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宮古島方言マガジン「くまから・かまから」
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くまから・かまから Vol.23

2021 4/22
メールマガジン
2002年3月7日2021年4月22日

啓蟄も終わり、本格的に春?じゃなくて、宮古では夏到来かー!?さぁ、今回も熱いぱなす(話)いきますよー。

目次

『映画館物語(アリ・マッグローVSオトー)』

naichar-shima

国映館が閉館になってしまった。“国映館”その響きだけであの当時にタイムスリップしてしまう、なんというノスタルジック。(今、宮古に住んでる人はそんな事ないよねー。)その当時(1970年代)宮古には確か4軒の映画館があって、オイラが憶えているのは、国映館、琉映館、第二琉映、そしてまいなみ劇場だな。

確か国映館は洋画系だった・・・。オイラはどっちかというと、洋画よりもまいなみ劇場で、あの梅宮辰夫とか川谷拓三が出てた「不良番長」シリーズとか、菅原文太のヤクザ映画。後は、琉映館でたまにチケットもぎりのオジーの目を盗んでムフフ・・な映画を見てたな(何しろ高校生だったもんで・・・)オイラの先輩の某”宮国○夫”はオジーがいなくなる夜9時頃を見計らって入っておったそうだ(セコイ・・)あ・・オイラも人の事いえないなー

オイラは映画といえば2本立て、3本立てが当たり前だと思っているから、東京来てビックリしましたですよー。ロードショー?何かそれは?ストリップショーの一種?(ドキドキ)という感じでしかも1本立て、あげく
のはてに1200円?!!それでもしょうがなく見るんだけど、それで映画がつまらなかった日にゃーここぞとばかりに罵詈雑言の嵐ね。

“のーしぬ、あんちー、たかだいじんぬ とぅいってぃうむっしふぁにゃ?ん えいごーみしりゃー。あんってぃ、ぴてぃーつがまっつぁー、みゃーこー1200円あーっかー、さんぼんだてぃぬえいごーみーってぃ、すぅぼーまい ばたんちきゃふぁーいでぃすどーや、うとぅるすとぅかまさいがとうきょうや”

(高い金取ってつまんない映画をみせやがってよ?しかも1本だけ??宮古じゃー1200円ありゃー映画を3本見れて、ソバも腹いっぱい食えるよ?恐ろしいなー東京って所は・・・)

話は戻って、オイラが国映館で見た映画の中で印象深かったのは、「ある愛の詩」だな。泣いたねーオイラは。すごく感動したよ。その余韻に浸りながら(気分はもうアリ・マッグローの恋人さ)家に帰るんだけど、オトー(父)の一言で現実に戻される訳さ。

「カツ坊、ふそーかりくー!!」(草、刈って来い!!)

トホホホ・・・

『宮古のことわざ』

〔 東南風んな 一人っ子まい 旅んかい立だしぃ 〕

アガイスパイカジンナ
タウキャーフファマイ
タビンカイイダシィ

東南風の海は穏(おだ)やかで航海安全、たとえ一人っ子でも旅立たせよ。

『んきゃーんじゅく』 佐渡山政子/編 より

『宮古を出るということ』 個人的な感想

宮国優子

物心つきはじめて「どうも宮古島よりダイバン(でかい)ところがあるらしい」と気づいた。たぶん6才くらいだったと思う。それから干支を一回りしてめでたく宮古を出発したのだが、それから先は旅行ではなく未知の生活だと思うと異常に興奮していた。

宮古島は偉大だった。それは私が東京に住み始めて、また干支が一回りしそうになってやっと実感したというのが本音である。非常に時間がかかりました。精神的カルシウム不足だった数年を経て、今はグルクンの頭を丸かじりする勢いです。

話は戻すと、なんとも宮古は偉大だったのである。「何が」と聞かれると、私は答えに困る。それははっきりとしないからではなく、私にとって宮古島の偉大さはダイズダウ(無尽蔵)にあるからだ。

人には「人から言われてすんなり理解出来るタイプ」と「熱いものを触って火傷してやっと危険を悟るタイプ」の2種類あるとしたら、私は常に後者だと思う。

ビジネスの場において宮古島出身というのは話のネタにはなるが、実際悪目立ちすることも多かった私。これは宮古の人がビジネスを知らないと言うのではなく、私が単に不勉強&妙なアメリカナイズドされた(遊学のせい。留学なんて口が裂けても言えない)人だったからです。数年後、年を重ね、宮古島を意識的に隠すことで、なんとなくダルクゲッタ(ふぬけ)になってしまた。おまけに大病を患った。そりゃーもー聞いたこともない病名で、宝くじに当たる確率を遙かに上回っていた。ばたふさり!(むかつく)だった。

おかげで一時ゆっくり宮古に帰ることになった。「あーもー何もかもがンバ(嫌)だー!」と実家でふて寝していた私の顔を風が撫でた。連想ゲームのように突如思い出した。風の肌触り、海の香り、葉の調べ、光の乱射、雨の温度、闇の神秘さ。干渉と感じていたものは愛情で、粗野と感じていたものはおおらかさなんだなーと。宮古の良いところを分かっていたつもりだけど、実は何も分かっていなかったのだ。あまりのアホさに泣けました。

支離滅裂になってしまったが「宮古を出ること」は宮古に生まれ育った人にとってはかなり大きなシフトチェンジだと思う。自然に出来る人もたくさんいるかもしれないが、一部の人はコンプレックスとプライドが混在する数年を過ごすと思う。

こう書いていると、故郷万歳節に聞こえるかもしれないが、私にとってはヘコむ気分にさせられるのも宮古である。故郷ながら、故郷だからこそむかつくこともある。でも誰かに宮古のことを批判されると、まるで自分が仲の悪い兄弟の悪口を言っていたら他の人に同意されて心中憤慨しているのに近い。今日のまとめの言葉「宮古を出ること」は宮古の実質的な良さをわからんヤツのためのお灸である」。なんちゅードウカッティ(自分勝手)な結論….。それもそれで宮古チック?

『ミャークフツ講座 これは方言か編』

  • 不行状(ふしだらなこと、身持ちの悪いこと が本来の意味)
    宮古では、単に行儀の悪いことを言ったりする。子どもが食事時ふざけていたりすると、不行状だねーと言う。
  • 飯台(食卓、ちゃぶ台)
    飯台というと、小さいイメージだが、宮古では客間にある大きめのものも飯台という。
  • 経済
    本来の意味にも金銭のやりくりや節約という意味があるが、標準語ではあまり使われないと思う。宮古では、もっぱら節約というの意味に使う。「けいざいがまーしぃ(節約して)暮らしていた」
  • ちゅうず
    日本語の手水(ちょうず)がなまったものと思われる。手や顔を洗う事。子供の頃「ちゅうずっしっくー(手を洗っておいで)」とよく言われた。
  • あんたなんか、私なんか
    これは、「あんたなんか大嫌い」とか「私なんかどうでもいいのね」という類の「なんか」ではない。「達」という意味。「あなた達」「私達」の意味。
  • なおす
    物を片付けたり、しまったりすること。関西や九州全般で使われているようだが、東京あたりでは、通じない。

『編集後記』

Hatsumi.M

国映館閉館のニュースには、まーんてぃどぅ(本当に)驚きました。郷愁や、寂しさ、といった、くぅとぅば(言葉)だけでは、言い表せない気持にどぅしーまい(自分でも)びっくりしています。そこに当然あるものだと無意識のうちに思っていたものは、それを支えている人たちがいるからなのに、ばっしーうーやー(忘れていますね)関係者の皆さん、長い間、たんでぃたーたんでぃ。

高校の卒業式も終わり、宮古を出る若者が空港にたくさん集まる時期ですね。宮古を、ぷか(外)から見るというのもいいものですよ。ワイドー。

次号は、3月21日(木)の予定です。

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