山公園)で、11月15,16,17日の3日間開催されました。
このイベントは、島の伝統、島の産物を伝えることを目的に毎年沖縄本島で開催され、今年で25回目を数えています。
屋内に各離島の観光協会(今は名称が違っているかもですが)による離島紹介コーナーや各離島の特産品販売のブースが所狭しと並び、屋外では伝統芸能を紹介するステージが繰り広げられます。また、島でしか味わえない食事を提供する食堂が設置され、毎年大盛況です。
十数年前、その年は、宜野湾市のコンベンションセンターで開催された離島フェアに私の勤める会社もブースを出したので、かしー(手伝い)に行った時のこと、オープンと同時に向いのブースに行列が出来ました。
こんなに人気の特産品は何だろう?と思って向いのブースを覗いて見ると、渡名喜村のブースで販売されている「もちきび」でした。私は、渡名喜島の名前は聞いたことはありましたが、行ったことはありません。地図で見る限り、座間味島と久米島の真ん中の北に位置する いみっちゃの(小さな)島ですが、そこでできた「もちきび」がこんなに人気があることに正直驚きました。
その時の光景が、私の「島の魅力を探りたい」という思いの出発点になったように思います。地味に地味に地味に、毎日の作業を積み重ね、その土地の水、空気に適した産物が出来上がります。それは食品だったり、衣類だったり、工芸品だったりしますが、決して派手ではなく、やまかさ(多く)の人の目に触れる機会も少ないものです。しかし、確かな価値が、そこにはあります。
ここで今年の離島フェアのカタログに記載されていた渡名喜村のもちきびについて紹介しておきましょう。
(食品)もちきび
渡名喜島のもちきびは全国で唯一完全無農薬で栽培されています。白米に適量加えるだけで、食物繊維や栄養を簡単にとることができます。もちきびを入れて炊くと、ご飯がもっちりとして噛むほどにうま味がアップします。300g ¥500
今年の離島フェアには、県内18市町村の39の島が参加(鹿児島県の奄美大島を加えると40の島)していました。
伊平屋島、伊是名島からは米(この時期は新米です)、伊江島はピーナッツ、本部水納島は黒豆、津堅島は人参の産地として有名なのでそれを使った麺やお菓子、久高島はイラブー、渡嘉敷島、座間味島からは海の恵み、粟国島は塩、久米島は、泡盛、味噌、久米島紬、北大東島は月桃製品、南大東島は、ラム酒や羊羹、大東寿司、八重山諸島は石垣牛、かまぼこ、香辛料、ミンサー織り、与那国島は泡盛どなん、長命草製品、花織・・・
私の記憶ですぐにあげられる各島の特産品は上記のとおりですが、その他にもいろいろな特産品が並んでいました。近年の傾向では、コスメ商品が増えてきているように思います。
そして、宮古島の特産品も紹介しましょう。(今年は宮古島市から20店舗、多良間村から2店舗の参加です。)
泡盛(宮古島まもる君ボトルも並んでいましたよ)、海ぶどう、かつおの佃煮、宮古織り、三線などなど。
他に、今年、お話をしたお店の方の商品を紹介させていただきますね。
・宮古島産くちゃ(海底堆積泥)宮古島TSUKIMOMO工房(宮古島市上野)所有する山から採取したくちゃを乾かし、粉末にしたもので全身に使える石鹸に代わるものです。(石鹸がこれに代わったという方が当たっていますね)私は小さい頃、シャンプーがまだ普及していない時代、髪洗い粉として使用した経験があります。宮古ではここしか作っていないそうです。「難儀だからいいものでも作る人は他にはいないさー」採取から粉末にするまでの工程での苦労を笑いながら話す奥さんが印象的でした。
・バガス粉末(さとうきび食物繊維粉末)博愛海ぶどう生産組合(宮古島市上野)バガス(さとうきびの絞りカス)のふんだんな食物繊維を摂取できるように粉末にしたものです。糖分はカットされているということで、無味無臭。食べるものに加えてその栄養価を増やすサプリメントといったところですか。沖縄県内どこでもさとうきびを作っていますが、宮古島のさとうきびのバガスを使う理由を聞いたところ宮古島のさとうきびの方が食物繊維(ごぼうの約15倍)の含有量が多く、鉄分(レバーの約17倍)、ポリフェノール(ブルーベリーの約2倍)も多く含まれているからということでした。宮古島のさとうきびが褒められると嬉しくなりますねー。県内糸満市の会社が8年かけて作った製品です。
今年の離島フェアには予期せぬエピソードもありました。与那国島から離島フェアに出す商品を搭載した船が途中座礁して、間に合わないかもしれない、といった事態が発生したのです。ニュースにもなり、関係者のみなさん しわ(心配)したでしょうが、なんとか無事にブースに並べることができたようで、良かったです。
3日間の開催で13万人の来場のあるイベントです。機会があれば是非、行ってみてください。「ばんたが島の自慢」に出会えますよ。
◇あの話をもう一度
ワタリマリ(上野・宮国出身)
「兄を想って書いた詩(11)」(vol.159 2007/11/1)
この詩は、脳性マヒの あざ(兄)を想って書いたものです。
〜 秋の空 〜 くざしき(奥座敷)にすわって秋の空を見ている 高く澄み切った秋の空 今年もサシバは来てくれるだろうか? サシバが舞う秋の空がボクは好きだ ボクの気持ちを強くしてくれるから サシバが来るころは妹たちの学芸会 ボクは願う 妹たちの学芸会をボクも観にいくことができますようにと そう願いながら ボクは 昔のことを思い出している ボクがまだ幼くて 母ちゃんの背中におんぶされていたころ ボクは公民館まで芝居を観にいった 母ちゃんのボクにも芝居を観せたいという強い思いからだ ちい うわんまい 芝居ちぬ むぬう みしみゅうっちゃあ あっすが いきっちゃあ すなあきしい みいるんに (さあ お前にも 芝居とやらを 観せてあげよう だけどそこでは静かにしてなくちゃいけないよ) ボクは約束させられて公民館に連れて行ってもらった すこしおめかしした村の人々が集まってくる 母ちゃんもあいさつに忙しい ボクが背中にいるのを見て 物珍しそうになぜボクも一緒なのか聞いてくる人たちがいる 母ちゃんは想いを話す まあんち ゆぬ やらびがみどぅあー ぷからっさあ すむだから (そうだね ほかの子供たちとかわらないんだから 楽しいこともさせなくっちゃあ) 想いを解かってくれたことに母ちゃんの緊張もほぐれる だが いろんな人がいる 見世物を見ているような子供もいる ありー いずふっふぁうな さありまありゅう うりゃあ いみゅうばあ っしいなうう? (あらまあ 奇形な子もつれてきたの その子は意味分かっているのかね?) 心無いことばを投げかける人に母ちゃんは何も返さない 子供たちは 子供たちで 何でこんなきちがいが一緒に来たかとか そのこは人間か?とか さんざんだ 母ちゃんは気丈に振舞う くりゃあ のうゆまい っしいどぅうう うわたあとぅ のおまい かあらん と (この子は何でも理解しているし あなたたちとちっともかわりませんよ) そうだよ ボクは話せない 歩けない 出来ないことがいっぱいあるけれども 出来ることだってある 見えるし 聞こえるし 笑えるし 涙も出せるさ そして悲しみも君たちの何十倍もあるんだよ 君たちがボクのことを人間じゃないといったときが一番悲しいよ 母ちゃんの背中でボクはつぶやいていた そろそろ芝居が始まりみんなの目はボクから芝居に移った 観衆は大いに笑い 拍手している ボクを背負って会場の一番後ろに立った母ちゃんも もう気持ちを切り替えているようだ みいらりいなうう うむっしいら (観られるか おもしろいねえ?) どんなときでもボクを気遣っている母ちゃん 芝居が終わって母ちゃんの声はすこし弾んでいる 芝居が面白かったのもそうだが 何よりもボクを思い切って連れ出して 家以外の場所でボクも一緒に楽しい時間を過ごすことが出来たこと ボクは母ちゃんがそんな想いを喜びとして話してくれることが うれしかった おんぶから開放されたボクは ボクにとって世界一立派なのはやっぱりボクの母ちゃんだと 奇声を出して叫んだ あのときからボクは ボクがボクであることが ちっとも恥ずかしいことなんかじゃないと思うようになった 悔しくても 悲しくても 情けなくても ボクと母ちゃんはそれを乗り越えて生きてきた 秋の空にボクの願いは届くだろうか たとえ届かなくても 母ちゃんの気持ちはボクにはちゃんと分かっている 妹は学校から持ち帰った劇の台詞を一生懸命に覚えている サシバの群れも現れ また来年会いましょう と東へと飛んでいった
『みやこの歴史』フィーバー
宮国優子(平良・下里出身)
「私は真面目人間になったっぽい」と自分の事ながら驚いた。こんなに郷土史に燃えるなんて。
普段の趣味は海外のドラマと友人とのおしゃべりと子どもとの馬鹿話、アカデミックな香りは一切しないと言っても過言ではないのです。ですが、数年前から半分妄想気味に宮古の歴史に手を出すようになりました。私から見たらだいず真面目な人のカテゴリーに入る。しかし、壁は厚かった。如何せん、読みにくい。勉強していないツケがまわってきたってことさーね。いや、あきらめんよ、とかなんとか最近は思い始めていた。
しかーし、宮古の神は見捨てていなかった。勝手に宮古の神様持ち出したけど。やっぱりそーさーねー。素敵さいが、粋さいが!宮古の神様は!私のようなまったく歴史用語とかがわからない人にも優しい宮古島市史『みやこの歴史』が発刊したのだ。
宮古島市になって初の公的な郷土史だ。いぇーい←うれしくて半分狂ってます。初版は逃してしまったが、宮古に行ったとき二版目を手に入れた。鼻息あらーく、パラパラと今日もめくっている。
なんと「中学生でもわかる」というふれこみで、またたく間に宮古で売れているらしい。っていうか、これで三千円?いや、三千五百円だったかな。えぇーい、もうどうでもいいさいがよ。だいず上等だのに。一家に一冊でしょう、これは。家庭の医学よりはいいと思う。あれを見たら恐怖にすぐ陥る私にはこの『みやこの歴史』の方が精神衛生上、良い気がします。
中身はもういろいろと談義されていると思うので、私は表紙からせめてみたい。「ねぇ、知ってる。宮古ってさぁ、いろんな呼び方があるわけよ、歴史的に」知ったかぶりしてグラスを片手にこれを読んでいるあなたに言ってみたい。知ってるにきまっているさいが!と蹴られるかもしれないけど。ま、そんな妄想どうでも良いですが、確かに宮古はご存じの通り、meaco 、都、麻古山、密牙古、さまざま。総勢14名前。それが裏表紙に素敵にデザインされている。うーん、たまらん。
何が一番素敵かというと、この表紙や裏表紙のデザインなのであります。宮古の古地図がブルーグレーとベージュで描かれている。昔から古地図が好きで(歴史は嫌いだったけど)古いメルカトル地図とかを狭い自分の部屋に貼っていた。もう、この雰囲気なんだか大好きなのです。ラケット買ってからテニス始める、そして下手みたいなの典型です。やっぱり見た目も大事と思うさーね。
他にも好きなところはいっぱいあるのだが、この本はぜひ開いて欲しいので、多くは語らないことにしたいです。カラー写真も多いし、人名が山ほど載っている。自分に関係のある人を探すのは容易なはずだ。私ですら、「あぁ、あの友人はこーいう先祖なわけね〜」とか一人でいろいろ思った。まだ本人には確認していないが、たぶん、そう。絶対、そう。地域と名前がリンクすれば、たどっていけると思う。郷土史に人の匂いがプンプンとする。なんて素敵な本だろう。かぐわしすぎる。
鼻息がまた荒くなってきた。興奮ついでに、まじで売り歩こうかな、とまで思ってきた。昔、宮古にも百科事典を売りに来る人いましたよね。うちにはその時のアカデミアがまだ並んでいます。あれで私は活字好きになったと思う。父ちゃん母ちゃんありがとうっ!でも好きな巻しか読まなかったせいか、一部はまだ新品です。特に歴史関係・・・。私のような食わず嫌いにならないように、この『みやこの歴史』はぜひいっしょに読んで頂きたい。親子で。宮古にいたら、興味を持ったところを親子で訪ねることも簡単だもの。あ〜うらやましい。
「いや待て、君は舞い上がり過ぎ」と、もう一人の自分が言うので、少し冷静になって考えてみました。うーん。やっぱりいいよ、この本。私がこの本に中学、いや小学校時代に巡り会っていたら、人生変わったかもしれない。宮古の歴史は教科書に載っていなかったし、地球儀でも宮古は点だった。その地球儀を前に私は初めてアイデンティティについて考えた。
いや、その時はさすがにそんな言葉は知らなかったけど。でも、足下が根幹から揺らぐ感じは今でも忘れない。「え、私たちは世界に存在してないのでしょーか?」と泣きそうになった。
自分の存在について考えるようになる頃と言えば思春期だろうか。そんな時に「あ〜ご先祖様はこーいう暮らしだったのね」とか、日本の歴史や世界の歴史と並行に郷土史を見ていくことができる本があったら良かった。あ、今日も自分語り長くなりました。すいません。
この『みやこの歴史』は素晴らしい本です。私は、これを使ってエコハウスで読書会ならぬポエトリーリーディングのような読み聞かせ会をしてほしいと思うのだ。寺子屋でもOKです。小学生に混じってガンガン質問するアホなおばさんがいると思ったらきっと私なので、生暖かい目で見守ってくださいませ。なんなら みっふぁ(無視)してもいいです。ビビリだから急に声はかけないでください。って、急以外にどんな声のかけ方があるのかは微妙ですが。集中しているとき、人に声をかけられたらいつも1メートルは飛び上がる迷惑なおばさんです。『みやこの歴史』ともどもぜひぜひよろしくお願いします。だって、私は『みやこの歴史』ファンクラブ会長だからさ〜。あ、もちろん自薦です!
編集後記
松谷初美(下地・高千穂出身)
11月ももう半ば。ストーブをつける日も多くなってきました。街路樹のけやきやイチョウ、桜の葉も色づいて秋を実感。この時季、どんぐりを拾うのも楽しみでして。いろいろなどんぐりを見つけて、喜んでいます。あの帽子がなんともいえず、かわいいがまなんですよねー。
沖縄にもどんぐりのなる木はあるようなんですが、やらびぱだ(子どものころ)どんぐりを見たことはありませんでした。みやこんまい あーですびゃー(あるのでしょうか)?あれば、探してみたいですね。
沖縄の んなまずぶん(今頃)といえば、トックリキワタのピンクの花もきれいですよね〜。3年くらい前の11月に帰省したころ、平良植物園の東側の道路沿いと、下地の旧役場の近くで、トックリキワタの花を見ました。植物は人の心を和ませてくれますね。
さて、今回の くま・かまぁ のーしがやたーがらやー?
離島フェア。Rさんのレポートから各地の島の恵みが伝わってきました。渡名喜村のもちきび、食べてみたーい!して、バカス粉末すごいですね。洗い粉が宮古で作られていたとは、すさったん(知らなかった)。地道な努力をしている方々が多くいるんですね。離島フェアいつか行きたいです。
「あの話をもう一度」は、ワタリマリのお兄さんの詩をお届けしました。何度読んでも、熱いものがこみあげてきます。遠い秋の日のあの一日が、お兄さんの心を支え、生きる力になっていたのを妹はちゃんとわかっていたんですね。読んでいるこちらも勇気をもらうお話でした。
『みやこの歴史』、大変な人気のようですね〜。優子さんのお話からその人気の秘密が感動とともに伝わってきました。本へのラブレターのようだと優子さんは話していましたが、まさに。人名が多く載っているというのも興味深いですね。自分と地続きにある歴史。私も早く手にしなくちゃ!
貴方の感想もぜひ、お寄せくださいね。
お待ちしています!
琉球民謡伝統協会神奈川支部の発表会に向けて、明日から宮古に帰ります。わくわく!
今回も しまいがみ ゆみふぃーさまい たんでぃがーたんでぃでした!
(今回も 最後まで お読みくださり ありがとうございました!)
次号は、12月5日(木)発行予定です。
くとすまい、んにゃ(今年ももう)あとわずか。がんずぅー(元気)でいましょうね。
あつかー、またや〜。