こんにちは〜。ゴールデンウィーク中ですが、がんずー、がんずーうらまずなー(お元気ですかー)?
んなま(今)の宮古の様子からお届けですよ〜。
今回も読みきりサイズ。どうぞ、お楽しみください〜。
んなま(今)の宮古 うりずぬ ぬ みゃーく・・・ばかなつ ぬ みゃーく
カニ(平良・西里出身)
はい カニどーやー
んーな のうゆが しーうりゃー (皆さん 何をしているかな)
あすぴまわりうずぬが (遊びほうけているかな)
にう”ぃちゃ-んどぅ うずぬが (寝てばかりいるのかな)
みどうむぬ ちびるんうど とみまーりうずがら まんてぃ っさいん
(女の尻を追いかけてばかりはいませんか?笑)
あがい いなまぬみゃーくぁ きーや おーおーし
(そうなんだよ 今時分の宮古島はね 木々は緑で一杯)
とずっざ あがたぬぱいぬしまからどぅ ばたりきしうずどー
(鳥は 遠く南の島から 渡ってきていますよ)
さんこうちょうまい なきうず
(サンコウチョウの鳴き声も聞こえますよ)
あかしょうびんまいどぅ なきうずどー
(アカショービンの鳴き声も聞こえますよ)
あってぃ うすきなーぬ あまさぎまい みゃーくずまん んみゃーいうずどー(それからね 沢山のアサマギもね 宮古島にいらしていますよ)
まんてぃ ぷからすむぬ(本当に嬉しいものだ)
ぶーぎ ぬ ぱーんな いみがーすまいどぅ なきうずっじゅ
(キビの葉っぱには 小さなクサゼミが鳴いていますよ)
ぱりぬ あっつぁんな うぎゃすぎーぬ ぱなまい さきうずっじゅ
(畑の端には モクタチバナの花も咲いていますよ)
かーんつぬ いむぬ ぱなむつんな しましらきぬぱなまい さきうずどー(川満の海岸線には シマシラキの花も咲いていますよ)
ういがど ばかなつさい
(それがね 若夏だよ)
ういがど うりずむさい
(それが うりずんなんだよ)
あすがどぅ きゅうからどぅ つゆん ぱいじうずっつぁ
(しかしながら 今日からね 梅雨なんだって)
みゃーくぬ かっじっぁー ぱいかじさい
(宮古島は南風が吹いているんだよ)
(2011年4月30日)
受験生の親の気持ち
ワタリマリ(上野・宮国出身)
息子に十五の春がやってきた。
緊張の春・・・そうでもなさそうだ。焦るのは親ばかりか・・・。
うっちかー のーゆがすう(落ちたらどうしよう)と ぷとぅぷとぅばかりになってきたのは母だけか?
三年生7月。受験生だよ自覚を持とうね?母はため息交じりに息子に話す。この成績では希望校に入れないかもしれないと最初の三者面談で先生から叱咤された。希望校と言ってもごく公立のふつうの高校なんだけど?そこもやばいとは?
いやまだ7月だ。まだ頑張れば間に合う。
真剣に取り組もうな、息子よ。母の言葉は右から左なのか。息子はうんうんと頷きながらテレビのお笑い番組に夢中だ。ほっといたら今日もテレビの前でぐうぐうだろう。母は少し腹が立ってきた。
はい!!受験生? ありー なーばしの のんきぼうずかす゜(まったく、のんきな子だねぇ!)
母の声のトーンにしぶしぶ立ち上がり、分かった!勉強するよ。でも、その前に夜食作って!腹が減っては戦はできぬと自室に入るが、30分後そーっと部屋をのぞくと、はい!今日のところはこれでおやすみねぇーとベッドで ぱなーふかふか(いびきぐうぐう)。あがい〜のうゆが すう(あれま〜どうしましょう)。腹いっぱいでも戦いには勝てぬぞ息子よ。
ため息は一つ深まる。
夏休みには宮古へ帰るのを返上して勉強するしね。と息子。おっ?ちょっとやる気が出てきたな。その割には相変わらずお笑いなんだけど?ふぅまったく・・・ぶつぶつ小言を言いながら本人は頑張ったであろう夏が過ぎ前期の成績を下に進路相談。
うーん、このままじゃ心配ですねえ。担任は脅かすばかり。その時、自分の時とダブった。
あの時、母ちゃんは「合格ちゃーん すっかー んざーんやらばん じょうぶん(合格さえしてくれたらどこの高校だっていいさー)」と。ただひたすら確実に合格することだけを願って進路を決定した。
はっとした。本人に決めさせよう。
だが年が明け、母の気持ちはぐらつく。公立だけを目指していたが不安だ。滑り止めを受けさせたほうがいいでしょうとの先生の言葉も不安を助長する。
母の不安をよそに受験生は余裕しゃくしゃくだ。模試で半分以下の点数でも大丈夫だと自信満々にはあきれかえってしまう。んざから さーりきすたーがら(どこから連れてきたんだ)、うばいがうばいの自信。母の気持ちも合格さえすればいいに変わりつつある。
父親も表には出さないが、母以上に不安なようだ。受験一ヶ月前にはカレンダーでカウントし始めた。お前なあ・・・、と話始めるのを分かっているよお!と少しいらつく息子。(なぜか怒るときには宮古イントネーションになる)
さすがにやばいと焦ってきた証拠だ。自室にこもる時間も少し長くなる。親戚中からも勉強しているかあー?と激励続き。今やっと息子は受験生になった。
試験当日には合格弁当をこしらえお母さんも弁当を持っていくからねぇという母に、何を考えているか、宮古じゃないんだけど?内地の受験は、本人だけの頑張りが勝負?
その日、雪がちらつく朝。
滑るなよ。物を落とすなよとこまごまと注意をし、おとうが私の時にしてくれたように、茄子(成す)のヘタ(花として)をポケットに入れて送りだした。
後は、吉報を待つのみ。息子を信じよう。
そして、受験がやっと終った。試験を終えてホッとするかと思ったが、いやいやそこからが眠れないのだ。合格発表までの長いことったら・・・。
かくして奇跡的に合格。時は過ぎ、何事もなく当たり前のように高校に通っている。おれ、ちっとも心配してなかったよ。だって。まあんちべい(あらほんとかしら)
のりぼーが ぱなす(話)
松谷初美(下地・高千穂出身)
くま・かまライターの のりぼーが亡くなってこの5月で9年になる。
連休に横浜にあるお墓に手を合わせてきた。最初は迷いながら行っていたお寺もこのところは、なじみの風景となり、心が落ち着く。花とビールを備えてお墓に水をかけていたら、んきゃーん(昔)のことがぱーっと蘇ってきた。
のりぼーとは高校2年の時に初めてクラスが一緒になり、知った。一見、おとなしそうだが、話すと うむっしで(面白くて)すぐ仲良くなった。
そのクラス2年8組は、まとまりが早く、5月には来間に遠足を企画し一気に盛り上がった。クラスのノートも作られ(これを作ったのは、のりぼーであった)みんなが想い想いのことを綴った。今思い出すと、ぱずかすむぬやすが(恥ずかしいが)、まっすぐだったんだなーと思う。
秋の文化祭には、のりぼーが脚本を書き、竹取物語のパロディをやった。その頃、大ヒットしていたピンクレディの「UFO」も取り入れ、大胆な衣装を身に着けた女子二人の踊りは、大いにウケた。
当時(1977年〜78年)、宮古高校の野球部は県でもトップクラスで、わが2年8組にも選手が数名いた。九州大会まで進み、甲子園までんなぴっちゃ(もう少し)というところで涙をのんだが、この時のクラスの盛り上がりようもすごかった。当時活躍をしていた一人が、今年巨人に入団した宮國椋丞君の父となる人である。
クラスには成績優秀者も やまかさ(いっぱい)いて、担任によると学年での成績はダントツだったらしい。(エヘンといばりたいところだが、私は入っていない。シュン)
中身の濃い1年を過ごした2年8組は私にとって特別なクラスとなった。のりぼーとは高校を卒業してもずーっと連絡をしあっていて、バカな話もまじめな話も、恋愛のこともなんでも話した。
高校時代からカメラが好きだった彼はカメラマンとして仕事をするようになり、結婚をし、二人の男の子の父親になった。
40歳になった年、久しぶりに電話がかかってきた。今病院にいるという。なに、怪我かなんかしたの?いや・・・白血病だって。死んでから連絡がいったら驚くだろうと思ってさ。と半分冗談めかして言う。はぁ?なに言っているか?人一倍頑丈そうで、殺されても死なないような人がなんで??
信じられない思いで病院に行くと、思ったより元気そうで安心した。でもそれから大変な戦いとなっていく。
入院中の彼に、宮古から毎日届けられるものがあった。のりぼーの悪友神童からのハガキだ。ハガキ一面に幼少のころのK少年(神童のこと)のことが微にいり細にいり書かれている。(のちに、くま・かまで掲載される「学校がない」である)余りの可笑しさに大笑いし、神童の想いの深さに目頭が熱くなった。一日1枚届くハガキに彼はどんなに励まされたことだろう。神童と私を結びつけたくれたのものりぼーであった。
のりぼーは一度元気になり退院したものの、再発。2002年5月20日帰らぬ人となった。41歳。若すぎる死だった。これからも同じように年を重ね、同時代を生きていくと思っていた。お通夜に行くとき、電車の中にいる人たちが何事もないように過ごしていることが不思議だった。
それからしばらくは日にちの感覚も曜日の感覚もなかったが、仕事に行くうち日常の感覚が戻ってきた。気がつけばしっかりごはんを食べ、テレビを見て笑っている自分がいた。あとに残った者は、こうやって生きていくのかと思った。
あれから9年。長いんだか、短いんだか。お墓に水をかけながら、いろいろな話をした。線香に火をつける。煙がゆらゆらと立ち上がる。ぬかーぬか てぃをかみた(ゆっくりと手を合わせた)
のりぼーは、いまも向こうから、くま・かまのことを応援していると思っている。いず(元気)をいっぱいもらってお墓を後にした。
んぬつの あーぐ(命の歌)アンパンマンのマーチ
あば本舗(下地・上地出身)
3月11日、東日本を凄まじい巨大地震・津波、追い討ちをかけるように原発事故が襲った。
メディアで見る破壊されつくした東北の町や村の姿に、ただただ言葉を失うばかり。
建物の上に乗り上げたままの漁船。潰れた家々や車が瓦礫の山に埋もれ、海へ向かって延々と続く怖ろしい光景。住む家を失い家族を亡くした方がたは、あの日から一日一日をどうやって乗り越えているのだろうか。
この状況に、静かに耐えている東北の人びと。その我慢強さや忍耐強さに目を見張りつつ、マスコミのインタビューに気丈に答える素朴な東北弁を聴くと、のーていにやーん なだの だだだだてい いでいき゜す(何故かしら涙がポロポロでちゃうのだ)
そんな3月も半ばを過ぎたある日。出かけようとして車のエンジンをかけた。するとカーラジオからアナウンサーのこんな声が聴こえてきた。
「次は東京FMから系列のラジオ局を通じて、被災地で毎日流されている曲をご紹介しましょう。子供から大人たちまで元気づけ勇気づけているこの歌です。」そういって流れてきたのは、なんとアンパンマンのマーチだった。
「アンパンマンのマーチ」 作詞:やなせたかし 作曲:三木たかし 編曲:大谷和夫 そうだ うれしいんだ 生きる よろこび たとえ 胸の傷がいたんでも なんのために 生まれて なにをして生きるのか こたえられないなんて そんなのは いやだ! 今を生きることで 熱い こころ 燃える だから 君は いくんだ ほほえんで なにが君の しあわせ なにをして よろこぶ わからないまま おわる そんなのは いやだ! 忘れないで 夢を こぼさないで 涙 だから 君は とぶんだ どこまでも そうだ おそれないで みんなのために 愛と 勇気だけが ともだちさ ああ アンパンマン やさしい君は いけ! みんなの夢 まもるため
聴いているうちにアンパンマンの歌ってこういう歌詞だったのか・・・と驚いた。いみ やらびがまたー(小さな子供たち)が、幼稚園や保育園で無邪気に歌う内容だとはとても思えない。
メロディに聞き覚えはあったが、初めて知る歌詞の意味深さにしばし感動。気がつくと一人きりの車の中で、やらびがまんしー うぷぐいやしー まーつき あーぐう あっし゜うたー(子供のように大きな声で、一緒に歌っていた)ばが き゜むんかいまい(私の心にも)歌の言霊は真っ直ぐに飛び込んできたような気がする。
きっと今度の大災害が起きる以前から、人知れず多くの人が勇気づけられ励まされて続けてきたに違いないと実感した。
千年に一度とも言われる大災害から、命からがら逃げ延びギリギリまで追い詰められた人びとの生きようとする力を、んぬつのあーぐ(命の歌)は支えているのかもしれない。
被災地の方がたの一日も早い復興を共に祈っています。
編集後記
松谷初美(下地・高千穂出身)
くま・かまでは、4月16日に続き、30日も東日本復興支援チャリティライブを「とぅばらま家」でやりました〜。参加してくださった皆さん、たんでぃがーたんでぃでした!おかげさまでみんなの心が一つになった上等ライブとなりました。
今回もマツカニ(棚原芳和)さん、娘さんの吉田里香さん、菜の花(高橋尚子)が出演。被災地へ想いを込めた歌がたくさん歌われました。
またこの日は、「とぅばらま家」の常連のご夫妻も琉球古典音楽を披露し、花を添えてくださいました。ありがとうございました!
ライブ代以外にも、アモイさんやマツカニさんのCDやTシャツの売り上げ、その他、たくさん寄付も寄せられました。ご協力ありがとうございました。全て義援金として日本赤十字社を通して被災地へお届けします。
2回とも、場所を提供してくださった「とぅばらま家」のTさん、たんでぃがーたんでぃでした。感謝申し上げます。
今後もいろいろ企画していきたいと思っていますので、またその際は、みなさん、ご協力をお願しますね。
さて、今回の くまかまあ のーしが やたーがらやー?
カニさんの宮古便り、草花の かざ(香り)や鳥の鳴き声まで聞えそうな感じでしたね〜。先日(30日)に掲示板に書き込まれたものをメルマガでも紹介しました〜。掲示板には、写真も載っています。また新たな書き込みもありますので、掲示板もぜひご覧くださいね。
ワタリマリの息子さんの話、よく分かりますねー。きょうは子どもの日ですが、親になって、自分が子どものころ、親もこんな気持ちだったのかと今さらながら思うことがいっぱいあります。茄子のヘタをポケットに入れる親心。染みまする〜。
この時季になると、のりぼーのことを思い出す。高校生のころ、こんな将来が待っているとは思ってもみなかった。今年の墓参りでは、のーてぃがら(なぜだか)鮮やかにいろいろなものが蘇った。2年8組のみんな、元気にしてる?
あば本舗さんの「アンパンマンのマーチ」の話は、息子が子どもの頃、よく見ていたアニメでしたが、こんなに深い歌だったとは、すさったん!(知らなかった)歌の持つ力はホントにすごいですね。きょうもきっと、多くの人を勇気づけていることでしょうね。
あなたの感想もぜひお聞かせくださいね〜。まちうんどー。
次回は5月19日(木)発行予定です。どうぞお楽しみに!
きゅうまい(きょうも)笑顔の多い一日でありますように〜。
あつかー、またいら!