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宮古島方言マガジン「くまから・かまから」
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くまから・かまから Vol.26

2021 4/22
メールマガジン
2002年4月18日2021年4月22日

皆さん、こんにちは。めっきり日が伸びて、夏が近いことを感じる頃となりました。沖縄は「若夏」と呼ばれる季節になっていきますね。

さて今回は、上野ふつ(方言)の二人が登場です。お楽しみください。

目次

『最近の子供たちを考える?食生活編??』

なー坊

おとーたがやらびばたや ハンバーガーまい ケーキまい にゃーったー。こーすっさ かんにごー ぬ あとぅしか ふぁーいったー。
(お父さん達の子どもの頃は、ハンバーガーもケーキもなかったんだよ。お菓子といったら、神願いの後にしか食べられなかったんだから)

ういまい かざらいぬ ビガーとぅ タンナフクル。かーちゃんがうらんきゃー ぬすみふぁいばどぅ かーちゃんが「あば、こーすぬどぅ ぬすまいゆー」あがい しまい「ばやーあらん」てぃーあいずぃばどぅ うぬビーガーや、ぱーん たばりーうたいば すさいすさい「うわがどぅふぁーたーだらー」
(それも 供えてあるビガーとタンナフクル<小麦粉と黒砂糖で作ってあるお菓子>だけさ。母ちゃんのいない間に食べていたら、母ちゃんが「あれ、お菓子が盗まれている」あっ、しまった「僕じゃないよ」と言ってもビガーが歯にくっついていたからバレバレ「あんたが食べたんでしょ」)

学校からやーんかい きす゜かー ふぉーむぬぬ のーまい にゃーんにば「かーちゃん、やーすぬ」てぃ あずっかー「とーうわんどぅ“んーぬす゜”ぬあいば うりゅーふぁい」ばそーぎしーつつまいぬ んーぬす゜ふぁいなー ばたごーごーなり うすぬ ふさかす゜が いきなーうーたー。
(学校から家に帰ると食べるものが何にもないから「母ちゃんお腹すいたよ」と言うと「台所に“んーぬす゜”<芋で作ったお菓子>があるからそれを食べなさい」と言うからバナナの葉っぱで包まれた“んーぬす゜”を食べて、お腹いっぱいにして、牛にやる草を刈りにでかけたものだよ)

のーまいにゃーんときゃんな ぴす゜ちきなかみから とぅりなーふぉーたー。あすがどぅ ふさーふさなー うたー。
(何もない時は、にんにくを漬けた瓶(かめ)から にんにくを取って食べていたさー。だけど、強烈な匂いがしていたよ)

また、「すとぅがつ」とぅ「じょーろくにつ」ぬこーすゃ みどりーぬふさ ふさーしぬ なかん あんぬぱいす゜ーぬ こーすぬどぅ んまむぬやーたー。うりゃーまた たーまい にらいなーうーたいばどぅ さーてぃふぁーだかーたーがらーん とぅらいなぁー にゃーったん。
(又、お盆と十六日のお菓子は、緑のふさふさとした中に餡の入った和菓子がおいしかったさー。誰も彼もそれをねらっていたから 急いで食べないと誰かに取られてしまってすぐなくなったさー)

うぬこーすぅ かながい ばがやらびんかい ふぃーるばどぃ 「おいしくない」てぃー あば ふぁーん。
(そのお菓子を、このまえ 私の子供に あげたんだけど、「おいしくない」と食べないんだよ)

ぷり やらびぬきゃー。
(この子供たちよー)

『宮古のことわざ』

〔潮ぬ干ぃ ういすきゃあどぅ 潮干狩ぅばぁ行い〕

スゥヌピシィ
ウイスキャアドゥ
アサイスゥバァシイ

潮が引いている間に潮干狩りはするものだ。何ごとにも潮どきというものがある。チャンスを逃してはいけない。

『んきゃーんじゅく』 佐渡山政子/編 より

『ミャークフツ 一行詩(うた)』

松谷初美

☆ばんたがおばぁや93 またんまが むりぃ まーんてぃ がんずーむぬ
(私達のおばぁは93 ひ孫の子守りをして 本当に元気)

☆同窓会 とぅすまい ばっし フォークダンス
(同窓会 年も忘れて フォークダンス)

☆くまーんざぬ んつ 生まり 育つたーみやーくぬ んつん どうまぅうぃ
(ここは、どこの道 生まれ育った宮古で 道に迷い)

ミャークフツで、短い詩を作ってみたらどんなものだろうと考えてみました。俳句調、短歌調、どんな形式でもかまいません。皆さんからの投稿もお待ちしています。

『祝い事』

ワタリ マリ

4月8日、息子の晴れの入学式。京都は初夏の陽気となり、宮古の暑さを思わせる程の日でした。

小学校ンカイ 入学スー時ヌ プカラッサヤ ンキャーンマイ ンナママイ 宮古ヌ人マイ、内地ヌ 人マイ カーランムヌ 会場ンカイ パシ゜ィキ゜ィ ドゥガ フッファユ見ツキッチィ ンザーヌ親マイ ミーヤ スゥブミューサ
(小学校に入学する時の嬉しさは、昔も今も、宮古の人だろうが、内地の人だろうが変わりありません。会場に入ってくるわが子を見つけて、どこの親も目を細めています)

ところで、宮古で生まれ育った私も、入学、卒業、合格祝いと節目、節目を祝ってもらったのですが、その賑やかだったこと。

ンザーヌヤーマイ ヨーイ゜チィ アッカァ ウプヨーイ゜ユ シュイ フッファヌキャーユ プカラッサァ スミィタームヌ ドウガ為ン ウツゥザ ンーナ 揃イ ヨーイ゜ ユ シシィヌ事ヤ アチド プカラスカータァ
(どこの家でも祝いとなると、大きなお祝いをして、子供達を喜ばせたものです。自分の為に親、親戚が皆揃って祝ってくれる事は、この上ない喜びでした)

ジンガマウ ムライ カステラ トゥ 折りガマ ツトゥ シシィ ユナイ ニーカガミ 人ヌ パイッチャア ピィピィ シシイ ヤラビグクルンマイ 母チャン ナ 大変サァ ティ ウムウタァサァ
(祝い金を(お客さんから)もらい、カステラと折りのお返しをして、夜遅くまで人が入ったり、出たりして幼心にも母は、大変だなぁと思ったものでした)

ハイ ンニャ イッザッイチィ 勉強ユ シシィ ウプゥプ ナイ゜ッカァ イライ ピトゥンカイ ナリィ
(「さぁ、これからだ。一生懸命勉強して 大きくなったら偉大な人になりなさい」ひとりひとりからこんな素晴らしい祝辞をいただいたものでした。)

それに比べると、

クマヌ ヨーイ゜ヤ アチド サビィーサビィ。トゥナイ゜ヌ 人ヌキャーマイ アンチナーヤ スサンピトゥ チャーン 又 ウツゥザヌキャア ヤ カマーン ウリィチィ ウツゥザガラノーガラスサン
(ここ(内地)の祝いはとてもあっさりです。隣近所の人達もあまり親しくしないし、また親戚は遠くに住んでいるので、果たして親戚がどうかも分からないのです。)

宮古を離れてみて改めて、ミャークヌ ウトゥザ(宮古の親戚)パワーはすごい!と思ったのでした。

というわけで、我が家の入学祝いは核家族のこじんまりとしたものでした。もちろん、ウプヨーイ゜(大きい祝い)だろうがイミヨーイ゜(小さい祝い)だろうが、心から祝ってあげる。その事が子供にとって、大きいと思います。

『お便りコーナー』

那覇在住 砂川宜久さんより

「下地勇特集」読ませていただきました。幼い頃の風景が良く表現されていて、懐かしく感じました。お年寄りたちの休みながらの会話等、当時の様子が目に浮かぶようです。ぜひ、曲が聞きたい。?CD発売を楽しみにしています。日常で使うのが少なくなった方言が随所に織り込まれていて、素晴らしい歌詞です。

※CD発売間近には、くま・かまでもお知らせいたしますので、お楽しみに!

『編集後記』

松谷初美

今年は、年寄りの多い私の実家の地域でも新一年生がいるということで、母ちゃんは、祝い(よーず)を持っていかんとーとうれしそうに話していました。その後は、やはり親戚回りだったそうです。ひとりひとりの子供が皆にタカサ(大事に)されるっていいですね。

さて最近、宮古の若者が元気だぞー。ということで、おしらせです。

“おしらせ”

くま・かまのライターでもある、宮国優子さんが酋長として率いる「さいが族」編著の『読めば、宮古!』という本が全国に先駆け、本日、宮古島先行発売となります。濃い宮古がぎっしり詰まっているコラムブックです。ブックボックス、麻古山書房、空港売店にて買うことができます。全国発売は、今月26日となっています。お近くの書店で注文することができますので、ぜひ、お手にしてみてくださいね。

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