こんにちは〜。5月になりましたね〜。
がんずぅかりうらまずなー(お元気ですかー)? 連休まっさい中という方も、そうでない方も
vol. 291お楽しみくださいね〜。
野鳥観察記 ―野鳥とゴミ拾い―
あば本舗(下地・上地出身)
以前、くまかまvol.285 https://miyakojima.jp/kumakara-kamakara/vol-285/)で書いたように、4年前のある日、突如としてクロツラヘラサギに魅入られ、いつの間にか野鳥観察に夢中になっている私。
毎年11月頃になると、のーがらー すなしーや うらいん(何だか大人しくしていられない)休みの日、双眼鏡を手に豊見城の三角池周辺・豊崎干潟・那覇の漫湖周辺をウロウロする。何とか仲間を増やそうとモアイのメンバーも引っ張り出す。
クロツラヘラサギの事を調べてみると、色々な事が判ってきた。
世界の中でも東アジアにのみ生息する希少種で、年々数が減り、現在は1300羽〜2000羽ほどしかいない絶滅危惧種の国際的な保護鳥。繁殖地は、主に北朝鮮と中国北東部の一部地域。秋になると越冬のため南下する。主な越冬地は台湾、香港、ベトナム、中国南部、日本(九州・沖縄)など。沖縄に飛来する個体は、年によって異なるがだいたい20羽前後。
海や山を越え、国境を越え何千キロもの旅をして、毎年沖縄までやってくる渡り鳥たちを見ると、自然って、本当に凄いんだなぁとしみじみ思う。
のーてぃにゃーん あたらすーあたらすふなりき゜す(何故かしら、いとおしくなってくる)。だんだん情が湧いてきて、あがぃー くとぅすまい かんしぬ あがたんかい んにゃがまてぃ とぅびき゜たーなー まいふかゆー(あぁ、今年もこんな遠いところまで、きつい思いをして飛んできたのね〜。ご苦労さん)なーんて、一人つぶやいちゃうのである。
そして、ふとある事に気がついた。それは、飛来地の干潟や海岸がとても汚れているという事。空き缶やペットボトル、古タイヤなど様ざまな物が散乱する中、野鳥たちは懸命に餌をついばむ。その姿は、あてぃ つんだらーすき むぬ(あまりにも可哀想だ)。もっとも、当の野鳥たちは、汚いかどうかより餌があるかないかが大事だろうけど。
そういえば、三角池で何度か会った初老の男性がこんなことを言っていた。「野鳥観察を始めると、そのうちゴミ拾いをするようになるよ。」その時は、えー?まさかぁーと笑って返したが、確かにクロツラヘラサギを見に来るたび、三角池や各地の干潟の汚れが気になって仕方ない自分に気がつく。
うーむ。モアイ仲間を引っ張り込んで、ゴミ拾いに走る日は近いかも…。
◇あの話をもう一度
菜の花(伊良部町仲地出身)
「魂の芯」(vol.179 2008/4/17)
今回も おいぴと(老人)の話をさせてくださいね。
のーてぃんざばん(何といっても)おいぴと(老人)たちとの毎日は驚きでいっぱい。事件ばかりが起こるので飽きないというか、パワーにおされるというか・・・。だいず かなすーかなすで(愛しすぎて)私の頭の中にも、心の中にも(夢の中にさえも)施設の年寄たちが登場してくるのだ。
一昨年の敬老の日には、百歳のお祝いを総理大臣からもらったと うぽーぷぬ(大きな)賞状と金杯を持ってステーションに見せにきてくれた おいぴと(老人)が何人かいた。百年を生きる。それ自体称賛に値する。私もそう思う。
老人たちの日常を預かる施設職員になって4年が経った。主人の両親を看取ったあとは、老人問題には関心も薄く自分にとっては枠外のことのようだった。でも、4年も施設にいると老人が老いていく様も、衰えていく様も手に取るように見えてくる。
年をとるといろんなことが衰えてくるが、重度の認知症の老人は宇宙的な感じがする。軽度の認知症の方は、知性や理性がちょっとばかり邪魔をして自律することもあるが、重度になってくると、知性の衣を剥ぎ、理性の衣を剥ぎ、素のままというか、本能のままというか・・・魂の芯だけで日々を生きているように感じる。
今日はそんなおばぁの話。
生まれは北の国、青森。人は とぅす(年)をとったら よーたぁ(少しは)丸くなる、とかなんとか言われるけど、そうでもないように思う。
施設で働き始めた頃、すばい゜(オシッコ)で汚れたおばぁのズボンをはき替えさせようと車椅子の前に座ったとき、あー ぬどぅんかい(私の喉に)いきなり蹴りが飛んできた。不意打ちをくらって、後ろにひっくり返った私は思いきり かなまい゜(頭)をゴン!星がチカチカ〜。しばらく息もできずせき込んだ。死なされるかと思った。K1だってここまでは絶対しないはず。
おばぁの名前は「ヤナ」という。宮古方言では乱暴な人のことを「やな」というけど、おごえ〜!(うわぁ)このおばぁに、がふ!(ぴったり〜!)と勝手に納得する。ヤナさんが毎日事件を起こす重要危険人物であることを知るのに、たいして時間はかからなかった。
ヤナさんは人工肛門がつくられているので、便をためるパックを ばた(お腹)に貼り付けている。このパックが行方不明になることが・・・多々あるのだ。部屋にいくと、黄金のアートに染まった布団が!壁が!ベッドが!・・・「きゃ〜っ!」声にならない悲鳴が自分の中で聞こえるさー。
決しておとなしくないヤナさん。おとなしいときは一番危ないと気づくのにも、時間はかからなかった。着替えがまた一大イベント。ヤナさんのみー(目)がキラリと光を増すとき、爪をたてシャッ!!と顔を引っ掻かれる。この目の光に気付けなかった私の顔は、何度もヤナさんの爪で掻くアートキャンバスになった。
ヤナさんは転んでおでこが切れてしまい、流血がひどく縫合が必要な時があった。病院にいくまでの応急処置も だいず(大変)だった。傷に からず(髪の毛)がかからないようにしたいが、必死に抵抗するヤナさん。頭をブンブン振ると血がますますでてくるので、職員で押さえてようやくカットしたにはしたが、噛まれた職員と、唾をかけられた職員の犠牲者がでた。
病院の救急処置室でも、さらに奮闘するヤナさん。医者に噛みつき、「呪ってやるからな〜」と毒を吐き、ナースを引っ掻く・・・処置してくれたのは、かつて臨床で一緒に働いたこともあるナースだったが、私が謝る言葉にもしばし返事がなかった。「本当に申し訳ございません」と、深々と頭を下げて早々にヤナさんを連れて施設に戻ったが、人の心知らずのヤナさん、アガイ〜!(なんてこと!)おでこのガーゼを全部はがしている。縫合した糸は引っ張ると痛いのか、抜糸までそのままだったのがせめてもの救いだった。
そのヤナさんに異変が起きた。転んだヤナさん。骨折してしまった。骨折をきっかけに以前のような激しさがなくなった。そればかりか「ありがとさん」という言葉を何度も口にする。「すみませんね」と言われたときは空耳かと思った。
オゴエー!ヤナさん、どうしたの?具合でも悪いかぁ?車椅子の上で静かにしているヤナさん、やぱーやぱで(穏やかで)、まないー(おとなしい)との顔をしている。これはもう事件だ!
して、ヤナさんを着がえさせたら「えらいね〜」と褒められた。ありえなーい!なんだか顔つきまで違う人のようになってきたヤナさん、大丈夫か?!採血のあとも「ありがとうございます」と、神々しい笑顔を向けてお辞儀するので、職員は唖然となった。
これまでは、職員がどんなに優しく声をかけても悪態つくし、蹴られても、噛まれても、それでもお世話しても知ら〜んぷりだったのによ。きっと転んだとき、打ちどころが悪かったのかも知れない!無敵のヤナさんらしくないね!そう言いながらも、ヤナさんの認知症がどんどん進んでいることに気づいていた。
今、「ありがとう」がいっぱいのヤナさん。ヤナさんの魂の芯には「ありがとう」がぎっしりと詰まっている。今年百歳になるヤナさんからの「ありがとう」には、なんだかどこか違う重さを感じてしまう。
年を取り過ぎたことを「お恥ずかしい」という老人たち。ちっとも恥ずかしくなんかない!その人の本質を一枚、また一枚と剥がしてしていき、最後に見えてくるものは、その人の魂の原型だったりする。それを施設で働く私たちは知っている。
人は生まれた瞬間をもって「死」を約束される。「老い」もまた同じこと。それは誰にも抗うことはできない。
永田町あたりでは、老人問題を手抜きしているような条例が、見え隠れしているようにも思う。老人問題に携わる偉い人たち、施設実習を必須にしたら、老人問題解決策はもう少し現実味を持ったものになるかね〜。
なんといっても、明日は我が身!
沖縄旅行
ビートルズ世代のサラリーマン(平良・下里出身)
会社の創立記念旅行で沖縄へ行って来ました。この時季としては気温は低めでしたが四日間の滞在中お天気にも恵まれ、久しぶりの沖縄で身も心も癒されてきました。
会社の旅行なので基本的には個人行動は制限されますが、この際とばかりに間隙をぬっては、時間の許す限り くまかま(あちこち)と脱出を図りました。
一日目は東恩納村で宿泊、宴会なので身動きがとれず、大人しく会社員として過ごしましが、二日目から行動開始です。観光ツアーをキャンセル、同じようなアウトサイダー組三人でタクシーに相乗して那覇方面に向かいました。
北谷のアメリカンビレッジで二人を降ろし、浦添の兄の所へ立ち寄り、ひとしきり ぐんだん(お喋り)した後、かねてから行きたかった浦添市の国立劇場おきなわ、おもろまちの県立博物館・美術館等を見学してゆっくり過ごし二日目のお宿である那覇港に面したホテルに戻り2回目の宴会。
三日目は、日帰りで宮古に墓参りに。
レンタカーで西中(城辺)のお墓まで行く。道路が整備されたのと、住宅地が広がった関係で市街地をちょっと走ったかなと思う間もなく到着したのにはビックリ。昔は随分遠かったように思う。
お墓は、草が あばりて(生い茂って)いて小一時間ばかりかかり、鎌で綺麗にし、サンエーで買ってきたタンカンを備え泡盛を注いで線香を焚いて てぃーをかみてきました。(手を合わせて拝んできました)
帰りは西中の公民館に立ち寄り、あぎいす(挙げ石)に挑戦しましたがビクとも動きませんでしたね。また、今更子宝の神様を拝んだってしょうがないんだけど、ビマルウタキの霊石も拝んで来ました。霊石は鍾乳洞の水滴で濡れて触るとひんやりとしてパワーが伝わってくるようでした。気のせいでしょうか少し しーにん(青年)のように力が漲ってきたような気がました。(笑)
お昼は ぴさら(平良)に戻り古謝食堂の宮古そばを食べに行く。いつの間にか店が移動していて場所が分からない。レンタカーにはナビが付いていないので助手席の妹の娘にナビをお願いする。それにしても、道が全然分からない。うぽーぷのんつゆ(大きな道路を)行くといきなりそこに出現した。
駐車場はえらく混んでいてスマホを手にした観光客が次から次へとやって来る。今は情報化の時代なのだ。こんな南の果てのそば屋にもピンポイントでやって来る。隣のテーブルでそばをすする若いカップルは渋谷や池袋でラーメンを食べる感覚で宮古島にやって来るのだろうか。なんだか不思議な気持ちになった。
宮古滞在時間は刻々と無くなっていく。急げ。カママ嶺の麓の新宮古病院へ行きカニさん自ら選んで植えさせたという草木を見学。テンノウメもしっかり見届けましたよ〜カニさん。カママ嶺に上り伊良部大橋を眺め、「とうがにあやぐ」の歌碑を観て、あわただしく車を走らせ、「ネフスキー之碑」、「宮古神社」、「旧琉米文化会館跡」と廻った所でタイムアップ。
空港に戻り、帰りの飛行機を観てビックリ。なんとあの南西航空の機体がエプロンで待っているではないか。実はこれ、日本トランスオーシャン航空(JTA)が創立45周年を記念して復刻した特別塗装機。宮古島の空港にあのオレンジ色と赤のラインのSWALの機体が蘇るなんて感激です。
旅の最後にこんなサプライズがあるとは、南西航空で行き来した昔を思いだし宮古島を後にしました。
夕暮れ迫る宮古島と夕陽に輝く海を見下ろしながら今度はいつこれるのかなーなんて考えると、急に宮古島が愛おしくなり、雲に隠れて島影が見えなくなるまでいつまでもいつまでも窓にへばりついて眺めました。
今回は7年ぶりの宮古島でした。実家が無くなった今、宮古島はもうそんなに帰ることは無いと思います。でも、宮古島はいつまでも心の故郷です。ぶがりたとき(疲れたとき)、苦しくなったとき、今回観た宮古島を思いだして また、いずがまを(元気を)だして頑張ろうと思います。
今夜は島で買った泡盛でも ぬみみーでぃびゃー。(飲んでみようかな)
編集後記
松谷初美(下地・高千穂出身)
今年は早くから、ぬふーぬふに(暖かく)なったと思っていたら、ぴしーぴし(寒く)なったり・・・。ぴんなぎ(変な)天気が続いていますね。そちらは、いかがですかー?
4月21日、宮古ではトライアスロン大会が予定されていましたが、悪天候のため、スイムが中止となり、初めてデュアスロン(ラン6、5キロ、バイク155キロ、ラン42・195キロ)で行われた。とうことです。(宮古毎日新聞 http://www.miyakomainichi.com/2013/04/48721/ より)こういうのがあるとは、すさったん(知りませんでした)。29回開催されている中で、初めてということですが、無事に終わったとのことで、良かったですね。選手、関係者、ボランティアのみなさん、お疲れ様でした!
先日(4/29)、くま・かまライターだった、のりぼーの墓参りに行ってきました。命日が5月20日なので、毎年連休のあたりに行っています。同級生ののりぼーとは、同じように年をとっていくものだと思っていたので、いないのが今でも ぴるますー(不思議)な感じがするのですが、亡くなって11年。あぐ(同級生)たちも元気にしていることを報告し、手を合わせてきました。
さて、今回のくま・かまぁ のーしが やたーがらやー?
あば本舗さんのクロツラヘラサギへの愛は、深まるばかりですね!まーんてぃ(実に)はるばると沖縄までやってきているんですね。野鳥への関心からゴミ拾いまで発展。少しでもいい環境で過ごしてほしいという想い。モアイ仲間のみなさんと、ゴミ拾いに出かける日は近そうですね〜。
今回の「あの話をもう一度」は、菜の花の施設での話をお届けしました。今、新聞でもテレビでも「認知症」のことを取り上げない日はないくらいとても身近なものですね。認知症の方とまっすぐに向きあうことで見えてくるもの。菜の花の話は私たちに多くのことを伝えてくれます。
B.サラさんの7年ぶりの宮古。お墓参りに始まり、いろいろ回って、んなま(今)の宮古をいっぱい感じてきたのが伝わってきました。見るものすべてからパワーをもらっている感じがしましたね。久しぶりの かなす(愛しい)宮古や沖縄の様子、掲示板で写真が掲載されていますので、こちらもぜひ!
貴方の感想もぜひお寄せくださいね。掲示板でもお待ちしています!
すたーら(下)のほうでは、評価をしたり、感想を書くことができます。
どうぞ、よろしくお願いしますね。
今回も しまいがみ ゆみふぃーさまい すでぃがふー!
(今回も 最後まで お読みくださり ありがとうございました!)
次号は、5月16日(木)発行予定です。 みなさん、上等ゴールデンウィークを!
あつかー、またやー。