ぞうかり うらまずなー(お元気ですかー)。
今回もメルマガを開けていただき、たんでぃがーたんでぃ。 しまいぎー ぬかーぬか ゆみふぃーさまちよー(最後まで ゆっくりと読んでくださいね)
「国立劇場おきなわ」の開場によせて
クイチャーマン
那覇空港から国道58号線を20分ほど北上し、浦添市に入ってすぐ左折して、 しばらく行った所、浦添市勢理客(じっちゃく)に、間もなく開場する「国立 劇場おきなわ」がある。
2万4千平方メートル(約7千300坪)の敷地に、鉄筋コンクリート造りの地下 1階地上3階、延べ面積約1万5千平方メートル(約6千700坪)の威容を誇る 劇場だ。内部には大小2つの劇場があり、大劇場は客席数が632、小劇場は255 である。芸能・音楽などの鑑賞に適した舞台の広さと装置、機構などが充実し ているという。
振り返ると、1972年の「祖国復帰」の年に沖縄の伝統芸能「組踊」(くみお どり)が国の重要無形文化財に指定され、25年後の96年12月に、国立組踊劇場 (仮称)の建設が沖縄振興策の一つとして決定された。それを受けて建設場所 の誘致合戦が多くの市町村を巻き込んで繰り広げられ、私の住む浦添市も早く から名乗りを上げて誘致運動を展開し「組踊の創始者 玉城朝薫(たまぐすく ・ちょうくん:1684年〜1734年)の墓も浦添市内にあり、交通の利便のよい場 所に広大な敷地が確保できる」点などをアピールした。私も署名集めなどに奔 走した。1年後、前述の場所に建設することが正式に決まったときは、のーば しーぬ(どれほど)ぷからすむぬやたりゃー(うれしかったことか)。劇場の 正式名称は公募を経て一昨年3月に「国立劇場おきなわ」に決定された。
劇場の管理運営を委託されている「財団法人国立劇場おきなわ運営財団」で は、組踊等、沖縄伝統芸能の公開、伝承者養成、調査研究、資料収集・利用、 伝統文化を通じたアジア・太平洋地域との文化交流など幅広い事業を展開する という。全国で6番目、首都東京以外の地方では初めての「国立劇場おきなわ」 の開場は、沖縄の伝統芸能の発展・飛躍への大きな契機となるに違いない。気 は早いが今年の県内10大ニュース当選確実だ。
今後の予定は、今月の18日に開場記念式典と記念公演(私も招待されてい る)。1月23日から3月21日まで8週間、柿(こけら)落し特別公演とし て、毎週金・土・日に組踊のほか舞踊、民謡、歌劇、民俗芸能、能、狂言、イ ンド・ベトナム・中国の芸能など幅広い演目が組まれている。3月13日(土) 夜の公演「奄美・宮古・八重山の民謡、沖縄の民謡」には國吉源次さんが出演 し「なりやまあやぐ」と「宮古のクイチャー」を歌い、クイチャーは私を含め 数十人で踊ることになっている。あてぃぷからすむぬ(とてもうれしい)。柿 (こけら)落し公演での宮古関係の発表はこの舞台一つである。だから宮古代 表のつもりで、うぷぐいばいだし(大声をだして)ぶどぅらってぃー(踊ろう と)うむいゆう(思っている)。
くま・かま読者の皆さんも、みーがくーよー(見においでね)。
※チケット購入等の問い合わせ先
(予約専用番号)098−871−3350(年末年始のみ休業)
また、インターネットで「国立劇場おきなわ」を検索すると、公演日程、出演者、予定演目などを知ることができる。
みゃーく んなまずぶん(今ごろ)
さどやませいこ
年が明けたというのに、宮古島地方はナツガマよ。毎日20度を超す良いお 天気に恵まれて(?)おります。おかげで、操業を開始した宮古製糖伊良部工 場は「糖度が上がらん」と頭を抱えているとか。ダイズね。冬はもう少ーしピ グルピグル(寒々)がいいようね。私の思い過ごしだろうか、年々寒さが無く なっていくようなそんな不安があります。温暖化の影響かなーとか。だって、 ここ五、六年、いやもっとかも、コタツもストーブも出したことがないのです よ。もちろん、毛糸のセーターなんてタンスの番です。ノーガスウディ。
ところで、今年はサイドイ(申年)。干支は甲申(きのえさる)だそうな。 甲は十干の最初で、昔の通信簿は「甲、乙、丙・・」で付けられたそうだ。戦 時中は「甲種合格」とか、「甲種免除」などのことばがあった。十干と十二支 の組み合わせは60の周期というから、次の甲申の還暦は2064年となる。 それまでみんな生きているかなー。気の遠くなる話はやめようね。
私が子どもの頃(40十年前)は、どの家でも旧正月を祝っていました。と 言ってもご馳走があるわけでもなく、畑から採ってきた麦を粉にした麦天ぷら、 豆腐(もちろん家で作る)、それにミンダルワー(炒めた豚肉に鍋の炭を塗っ た物)があればご馳走だったようです。実は私は記憶になくて母に聞きました。 覚えているのは食べ物より、初めて買って貰った毬で、アンミュー(木綿糸) で編んだネットの中にセロファンで包んだ色鮮やかなゴム毬が今でも時々夢に 出てきます。お年玉もお金ではなく、ノートや鉛筆だったように思います。人 間は余っているより、無い中での記憶の方が鮮やかの様です。今の子供たちは ツンダラッサ(かわいそう)ね。
宮古の今年の大きな課題は、なんといっても合併後の名前をどうするかとい うことでしょう。宮古市とか、宮古島市とか、マティダ市とか、いろいろ出て いますがこれといった決め手になるのがありません。みなさんも是非知恵をか してください。それから、ニュースと言えば、今月24日に天皇陛下と皇后さ まが宮古においでになるんだって。ナニシニカネー(何をしに来るのかねー)。
アツカ、マタヤー(それじゃーまたね)。
ミャークフツ講座 一人称 ばん、ば の使い分け編
ひさぼう
えー、ものごとの始まりは、一からということで、本年最初の講座は「私」 一人称。みゃーくふつだと、「ばん」、「ば」の使い分けから。というのも、 結構みゃーくふつを知っているひとでも、「ばんがっふぁ(わたしの子供)」 「ばんや佐藤です」とか言っている。
そもそも、わ(吾、我)が、宮古では、どうして「ば」になるかについて は、くまかまvol.42 を参考にして下さい。
1.私の〜
私の子供 → ば が っふぁ
私の番 → ば が ばん
2.私は〜
私は下地です → ばー やー 下地
私はサラリーマン→ ばー やー サラリーマン
3.私に〜
私にちょうだい → ば ぬんかい ふぃいる
私に教えて → ば ぬんかい ならあし
4.私を〜
私を連れいって → ば ぬう さありいき
私を笑って → ば ぬう あまいる
5.私が〜
私がやります → ば が すうでい
私が親です → ば が どぅ うや
6.私と〜
私といっしょに → ばん とぅ まーつき
私とあなたは → ばん とぅ うう”ぁとお
7.私から〜
私からやる → ばん から すうでい
私からあなたへ → ばん から うう”ぁんかい
8.私も〜
私も行く → ばん まい いかでい
私も食べる → ばん まい ふぁあでい
9.私より〜
私よりあなた → ばん ゆうさ うう”ぁ
私よりきれい → ばん ゆうさ ぞおぎ
また くでぃ いら(また来るからね)
菜の花
病院は ういぴとぅ(年寄り)にとって、集会所のようなもの?待合室には 約束したように居合わせるおじい、おばあもだう(多い)。ゆみ(嫁)の悪口、 びきやらび(息子)の自慢、みどぅんやらび(娘)への愚痴、担当医の ぱな す(話)になるとまるで宝くじに当たったか外れたかのような勢いだ。しまい には、病院の職員は んーな(みんな)知り合いか、親戚のように話は盛り上 がっていく。夏は すでゃーすてぃ(涼しく)、冬は ぬふーてぃぬ(暖かい) 病院のロビーは老人のいこいのデイサービス施設化しているかも知れない。
実は入院してくる老人にも病院を別荘のように思っている人もいるくらいな のだ。入院すると活き活きするらしい。むぬまい(食事も)んまーんまてぃ( おいしく摂れ)、実に快眠、快調、絶好調などと言ってくれるのは良いが、退 院のぱなす(話)が出たとたん具合が悪くなる。んなみたーきゃ(今まで)の ーまいあらったんすぅが(何ともなかったのに)、突然熱が出たり下痢したり するのだ。それで、退院が延びると又元気になる。病院の七不思議または怪奇 現象でもある。
退院に向けて具体的な生活の話をすると、「帰りたくないんだよ。ここに置 いてくれよ。帰っても一人なんだよ。」と真剣にてぃ(手)を合わせて頼む姿 には、私達の方がめまいを起こしそうになる。たうきー(一人)暮らしで不自 由なので、ふるまい(風呂も)、むぬまい(食事も)、看護婦も揃っている病 院に住みたいとまで言い出す始末。それでも治ったことを話し退院の日取りが 決まる頃には、看護婦の疲労感はピークに達するのだ。は〜、だいずぶがりむ ぬ。(大変疲れるよ)
退院の日、笑顔で「お大事に」と見送るのだが、おじいは「またすぐ具合悪 くなって来るからなー。待っててくれよ。」と、満面の笑みで手を振ってエレ ベーターに入っていく。看護婦はしばらくエレベーターの前からたるまい(誰 も)むゆかいだ(動けず)、無言で立っていた。嘘のようなほんとの話。老人 大国日本の病院のマジメなマジメなお話です。
一人暮らしでも安心して過ごせる生活は、今の日本では約束されていないっ てことだよね・・・。
編集後記
松谷初美
七草粥も、鏡開きも 終わって、んにゃ そうがつっつぁ しまい(もう正 月は終わりだねー)。今は宮古でも内地でいうところの「七草」がスーパーで 売られている時代だそうで、んきゃーんしー(昔みたいに)「じゅーしゃ(雑 炊)」あるいは「みすじゅーしゃ(混ぜご飯)」を作る家は少なくなっている とか。(その具は家の近くに生えている トゥナラ(ノゲシ)やヤツウサ(よ もぎ)、ニラといった葉ものから人参、豚肉、昆布、かまぼこなど、なんでも ありの七種類)。せっかく宮古らしい上等な食べ方があるのにわざわざ内地の 真似をしなくてもいいのにと思うさー。そう思うのは、内地に住んでいるから かねー。
市町村合併は本当にやるんだねー。まだなんかピンとこないけどさ、名前の ことになったら、身近な問題に感じるさ。「宮古市」にすると岩手県の宮古市 と ゆぬぐー(同じ)になるし、「宮古島市」とすると、伊良部島や池間島は 違うのかとなってしまうみたいだから、ひらがなで「みゃーく市」というのは どうかね? みなさんは、のうしぬ なーぬが ぞうかー?(どういう名前が いいですか?)
くぅとぅす(今年)から沖縄本島在住のクイチャーマンさんが加わり、早速 本島のぱなす(話)どー。「沖縄の中の宮古」も見えてくるように思います。 今後もご期待くださいねー。記念公演、ばんまい いき゜ぶすむぬ(私も行っ てみたいねー)。
それから、図書支援の窓口になっていた宮古教育事務所の本村幸雄所長さん より「くまから・かまから有志一同様」宛て、年賀状をいただきましたので参 加した皆さんにご報告いたします。子ども達が本を持ってうれしそうピースサ インをしている写真つきです。「心より感謝しています。ありがとうございま した」(抜粋)ということでした。
さて、vol.68ゃー のーしがやたーがら(いかがでしたかー?)。ご意見、 ご感想、じゃっじゃってぃ(サクサクっと)送ってくださいねー。投稿まい、 まちうんどー(待っていますよー)。こんな かさましい(嫌な)ことがあっ たよーとか、うちの近所にはこんな うむっし(面白い)おじさんがいるよー など、のうまい じょうぶんどー(何でも結構です)。あて先やー くま。
次号は、2月5日(木)発行予定です。お楽しみに〜。