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宮古島方言マガジン「くまから・かまから」
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くまから・かまから Vol.22

2021 4/22
メールマガジン
2002年2月21日2021年4月22日

皆さん、こんにちは。東京は、スギ花粉が飛び始め、マスクをした人をヤマカサ(たくさん)見かけます。スギのない宮古を思いうかべながら、くまから・かまからvol.22をお送りします。

目次

『ジュウロクニツ(16日)』

Hatsumi.M

今月27日は、ジュウロクニツ(16日)だ。ジュウロクニツとは、あの世のお正月のこと。旧暦の1月16日に行われる。16日に行われるから「ジュウロクニツ」と言うのもすごく単純明快でいいね。宮古、八重山、沖縄本島の一部の地域で行われているようだ。

私が中学生の頃まで我が家は、墓がなかったので、おじいのヤームトゥ(家元、実家)の墓に行っていた。墓は、里から離れたヤマノミー(山の中)にあって木をかき分け、草を刈りながら行かなくてはならない。子どもには、そこはウカース ウトゥルス(すごく怖い)場所であった。墓の前で皆でごちそうを広げ食べるのだが、私は早く帰りたくてしょうがなかった。

高校生の時、おじいがあの世に行った。墓ができた我が家は、うちの墓でジュウロクニツをやるようになった。うちの墓は、家からツカフ(近く)にあるが、それでも辺りには木が生い茂っている。ウトゥザ(親戚)が集まり、また墓の前をきれいにして、ごちそうを広げる。でも今度はぜんぜんウトゥルスと感じない。それはきっと、ずーっと一緒に住んでいた私のおじいの墓だからだ。

おばあは、墓の前で何かおじいにムヌユン(話)をしている。心の中でしゃべるのではなく、本当に口に出してしゃべるのだ。墓の前でタチビズー(立ち座り)をしているおばあの背中には、ヌフーヌ(暖かな)春の陽射しがあたっていた。

私は墓が怖くなくなった。あの世もきっと楽しいに違いないとさえ思う。お金に困らないように、ジンカヒ゜(お金に見たてた紙)を焼いてくれるし正月、ジュウロクニツ、お盆、ミーニツ(命日)と皆が供養してくれる。

おじい、ジュウロクニツ マイ ンナピーッチャガマ。(もうすぐだ)マチウリヨー(待っててよ)

『宮古のことわざ』

〔 老人ぁ 家ぬ 宝 〕

ウイピィトァ
ヤァヌタカラ

人生経験の豊富なお年よりは、思慮分別をわきまえており、家の宝として大事にしなくてはならない。

『んきゃーんじゅく』 佐渡山政子/編 より

『学校がない 宮島分校編』(前号の続き)

神童

ヒコ坊は、ざらめではないのに、ざらめ黒糖トラックに積まれたまま、遠く下地の沖縄製糖へと運ばれて行くのであった。

あせったヒコ坊は、ダンプの荷台でウプグイシー(大声で)おじさんに降ろしてくれるように頼んだらしいのだが、車は止まってくれなかったそうである。トラックは最早、集落のはずれまで進行している。♪おうちがだんだん 遠くなる♪アーグ(歌)を歌っている場合ではない!

集落のはずれにさしかかると、ヒコ坊のカナマズ(頭)に浮かんだものがある。そう、飛び降りることである。走行中のダンプトラックの荷台から飛び降りた。しかしヒコ坊は、頭部に軽い裂傷をおっただけで全くの無事であった。その傷は、右側頭部から右後頭部の耳の上あたりにかけてである。まるで日本列島の形のように傷が残ってしまい、ついたあだ名が「日本地図」であった。

しかしヒコ坊は、中学卒業まで背が低かったが、高校で身長が伸び、又空手を習い始め、有段者となった。那覇で、他の同級生がヒコ坊とチンピラ4?5名にからまれ、ヒコ坊がチンピラをすべて倒したということである。間違っても今は日本地図とは呼べない!

『ミャークフツ講座 小さい生き物編』

アモイ

  • ガザン =?蚊
  • ミーミズ = ミミズ
  • パス° =?蝿
  • ンーナ = カタツムリ
  • ヤーンブ =?蛍
  • カーフナタ = ミヤコヒキガエル
  • ヤウサーラ = 小金虫
  • マナタ = ヌマガエル
  • ツヌシャ = コオーロギ
  • バカギス°ァ = トカゲ
  • ガース = 蝉
  • ユムル = 鼠
  • カタ = バッタ
  • パウ = 蛇
  • トーバツ = スズメ蜂
  • ズゥーミガ = オタマジャクシ
  • パドゥス° = 雀
  • バイキンイス°ゥ = メダカ
  • アカース° = 蟻
  • ミズイス°ゥ = 鮒
  • ヤーズミ =?ヤモリ
  • カン = 蟹
  • クームヤ = ゴキブリ
  • ウナギス° = 鰻

『お便りコーナー』

さくさんより

小・中・高校生時代、毎年この時期になると、よく近所や親戚のキビ刈りのアルバイトしていたな?。当時(今から10数年前)のバイト料は、5千円が相場だった。朝の8時から夕方6時まで10時間の労働。今から思えば大変な作業で割に合わないバイトをしていたもんだな?と思う。

キビ刈り畑でのゆくい中(休憩中)の話。10時ゆくいには、缶ジュースとパンやパンビン(てんぷら)が。お昼ゆくいには、缶ジュース、お菓子そして金ちゃんヌードルが定番でした。宮古のおじー、おばーは、とにかく我々若者には、なんでも食べ物を勧めるので、断りたくても断りきれなかった。何故って、食べなきゃ怒られるし・・。(よく、おばーは、金ちゃんヌードルに勝手にお湯入れて作っていたよ)もう?、それはそれは仕事終わって家路につく頃には、おなかいっぱいでした。

今では5千円じゃ畑仕事手を伝ってくれる人もいないようで、日当は、1万円から1万2千円が相場になっているようです。

※さくさん、お便りたんでぃがーたんでぃ。キビ刈りには、やっぱり金ちゃんヌードルだよねー。おじいやおあばは、ファイー、ファイ(食べて食べて!)とよく言うよね。

『編集後記』

Hatsumi.M

春がツカフ(近く)なり、宮古ではズゥーミガ(おたまじゃくし)も見られるようになったかねー。ンキャーンナ(昔は)カーズク(沼)がたくさんあってズゥーミガから蛙になる様子もよく見かけたけどね。果たして今、宮古にカーズクはあるのかなー。

次号は、3月7日(木)の予定です。

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