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くまから・かまから Vol.31

2021 4/22
メールマガジン
2002年7月4日2021年4月22日

皆さん、こんにちは!台風5号はどんな具合でしょうか。台風の目が通過したあとが一番風が強くなります。どうぞお気をつけください。

目次

「『読めば 宮古!』その後」

宮国優子

「やれるうちにやりたいね、私たちの宮古を文字で残しておきたいね」

これが宮古本=「読めば 宮古!」のはじまり。友人たちといつも話していた宮古の摩訶不思議さ。それは故郷から離れれば離れるほどエスカレートしていったのかもしれない。私たちの心の中にあったのは爆笑&苦笑いが複雑に絡む宮古。喜怒哀楽が過剰に溢れていて、裏も表も愛すべき?存在の島。

出版してからたくさんの声が聞こえてきた。思ってもみなかったさまざまな反響。私たちだけが宮古を面白がっていたんじゃなかったんだ、というのが本音。時に反対意見?のようなものも出てきたけれど、こんなふうに注目してる人もいるのかと唖然とした。でもおかげで私たちはたくさん話が出来た。書く事への責任や覚悟、宮古に対する認識、もろもろ。私たちの考えをある深みまでいざなってくれた。無駄なことって本当に何もないよなぁと今更ながら思う。

しかし非常に短気な私は、人から意見されるとネガティブな気持ちが先に立ってしまって、うんざりしてふてくされていたというのが実情。久しぶりにすごく内省的な気持ちになって、ちょっとバランスが崩れた。

でも少しずつ上向き加減の気持ちにさせてくれたのも人の言葉。家族、友人、『読めば 宮古!』の出版社の人たち、執筆者ら、読者らのあったかい血の通った言葉。時に不器用で、ぶっきらぼうで、でもその人なりの気持ちが入った優しい笑える言葉。甘すぎて見栄えの悪い出来損ないのお菓子みたいな言葉や泣けるぐらい酸っぱい痛い言葉もあった。ひとつとして同じものはない、そんな宝物のような言葉が私を取り巻いてくれた。もう大丈夫!と思い始めた。

本が出来る前より本が出来てからの方が、はるかにたくさんの宮古の話を聞いたように思う。みんな宮古に思いを寄せているんだと嬉しくなった。今度はたくさんの人のプライベートな宮古を聞きたいし読みたい。そしてめでたいことに続編『書けば 宮古!』が企画されている。

これから先、どこで暮らしても私の足もとは揺るがない。怖いことにそんな自信がついてきた。読んでくれた皆さん、ありがとうございました。?よーし、また次に向かってがんばるぞー!

「宮古のことわざ」

〔 天事ぁ 油断なさまぁん 人ぬど油断ぬばぁす 〕

ティングトゥユダンナサマァン
ピトゥヌドユダンヌバァス

天事は自然界の意。自然界は折り目正しく四季運行を続けている。人間の方がうっかり貴重な時をムダに費やしている。

『んきゃーんじゅく』 佐渡山政子/編 より

「ある日々の食卓」

松谷初美

1967年○月×日 初めてやー(家)にテレビがきた頃

  • すーずぅ(冬瓜の煮物)
  • トゥナラぬあいずぅ(ハルノゲシの和え物)
  • だきょーちきな(らっきょうの漬物)
  • ごはん

白黒のテストパターンを飽きもせず、見ておった。

1969年○月×日 だいばん(大きな)石につまづいて親指の爪が黒くなった。

  • かん(カニ、主に渡りガ二)を茹でたもの
  • あずぅ(アイゴ)の味噌汁
  • んーたーき゜(ふかし芋の練ったもの)

お父が夕べ松明を持って、海に行った。朝起きたら、むいぞーき(平たいかご)にカニといす゜ぅ(魚)がだう(たくさん)あった。悪いことの後には、良いことがおきるというのは本当かもしれないと思った。

1971年○月×日 平良のいとこの家でお泊りのお昼

  • そーみん(素麺)

初めて素麺の上にきゅうりやら卵がのっているのを食べた。おごえー、ハイカラゆー。と心の中で思った。うちでは、素麺の上には何ものったことがない。魚の缶詰を入れたつゆでしか食べたことがなかった。

1973年○月×日 兄さんと喧嘩した。

  • 豚肉とにんにくの葉っぱのいーき゜(炒め物)
  • ごはん

醤油と砂糖で味付けされた、にんにくいーき゜は、その汁がおいしい。ごはんにかけて何杯でも食べた。にんにくの葉が歯にはさまったまま兄さんが話しをしている、おしえんべき!(おしえてやるもんか!)

『一行詩(ときどき二行詩)』

マツカニ

☆ んなぴとぅんてぃ ゆうさーっしゃぁ ならんどー たんでぃ おばぁが てぃゆ かみ 慰霊の日
(二度と戦争をしてはいけないよ。 おばぁが手を合わせる慰霊の日)

☆ んき゜のぱー がじまーら つふいってぃ まーず ぷからっさ
(あだんの葉 風車作って 回る うれしさよ)

☆ さきぬん うぷむぬゆみゃ やーんな みどぅん いざいちゃーな
(酒好きのほらふきさん、家では 奥さんに 怒られてばかり)

☆ いんぬそぅく いゆ゜がまぬ すたんな ペットボトル
(海の底 小魚の 下に ペットボトル)

「編集後記」

松谷初美

台風お見舞い申し上げます。東京でも宮古の台風の様子が映ったりしています。農作物への被害が心配です。

『読めば 宮古!』が発行されてから、宮古ではもちろん沖縄本島でも売上一位が続いているそうです。すっごいじゃないか!第二弾の『書けば 宮古!』こちらも だいず(大変)楽しみです。

海の中でペットボトルを見た日にゃー、まーんてぃ(本当に)がっかりです。しかし、今は宮古では(宮古だけに限りませんが)海だけでなくゴミ問題が深刻ですね。自分が出したゴミは最後まで責任を持って片付けましょうー。東京にいる私も自戒を込め。

最近、投稿や感想メールが少なくて、淋しい限りどーや。皆さんからのお便りまちうんど?(待ってます?)

次回は、7月18日の予定です。では、また。

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