くまから・かまから vol. 278

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 こんにちは〜。
  あの暑かった夏もなりを潜め、秋が深まってきた東京です。そちらは、のーしーがらやー(いかがですかー)?
 今回もいろいろな話題がやまかさ(たくさん)のくま・かまです。お楽しみください〜。

やらびぬ(子どもの)おやつ

山雀タヌキ(下地・上地出身)

 9月25日の毎日新聞の「くらしナビ・食べるFood & Dining」との特集に「もう一度食べたい“マキの実”」との投稿が載っていた。たしかその前は「桑の実」が掲載されていた。
 
 マキの実は宮古では、「きゃーぎ」、桑の実は「ばんき」と呼ばれており、やらびぱだ(子どもの頃)よく食べたことを懐かしく想いだしながら、内地でも同じ年代の田舎育ちの方々は、やっぱり同じ境遇であったかと思いました。
 
 東京では今頃が「きゃーぎ」の時期にあたり、先日も近所の垣根から5〜6個ほど黒むらさきに完熟した「きゃーぎ」を食べたが、あまり甘くなかった。残念。
 
 やらびぱだには本当に食べるものが無かった。やらびがま(子供たち)は姉・兄・従兄・近所の仲間に教わりながらありとあらゆる野生の木の実を食べたものだ。
 
 想いだすままに、「ぽー」(クロイゲ:海岸などの岩に自生するつる状の黒っぽい実)、「ぬとび」(野イチゴ)、「ふっきた」(琉球コクタンの実)、「ばんちら」(グワバ、バンジロウ)、「ざんかにゅ」(グミ)、「とっすぴゃ」(シマヤマヒハツ)、「つかき」(しゃりんばい)、野生のミニトマト、もっとあったと思うが今では想いだせない木の実も多い。野ブドウの“つる”はよく見かけたが、ブドウの実を見かけた記憶がありません。
 
 「まんじゅう」(パパイヤ)は今でこそ果物扱いだが、昔は、夏の間の貴重な野菜であって、果物として食べた記憶はない。
 
 今でも帰省の時、木の実を見つけるよく採って食べています。懐かしい味がして結構美味しいと思います。趣味の登山の時もいろいろな野生の木の実を食べて、登山仲間から雑食の○○さんと呼ばれています。
 
 一番美味しかったのは、「ばんちら」だ。台風の通過後、2〜3日たつと急速に熟するため、ハチに刺されながら雑草の中に分け入り、自分だけの秘密の木から収穫したことが懐かしい。(果物は、木が何らかの損傷を受けると、子孫を残すために急速に果実が熟すると言われている)。現在は島外種の「ばんちら」との受粉で昔みたいな、香りが高く甘〜い、宮古固有の「ばんちら」を食べることができなくて残念です。
 
 次に甘かったのは。「ばんき」、桑の木に登って唇が どべ色(濃紫色)に染まるまで食べた。今でも初夏になると東京の公園などで「ばんき」探して食べています。
 
 横浜の桜木町駅から“みなとみらい地区”にある会社への通勤路にも豊かな実をつける「ばんき」があり、毎年楽しみにしています。千葉に住んでいる姪っ子が小さいころ「ばんき」を一緒によく採って食べていましたが、この子は小学校への通学路で「ばんき」を採ることに夢中になり学校に遅刻したとか?
 
 「ぬとび」も甘くて美味しかった。梅雨の明けたころ、完熟した紫色の実をこぼさないように、上手に摘み採って食べるとものすごく甘かった。その甘さは現在市販されているいちごより甘かった。やらびぱだの想い出が強すぎて、今でも市販のイチゴは好きになれません。
 
 「ざんかにゅ」には、ものすごく甘いものと、酸っぱいものがあり、見た目では判断がつかず、酸っぱいものに当たると、口の中がいがらっぽかった。この木の下には大きな蛇がトグロを巻いていて怖かったことを想いだします。
 
 「きゃーぎ」や「ふっきた」は、屋敷の中に植えられており、忍び込んでよく怒られたものです。「きゃーぎ」のぬめっとした食感、少しいがらっぽい「ふっきた」の食感は やらびぱだの忘れられない貴重な想い出です。
 
 これからも、東京の公園(新宿御苑など)などで、自生の木の実を探して楽しみたいと思っています。

なりたいワー (投稿)

あぐ(伊良部・佐和田出身)

 その昔、便槽の中で豚を飼っている時代があった。所謂、豚便所である。
 
 便槽の上にまたがって用を足すと、下から見上げていた豚が待っていましたとばかりにご馳走にありつく仕組みである。そのため、ウンチを好んで食する豚は高値で取り引きされ、豚の売買の際には必ずと言っていい程、「この豚はウンチを食べることは出来ますか?」と聞かれたものである。
 
 さてウンチを好んで食する豚は便槽で美味しいご馳走が落ちてくるのを今か今かと下から見上げて待ちかねていると、老若男女を問わず、うら若き乙女までも豚が見上げるその上で用を足したものである。
 
 腹を下した時など、バリバリと言う音と共にその様はまさしく機関銃のごとくその勢いは凄いものがあった。
 
 昔の殿方は皆一様に思ったそうな。私も豚になりたい・・・と言ったとか、言わなかったとか。
 
 豚便所は「ワーフール」と言って今では唯一JAおきなわ小禄支店隣の公園に文化財として保存されている。 

中国から渡来したもの

アモイ(平良・宮原出身)

 尖閣諸島の領土問題で日中関係がこじれておりますが、中国との関係は文化的にも強い結びつきがあり、これからも大事だと思いますので、早く良くなって欲しいという願いを込めて書きます。
 
 ミャークフツ(宮古方言)に関してその由来等を知らなかった頃は、沖縄は中国に近いので、ウチナーグチ(沖縄方言)やミャークフツは中国語の影響を受けている事が多いだろうと思い込んでいました。
 
 でも中国語を覚えようと勉強をし始めて、解かった事は、中国語の影響を受けているのは、日本語だという事でした。何しろ発音は別として、漢字で書く日本語と中国語の大半は意味が同じで、私が初めて中国に赴任した時、ほとんど中国語が話せなくても少々の事は筆談で意味を理解し合う事ができたものです。
 
 ミャークフツの語源は日本語の古語だという事は、関東地区在住の、くま・かまの皆さんが、新里博先生の講座を受けて掲示板でも時々発信しています。私も過去に3回ほど受講させて頂きました。語源については納得です。しかし、その奥深い内容を理解するには大変だと思いました。新里教室受講の皆様と、新里博先生に、心より敬意を表します。
 
 さて、そこで私が少々不可思議に思う事ですが、沖縄文化が中国の影響を直接・間接的に受けているのに対し、言葉があまり影響を受けていないのは何故なのか?中国へ赴任して中国で生活をする間は、心の片隅に、何かつながりが無いか、つながりが有ったらいいのにな、という気持ちを持ちながら中国生活を送っていました。
 
 そして、無理に結びつけた言葉は、中国語の「走」(ゾウ)がミャークフツの「ズゥ」(行こう)と似ている事や、中国語の「去」(チゥ)とミャークフツの「チィ」(行こう)が似ている事、それから中国語の「過来」(ゴウライ)が「クーラ!」(こっちに来て)と似ているという事位でした。
 
 それから、日本語にはもちろんですが、中国語(北京語)にも感嘆詞などは別として「ン」から始まる言葉は無いようですが、「上海語」や私が居た江蘇省常熟市の方言には「ン」から始まる言葉が有り、これはミャークフツに似てるんじゃないかと感じたりしたものです。例えば、中国語の「没有」(メイヨウ、意味:ありません)が上海語では「ンマッ」常熟方言では「ンメゼァー」とか言います。ただ、意味的な共通点は見つけ出せませんでした。
 
 しかし、ある時、工場で設備の移動をしている時、みんなで力を合わせた掛け声の中に、あれ!と思う事がありました。いつも耳にしている掛け声ですが、今までは何も感じませんでした。でもその日は、「エッ!」と耳を疑い、途中から耳をそばだてて聞き入りました。開始直後の一回目はゆっくりと「イー、アー、サン」の掛け声で続けざまに二度目三度目になると、だんだんと短くなって、「イ、ア、サン」となり、聞いているうちに「イ、ヤーサッ」と聞こえてくるのです。日本語では、「イチ、ニー、サン」の事です。日本語では、「セーノ、ヨイショ」とか言う掛け声ですが、中国ではみんなで力を合わせる時の掛け声として良く耳にします。
 
 そして想像をふくらませてしまいました。沖縄民謡や宮古民謡のハヤシで「カリユシャホイ」や「ウーヤーケーンナーウーレー」や「イラユマーン」「チ ヤンカイ ヤンカイ」等のハヤシは沖縄、宮古の言葉などから引用されていると感じるのですが、しかし、私にとって意味不明ながらもハヤシの中の王様とも思える「ヒーヤサー」とか「ヒーヤサッサ」「ヒーヤサッサ ハイ ハイ」「ヒーヤルーガヒー」等は少ししか知らないウチナーグチとだいたいは知ってるつもりのミャークフツですが、引用されたという言葉が思い浮かばないのです。最近、若者たちが、「ヒヤサとやればいいさー」などと使っているのを時々耳にしますが、これは民謡から引用されていて、元々言葉としては無いのではないかと思います。
 
 私としてはこれは中国の「イーアーサン」から取り入れたものでは無いかと思えてなりません。いや絶対そうで有って欲しい、と思うようになりました。沖縄民謡の「唐船ドーイ」は沖縄に来た中国の船を歓迎している様子を歌っている唄であり、良く知られています。
 
 サンシンは1390年に中国、明の時代に沖縄に渡来したそうです。それに付随して「イーアーサン節」とか言う歌でもできていれば、私の思う由来説も少し真実味がありましょう・・・。ここまで書いて思うのですが、希望的推論を書いてしまいました。
 
 もしかして、このハヤシの事は、既に明白な事なのでしょうか?だとしたら、すみません、どなたか教えて下さい。

女性と子どものための絵本文庫『ありんこ文庫』プレオープンと絵本スポンサー募集のお知らせ

池城かおり(平良・下里出身)

 たびたび、登場しております池城です。いつもいつも図書館好きの話題ばかりなのですが、今回もおゆるしください。
 
 今度は、文庫(私設図書室)を作ることにしました。名前は「ありんこ文庫」とつけました。
 
 所蔵するのは、主に絵本です。0歳〜10歳前後くらいの年齢を対象に作られた作品を置きます。また、女性も気軽に立ち寄り、絵本を楽しめる場所にしたいと思っています。
 
 宮古島にはあまり例をみないので、「個人で図書室を作るってどういうこと?」と思う方が多いかもしれません。でも沖縄本島、県外では以前からたくさんあります。自宅を開放したり、地域で本を持ち寄ったり、よくある活動のようです。
 
 ご存知の方も多いと思いますが、宮古島市では新図書館計画が延期されました。とても残念で寂しく思っていましたが、「そんなに好きなら、自分で作ってみよう」と発想を変えました。
 
 だれのために?
 もちろん、宮古島に生まれ育つ、今を生きる子供たちのためです。
 
 何億円もお金はもっていませんが、いみっちゃの(小さな)お部屋なら、私にも用意できました。そのような場所を宮古島のあちこちに増やしていきたいです。
 
 はじめの1室目は久松に準備中です。10月21日から来年の3月まで、日曜日のみのプレオープンをします。地域のみなさんのご要望をお伺いしながら、2013年4月の正式オープンを目指します。

<プレオープン初日>

日 時2012年10月21日(日) 10:00〜17:00
以降、毎週日曜日
場 所ありんこ文庫 久松室
入室・閲覧無料/貸出はありません(検討中)
ただいま用意しているのは0〜1歳向け絵本です。

 くまかまの読者のみなさんの中で、宮古島在住(特に久松地区)で0〜1歳のお子さんがいらっしゃる方は下記アドレスにメールをください。場所や駐車場についてご案内します。また、ご親戚・ご友人にいらっしゃる方は、このお知らせを転送いただけますと助かります。

<絵本スポンサーを募集しています>
 ありんこ文庫では目標1000冊の所蔵を目指しています。ロングセラーを中心とする人気作品を、すべて新規購入します。その購入資金の一部を、クラウドファンディングを通じて全国から募っています。

 現在、私の友人・恩人のみなさまが主なスポンサーですが、初めてお名前を拝見する方からもご支援をいただいており、感謝に堪えません。
 
 このシステムは期日までに目標に達していないと決済がおりない、という厳しいルールがあります。もう一息のところまできました。最後のもう一押しのお力添えをいただけますでしょうか。絵本1冊分から参加できます。ご検討のほどお願い申し上げます。
 
※上記の内容についてのご質問等はこちらのアドレスにお寄せください。
 よろしくおねがいします。
 
 ありんこ文庫 池城かおり
 arinco_bunko★aol.jp (★を@に変えてください)

編集後記

松谷初美(下地・高千穂出身)

 宮古では10月8日に城辺のイムギャーで今年で7回目となる「なりやまあやぐ大会」、10月9日、10日には、島尻の祭祀パーントがあったようですね。それぞれが島外でも関心が高い行事ですよね。関心が高いと言えば、来る10月20日には、下地勇さんの10周年記念コンサートが久松であるさいがね〜。内地からもたくさんのファンが行くようです。私も行きぶすむぬやすが(行きたいのですが)21日に新里教室があるので、残念ながら断念。行かれる方は、ぜひコンサートの様子をおしえてくださいね〜。
 
 NHKの朝ドラ「純と愛」が始まって早3週間。会う人、会う人、「見てる?」や「見てるよー」と言われます。ふふふ。今宮古はあまり出ていませんが、母校宮古高校の制服が出るだけでもテンションがあがっております。しかし私たちの頃は、ネクタイはあんなに短くなかったなー。制服はスカートの丈だけでなく、タイにも時代が表れるものなのねん。宮古では、出演者のみなさんによるトークショーも開かれたとか。また宮古でのロケもあるということで、楽しみです。
 
 さて、今回のくま・かまぁ のーしが やたーがらやー?
 
 山雀タヌキさんの「やらびのおやつ」は、私の頃もまったく ゆぬぐー(同じ)でした。「ふっきた」や「つかき」懐かしい〜。内地でも食べられていたんですね。木の実となると習性でじーっと見てしまうので、今この時季は、つい余所の家の色づいた柿を見てしまいます。
 
 あぐさんの「ワーフール」も懐かしく思い出された方も多いかもしれませんね。私は経験したことはありませんが、親がその話をよくしていました。あぐさん、投稿をありがとうございました。保存されているという「ワーフール」機会があったら見にいってみたいワ〜。
 
 アモイさんのお話は「早く良くなって欲しいという願いを込めて書きます。」の言葉に想いが伝わってきました。中国に長いこと住み、関わりを持ってきたアモイさんの言葉には重みがありますね。「イーアーサン」と「ヒーヤーサー」確かに んーんーやー(似ていますね)。何かご存知の方はおしえてくださいね〜。
 
 図書館を応援することをライフワークとされている池城かおりさん。今度は私設図書室の文庫を開くとのこと。かおりさんの子どもと本を結び付けようとする心意気、行動力には脱帽です。そのまっすぐな想いに心打たれ、私もスポンサーになりました。ぜひ、アクセスしてみて下さいね。
 
 貴方の感想も、ぜひお寄せください。掲示板での書き込みも まちうんどー(待ってますよー)。
 
 よろしければ、すたーら(下のほう)での評価や感想もよろしくお願いします!
 
 今回まい、しまいがみ ゆみふぃーさまい すでぃがふー!
 (今回も 最後まで お読みくださり、ありがとうございました!)
 
 次号は11月1日(木)発行予定です。きゅうまい ぞう一日ゆ(きょうも良い一日を)!
 あつかー、またや〜。