こんにちは〜。
正月気分もそろそろ抜けてきた頃かと思いますが、のーしがうらまずー(いかがお過ごしですかー)?
vol.332 お届けです〜。お楽しみくださいね!
成人祝い
クイチャーマン(下地・与那覇出身)
11日は、ばが あざが んまがぬ 成人やーす゜やたりばゆー。(11日は、私の兄の孫の成人祝いだったよ。)
くぬす゜がた 高校ゆ卒業すたーてぃーどぅ うむいゆーたすぅが、ぴゃーむぬいら。(このあいだ高校を卒業したと思っていたのに、早いものだね。)みどぅむ やらび やりば、んにゃまた ふたきな ゆみんけーめー ぴらでぃ ぱずさーい。(女の子だから、またすぐに嫁にも行くはずさ。)んなまから、うりゅーめーどぅ うむーたー よーかり びきうやー 挨拶すかつな くいば いだし なきゅーたーゆー。(今からそのことも思うのか、父親は挨拶しながら声を出して泣いていたよ。)
みゅーとぅら ぱたらき゜がつなどぅ すぅだてぃたーてぃりば、ないち ゆみぬ みどぅむうやめー(夫婦働きながら育てたそうなので、内地嫁の母親も)「皆様のおかげで今日を迎えることが出来ました。ありがとうございました」てぃー ぱなしゅーたー。(と話していた。)ばんめーみーちゃがま もらいなき゜がまーしーどぅ うーたー。(私も少しもらい泣きをしていた。)
主人公は3月に福岡の短大を卒業するそうだが、就職先も決まっており「働きながらもうしばらく向こうに居て、力を付けてから沖縄に帰りますのでよろしくお願いします」と、似合いの着物姿で立ち上がり笑顔で挨拶した。うぐなーりゅーたー(集まっていた)15人ほどの親戚は激励の拍手を送った。
私が20歳になったのは1968年の10月である。その年に「三大選挙」と呼ばれる一大政治戦があった。11月に琉球政府で初の主席公選と那覇市長の同日選挙、12月に立法院議員選挙が行われ、私は選挙権を得て直後に、3票を投じ、その全てが当選票となる貴重な体験をした。
翌年、琉球大学の体育館で開かれた成人式に出席した時、投票した市長から祝辞をもらい、記念品として憲法手帳を受け取った思い出がある。72年の本土復帰を控えて基地問題など激動の時代、青春の生き方を重ねて考え、行動していた。
当時は故郷を離れて一人暮らしだったため、親戚が集まって祝ってくれる場はなかったが、10歳上の兄に背広を新調してネクタイも揃えてもらったこと、職場の先輩に那覇の国際通り・松尾にあった渚レストランに連れていかれ、Aランチとオリオンビールをおごられ、乾杯したことを懐かしく思い出す。
50年近く経た現在、沖縄の置かれている状況は新たな局面にある。あんしー かんしーてぃーぬ くとぅー ばかむぬぬきゃーとぅ、さきぬんがつな ぱなしみーぶすむぬ。(あれこれのことを 若い人たちと酒を飲みながら語り合ってみたい。)
「成人式前に三つの選挙があって、私は投票できたんだけど、先月の衆議院選挙、どうだった。投票した?」ときいてみた。
「投票できなかった。私は3月生まれなので」
「ん?早生まれか。でも成人式は今日済んだわけよね」
「はい、成人式は中学の同期生同士でやることになっていますから」
「ということは、成人式を終わっても、3月までは酒は飲めないのか」
「はい。残念、ハハハ」
つんだらーさ。あんすぅが、ぴるます ぱなすがみゃー やーどぅっす。(かわいそうに。しかし、不思議な話ではある。)あんしぬばーんな、さきぬんむばー せいじんしきん あーしばどぅ ぞーかー、いらー。(そのような時は、酒を飲むことは成人式に合わした方がいいよ、ねぇ。)
◇あの話をもう一度
ざうかに(平良・宮原出身)
今回は、あさ、んまから聞いた宮古島のことわざを書いてみます。
●みゆうとぅ ぬ ゆうや あまいゆ っふぁ ゆうや なきゆ んまが ぬ ゆうや たらまゆ
(夫婦の、世は、笑い世、子供の世は、泣き世 孫の世は、多良間世)
(解説)
新婚時代は、二人きりで毎日笑いながら暮らせるが、子供ができるとそうはいかない。子供を育てる事は、たいへんな事である。孫は大きくなるにつれて、だんだんと離れて行ってしまう。多良間島は、宮古島から離れている事からたとえて言うのでしょう。
●まつ ぬ ぱーしどう ぴとぅ ぬ くくる ばあ つつん
(松の葉で、人の心は包む)
(解説)
もちろん、松の葉で物が包まれるわけがない。しかし、ごく小さな物なら可能かも知れない。このように、人対する小さな親切、思いやり、心つかいをたとえている。
●きゆうす ぬ すたんな うらいすが すとぅま ぬ すたんな うらいん
(煙の下には、居られるが、姑の下には居られない)
(解説)
煙の下には、なんとかがまんすれば居られるが、姑といっしょには、生活できないという嫁、姑の関係をたとえている。でも、現代は、ひっくりかえっているかも知れない。
●ふあん ふあん ななまかい
(食わぬ、食わぬ、の、七茶碗)
(解説)
食べ物を、すすめられた時、初めは結構ですと遠慮するが、さらにすすめると少しだけ食べる。さらにすすめると、おなかいっぱい食べてしまうという事。
生活の中からにじみ出てくる言葉で表されたことわざ。大人になればなるほど、その意味が ふかーふか(深ーく)分かるようになるねー。んきゃーんぬ ぴとおー まーんてぃ すぐりむぬやー。(昔の人は本当にすごいですね)
冠婚葬祭ノート
松谷初美(下地・高千穂出身)
実家に40年くらい前からの冠婚葬祭ノートがある。んーなしー(全部で)5冊くらいだろうか。葉たばこ組合から配られる細長い手帳を使用し、テレビの すた(下)の棚に置かれ、いつでも手にできるようになっている。
「冠婚葬祭ノート」と実際に名付けられているわけではないが、実家の慶事、法事、中元、歳暮などにもらったお祝い金や香典の額、品などが、日付と名前入りで書かれているものである。
他の家庭でもやっているのか、すっさんすが(知らないが)、実家ではとても大切なもので、例えば、どこかの家でお祝いごとがあると、そのノートを開き、まずうちの祝いに来ているか名前を探し、金額を確認し、失礼のないように包む。という使い方をする。
宮古ではつきあい(親戚、近所、仕事関係など)がとても大切なもので、不義理したら「んにゃ、だいず(もう大変)」なのだ。ゆえ、慶・法事の情報は大事なものとなっている。地元新聞に載る告別式のお知らせは、記事を読む前にチェックするというくらいだ。
昨年暮れから正月にかけて実家に届いた歳暮などを母に代わり記入した。えーっと、年代、日付の順が、バラバラなんだけど・・・。なんともアバウト。ま、空いているところでいいか。
ぱらぱらめくっていると、カナおばあの米寿のお祝いのもあった。20年近く前のことだ。今は亡き、叔父や叔母の名前や松谷の父の名もある。東京から皆でお祝いに来たっけ。
別のノートを見ると、おじいの葬式のがあった。あれから38年も経ったとは。父がバリバリの現役の頃で、書かれているのは相当な人数になっている。懐かしい隣のおじいたちの名前もある。当時高校生の私には、だいず、がばーがば(すごい年寄り)に見えたけど、60代だったんだよね。ノートからはいろいろなものが見え、実家の歴史の一部を物語るかのようだ。そして、ノートには、人の想い、心が表れているのだなーと思う。
宮古でのつきあいが始まったばかりの松谷家。こういう場合はどうするの?金額はいくら?など常に周りに確認。家を建築中は葬式に行ってはいけない。などの風習も初めて知った。まだまだ新米・勉強中である。
編集後記
松谷初美(下地・高千穂出身)
先週、土曜日(10日)から東京に来ています。ぴしーぴし(寒い)だろうとは思っていましたが、こんなになー(こんなにも)寒かったけ!?うばいがうばい。夜は毛布に布団の二枚重ねじゃないと耐えられましぇん。
11日、関東城辺郷友会の総会・新年会が東京九段下のホテルグランドパレスにて行われました。まるで、うつざ(親戚)の集まりのようで、あちこちのテーブルで新年の挨拶が交わされ、久しぶりの再会を喜び、和やかな雰囲気でした。三線に合わせて歌ったり、踊ったり。上等な新年会やたん(でした)。
翌12日は、関東下地郷友会のボウリング大会でした。今回、参加者は少なかったですが、好プレー、珍プレーありで大賑わいでした。二次会はボウリング場内にあるカラオケでみなさん自慢の喉を披露。渡真利会長の方言替え歌で、うぷあまい(大笑い)をしたり、カラオケに入っている宮古民謡(なりやまあやぐや豊年の唄)を合唱したり、最後は輪になって漲水のクイチャーを踊りました。懸案だった次期役員も決まり、喜びいっぱいの会となりました。
さて、今回の くま・かまぁ のーしが やたーがらやー?
沖縄では(宮古でも)成人の日の前に、成人式をする自治体が多いですね。そして、自宅でもお祝い。心温まるお祝いだった事が伝わってきました。クイチャーマンさん自身の成人式も印象深いものだったんですね。当時と地続きの今を実感するお話でもありました。
最近は「ことわざ」が日常会話に出てくるのが いきゃらふ(少なく)なっているように思いますね。子どものころ親から言われたことは、ずっと心に残っていて、年を重ねてそれが味わい深く蘇る。ことわざの良さが伝わるざうかにさんのお話でした。
宮古に帰ってもうすぐ一年。「帰省する」のと「住む」のとでは、やはり違うなーと付き合いを通しても思いますねー。冠婚葬祭のことで、何か工夫している事などありましたら、ぜひ教えてくださいね〜。
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今号も、しまいがみ ゆみふぃーさまい たんでぃがーたんでぃ〜〜。
(最後までお読みくださり、ありがとうございました)
次号は三週間後、2月5日(木)発行予定です。どうぞ、お楽しみに!
感冒しないようにしましょうね〜。あつかー、またや〜。