こんにちは〜!
三週間ぶりのくま・かまです。がんずぅかりうらまずたーなー(お元気でしたかー)?
vol.269ぬかーぬか(ゆっくり)お楽しみくださいね〜。
父と母へ
R(平良・西里出身)
沖縄は梅雨入りが早く、ゴールデンウィークは、あみ(雨)ばかりが続くのかと ぴっちゃ(少し)がっかりな気分でした。前半はやはり雨の天気でしたが、後半は曇りで始まり、最終日は快晴と行楽日和となり、それぞれの家庭で思い出作りができたのではないでしょうか。
子どもの日、私も家族でのちょっと遠出のホテルでのランチバイキングを計画していたので、その前に車を かぎっちゃ(綺麗)にしようと日焼けを気にしながら洗車していました。
車に水をかけ始めるとどこからともなく「ちょうちょ」が一羽、ひらひらと私の前で舞っています。
「あ、かあちゃん!」
8年前に亡くなっている母が様子を見にやって来たんだな、と思った私です。
母は、「子どもの日」をとても大切にしていて、その日は必ず孫たちに小遣いを用意してくれたり、電話をよこしてくれたりしていました。「子どもの日、おめでとう。健やかに成長してください。」と電報を送って来てくれたこともありました。
本当に子ども好きな人でした。私はそんな母が大好きでした。
「赤ちゃんは神さまだよ。だから可愛いんだよ。」
「子どもは3人は作りなさい。人には二つの手があるさーね。その手で守れない3人目がいると知恵が養えるんだよ。」
母の教えは、今でも私の中で光輝いています。
「愛してくれてありがとう。」とちょうちょに向かって声に出さずに伝えました。
6月は父の日がありますね。父もちょうちょになって現れてくれるでしょうか。
生前、叱る時しか言葉を発しないというイメージの父を好きにはなれませんでした。そんな父は、びゅーいたら(酔っ払ったら)、「とうがにあやぐ」を歌い出すのが常でした。しかし、びゅーいて(酔っ払って)いるので、最後まで歌わないうちに「ぽっぽっぽ、鳩ぽっぽっぽ」と変えてしまうので私は「とうがにあやぐ」の歌詞を知らないままでいました。
父亡き後知った周りの人々への思いやりあふれる父の行動の数々。
「とうがにあやぐ」の歌詞の意味を知りたいと思い調べてみました。
大世(うぷゆ)照(てぃ)らしゅうず 真太陽(まてぃだ)だき 国(くに)ぬ 国々(くにぐに) 島(すま)ぬ島々(すまずま) 照(てぃ)り上あがり覆(うす)いよ 我(ば)が やぐみ御主(うしゅ)が 世(ゆ)や 根岩(にびし)どぅだらよ (意味) この世を照らしている太陽のように 国の国々 島の島々を くまなく照らしている 私の偉大なる御主の世は 根を張る岩のようです
国歌・君が代に通じる歌だと率直に思いました。
父は、子どもたちも成長し健康で平和に暮らせていることに対し、感謝の心を表現していたんでしょうね。
本当に宮古島を愛し、人を愛していた人でした。今では父の生き方は私の目標になっています。この思いを是非伝えたいと思っています。
沖縄県では6月を平和月間としています。やーでぃ(家族)仲良く暮らせていることに感謝し、また世界中の人々も平和に暮らせるように祈ります。
うむくとむぬ(知恵者)さいが!宮古の子どもたち パート1
宮国優子(平良・下里出身)
前回に引き続き、春休みの みゃーく親子旅の模様をお伝えしたいと思います。天気はずっとイマイチだったけど、海開きにも行けたので楽しかったです。何をおいてもうちの娘たちの満面の笑みが四六時中だったことは、だいずうれしかった!でも、その娘たちも一度だけ当惑した顔を見せた場面がありました。
娘たちはある公園を毎回我が物顔で闊歩しています。馴染みの友達もいて、男女問わず遊んでいます。今回も類にもれなくパニパニでした。(と、言っても、うちの娘たちだけが大騒ぎですが・・・宮古の子どもたちは日常の延長線上なのでそんなに暴れていません、だいず どぅぐり)。私も娘たちが違う地域の子供たちとふれあえる千載一遇のチャンスと思い、連れてくるお友達と会話なんぞを楽しんでおりました。
小学4年の長女が突如こんなことを言い出しました。「うちってさ〜、家に帰ってきたら靴下を手洗いするんだよ。周りのお友達は誰もやっていないのにさ〜、ひどいでしょ?」。聞いていた子どもたちは「???」という顔で、ただニコニコ。私は、自立を促すためにまずは靴下洗いからと考えていたのに、娘たちは嫌々なのね、と若干凹みました。
子どもたちの反応がないことをいいことに長女はたたみかけます。「それにさぁ。うちのお母さんさぁ、家のこともやらせるんだよね。いつも手伝いしてるんだよ、私」。小二の次女も隣でひどいでしょと言わんばかりの顔で頷いている。聞いている子どもたちは相変わらず「???」ニコニコするばかり。まったく話が続かん。。。
どーれ、親が助け船を出してあげるか、と「○○ちゃんは、靴下は洗うの?」と聞いてみた。
○○ちゃん「ううん。やらないよ」
長女は「そうだよねぇ」ほれみたことかという顔で私を見つめた。
私「じゃあさー、ここに来る前は何しているの?」
○○ちゃん「えっとね、朝起きて、妹の洋服を着替えさせて、ご飯の準備をするよ」(○○ちゃんはこの日も四歳くらいの妹を連れてきていた)
私「へぇ、朝ご飯の支度を自分でするの?」
○○ちゃん「うん、そう。お母さんは最近赤ちゃんが生まれたから、自分でやるよー(ニコッ)」
私「あ、そっかぁ、えらいねぇ。で、公園に遊びに来るの?」
○○ちゃん「うーんとね、その前にお昼のお米を洗ってセットして、洗濯物をたたんでくるよ(さらにニコッ)」
私「ふ〜〜〜〜〜〜〜ん、すごいねぇ(横目でちらりと娘を見る。娘、顔が曇る)」
○○ちゃん「お母さんもお父さんも忙しいからさぁ、やってあげたら喜ぶのになぁ」
笑顔も可愛いけど、この子本当に いんがなすきーなのだ(かわいすぎるのだ)その○○ちゃんはうちの長女より一歳年下にかかわらず、家族の一員として立派に役立っているのでした。うちの娘たちは完全に撃沈しておりました。この出来事以降、娘たちが家の手伝いはデフォルトになりました。ありがとう、○○ちゃん!
実は、○○ちゃんは、いつも約束を破ると娘たちは怒っていました。公園の待ち合わせの時間にいない、と憤慨していたのです。よくよく聞いてみると、娘たちが一方的に朝の早い時間に指定していたらしいのです。○○ちゃんは続けます。「だからさぁ、公園に時間通りこれなくてごめんね」というような内容のことをポツリポツリと話した。娘たちは「いいよ〜、気にしないで」と言うしかなくなりました。だいずすごいゆ、ソーシャルスキル完璧さいが!
私はこれが「懐かしの宮古の約束の破り方」だなと思いました。一方的なやつは、いつの世もいて、こちらの都合には合わせません。「絶対、何時だからね!」と吐き捨てるように遠ざかっていく友達の背中を思い出しました。残された私たちは「いや、そんなこと言ってもさ〜」と、その約束の時間に遅れていくのです。
その友人は怒りまくりですが「して、あんたが勝手に決めるからさぁ」と言い返していました。一方的に言われれば言われるほど遅れます。その了見の狭い友人も段々と落としどころを知るのです。その寛容になっていくんだか、だらしない友達に引っ張られるんだか判断は微妙ですが、確実に「許す」とか「一方的に言わない」ってことはおぼえていくもんです。
島ではいちいち怒って縁を切っていったら友達はいなくなります。娘たちにとっては、「許すことの大事さ」と「約束の曖昧さ」の両方が学べた良い機会でした。今の娘たちの普段の生活では絶対に学べない。視野を広げて、落としどころを学ぶんだ、娘よ。
ちなみに子どもたちは毎日うちで騒いでいるので、試しにドリルを配ってみました。うちの娘たちはブーたれてましたが、宮古の子どもたちは喜んでくれました。それにもだいず感激した私。そしてスラスラ〜と解いてくれるのです。基礎的能力の高さを感じました。お手伝いするうえに頭が良い!って最高さいが。普段から親の家事の様子を見て、自分でも試行錯誤するから うむくと(知恵)があるんだね。だいずすごいゆ。
まだまだ書きたいことはありますが、また次の機会に!子どもたちに多様性を学ばせるなら、海外旅行より宮古旅行だな、と再認識した旅でした。
宮古に行ったら、宮古の子どもと遊ばせんともったいないさー。親が教えられんことを宮古の子どもたちはさらっと優しく教えてくれたのでした。たんでぃがーたんでぃ、ばんたが みゃーく(我らの宮古)!
兄を想って書いた兄の詩(18)
ワタリマリ(上野・宮国出身)
この詩は、脳性マヒの あざ(兄)を想って書いたものです。
妹の ずぅふっふゃ ボクの妹は ボクの世話をしなければならない母ちゃんに かまってほしくてその後ばかりついてうろうろする いわゆる ずぅふっふゃ(後追い)する子とわれている どこにでもどこまでも いつでもどんなときでも 母の背中の後ろには妹がいる 母ちゃんは夜の むやい(摸合:頼母子講)があるので こっそり家をでる時がある むやいは母ちゃんにとって子供・家事から解放されて おもいっきり羽根をのばせる貴重なじかん だから妹についてこられるとせっかくの集まりが うむしっふぁ にゃあん(おもしろくない)になるのだ こっそり 妹に見つからないように 祈るように そーっと戸をあけて母ちゃんは やれやれ模合へ アバ!?母ちゃんがどぅ うらーん (あれ?かあちゃんがいないよお) あがい〜(シマッタ)妹が気づいたようだ・・・ さあ!妹が母ちゃんがいない事に気がつくと・・・ 最初はいつもの声で 「かあちゃ〜ん かあちゃ〜ん」 そこら辺りにいるだろうと余裕の呼び方で台所や庭を探す ところが何度呼んでも返事がない!それからが大変だ んぎゃますなくらいに(うるさいくらいに) うぷぐい いだしい(大声をだして) やーや んーにゃ とぅみ まありい(家じゅう探し回り) やーんにゃ うらん(家にはいない) んざからーんかいどぅ ぴりゃあ ち うむうっか (どこかに行ったんだと思ったら) はだしん なりい もんぬ いじぴりい (裸足になって門を出ていき) かあちゃーんと泣き叫ぶ 夜の闇に叫ぶ妹をボクはなかば呆れてみている だいじょうぶだって 何をそんなに不安がるのだ母ちゃんは直もどるって 幼い妹には母ちゃんの存在がだれよりもどこよりも 狭くて広い安全地帯なのだから仕方のないことだが その姿はボクや姉妹をうんざりさせるのだった 泣いている妹を僕たちはののしり ますます泣かせては みんなで子守をおしつけあった くぬ ずうふっふゃ やらびぬ (この後追いばっかりの子ったら) まーんちがみゃあ(まったくもう!)と 帰ってきた母ちゃんはため息をつき ひっくひっく泣いている妹を寝かしつける いつまで続くのかこの ずうふっふゃは だが嬉しいことに ずうふっふゃだった妹はすっかり大きくなると ボクの世話を手伝うようになった 母ちゃんがボクを世話するのを 母ちゃんの後ろで見てきたのだ 母ちゃんほど優しくはないが 世話の仕方も ずうふっふゃのたまものだろう 母ちゃんは言う ういが ぷうぷ なずたーばどぅ (この子が大きくなったらから) ぴっちゃがま 楽ん なりゅう (少しだけ 楽になった) ボクはふと考えた 大きくなるには大切な ずうふっふゃもある うんざりもした妹の ずうふっふぁに 母ちゃんは今感謝している 妹の ずうふっふゃはすっかりなくなったが ボクの場合はいつまでたっても 家の中だけの ずうふっふゃだ 母ちゃんをいつも探している 留守だとわかっていても恋しくて呼んでしまう んま・んまー(かあちゃん・かあちゃーん) そしてまたこんどは いとこのねえねえがわが子の事を嘆いている あがいー くりゃあ ずうふっふゃ がまゆう んざーんかいまい ちびゅう ちゃーん ういいぬ やらびさあ (んもう!この子は後追いばっかりで どこへ行くのにもついてくるの) とうまい やらびゃあ あんちどぅ うぷうぷなず (どこの子もみんなそうやって大きくなるのだ) 母ちゃんはにこやかに答えている
編集後記
松谷初美(下地・高千穂出身)
台風3号は、大きな被害をもたらすことなく去っていきましたね。昨年は台風2号による葉タバコの被害が大きかっただけに、うむやすむぬどー。もうすぐ収穫も終わるようなので、このまま何事もないことを祈っています。
関東では、5月20日(日)に、横浜で関東伊良部郷友会の運動会が行われ、初めて行ってきました。(私は下地郷友会ですが、各郷友会は交流があり、招待があります)各地域に分かれてテントが張られ、老若男女がやまかさ(たくさん)うがなーり(集まり)パン食い競争(なんと伊良部から直送のうずまきパン!)や、リレーなどで大盛り上がり。伊良部の方たちの縦、横のつながりはほんとにすごいなーと思いました。リトル宮古でしたよ。
それから、5月27日(日)は、関東南秀同窓会(宮高女、宮中、宮古高校の同窓会)が九段下のホテルグランドパレスで開かれ、50名くらい集まりました。宮古高校の校長先生もお越しでした。そして宮高卒の現役の東大と慶応の学生二人も!(宮高のレベルは年々すごいらしいです)多良間三線友の会のメンバーによる民謡やジャンケン大会などで盛り上がりました。菜の花と私は「一粒の種」の話や「新里教室」のことなど話してきましたよ〜。今度の教室は参加者が増えるはず〜。
今年度の関東の郷友会関係の活動もスタートです。今度の土曜日(9日)には、上野郷友会と下地郷友会合同の総会・懇親会もあります。関心のある方は、松谷 kumakama@mbp.nifty.com まで!
さて、今回の くまかまぁ のーしが やたーがらやー?
偶然にもお三方、家族の話でしたが、それぞれに味わい深い話でしたね。
5月には母の日、今月は父の日がありますが、Rさんがご両親の軌跡を今丁寧にたどっているのが伝わってきました。一番身近な人のことを知ることの大切さ、豊かさ。若いころは気づかなかった事が今しみじみ実感として分かるということありますよね。今月は慰霊の日もありますね。私も平和を祈りたいと思います。
優子さんのお子さんたちの交流の様子、上等ですね〜。子どもでもちゃんと家族としての役割があるということ。そして、「許すことの大事さ」と「約束の曖昧さ」。確かにこれぞ宮古ですね!うむくと(知恵)があるということはほんとに大切なことだと思います。お子さんたちにとっても○○ちゃんたちにとっても、忘れがたい春休みになったことでしょうね。パート2もどうぞお楽しみに〜。
それぞれが役割のあるかけがえのない存在として描かれているワタリマリの人気シリーズ「兄を想って書いた兄の詩」。お兄さんの視点で書かれた今回もその想いが だいず伝わってきました。お母さんの ずぅ(後)を追いかけていたからこそのお兄さんの詩なのかもしれませんね。
貴方の感想もぜひお聞かせくださいね。
くま・かま掲示板もいろいろな話題で、だいずなにぎわいです。まーんてぃ うむっしどーや(面白いですよ)ぜひ遊びにきてくださいね。
今回まい しまいがみ ゆみふぃーさまい すでぃがふー!
(今回も 最後まで お読みくださり ありがとうございました!)
次号は6月21日(木)発行予定です。
きゅうまい(きょうも)かぎぴかず(良き日)でありますように!あつかー、またや〜。