くまから・かまから Vol.38

  1. Home
  2. 未分類
  3. くまから・かまから Vol.38

皆さん、こんにちはー。ハイ、また、くまから・かまからの発行日ドー。月日が経つのは、マーンティ ピャームヌヤー(ホントに早いものですね)読み切りとなっております。どこからでもどうぞ。

「学校がない 宮島小学校編」

神童

ある日のこと。神童は前夜の夜更かしが元で学校へ遅刻する身となった。案の定、快適な木陰など取得できるものでなく、夏至に向かう陽射しは、南中高度が高くなることにより、4月の段階に比して、木陰の面積を減少させていた。

結局、5列の4番目あたりに一緒に遅刻した川○徳○と席を並べた。そこは教室のモクマオウの林から外れ、足元には、にんじんが生えていた。そこは川○徳○の家のパリ(畑)だった。

遅刻するということは、起床して後、学校へたどりつくまでの時間が短かったということであり、その短時間に身支度をして登校したということである。そういった状況なので、神童は朝からノーマイ(何も)口にしていなかった。三時間目に入るころは、バタ(腹)の虫がグーグー言い出した。そこで、川○徳○に断って(畑の持ち主、または登記名義人は、川○徳○の父、○助である)足元のにんじんを引き抜き手で土をぬぐって、かじり始めた。

腹のすいてる時は、何でもうまいものであるが、ほのかな甘みが口に広がり、生野菜特有の草の匂いが何ともいえない。「うさぎなんぞに食わすのはもったいないことだ」と思いながら、3本目のにんじんを口に運ぼうとした時、先生に見イライニャーン。(見られてしまった)そして「おまえらはうさぎか!」と叱られ、廊下・・は、ないので校庭にひざまずき(正座)の刑である。川○徳○も一緒に。

この先生は法律を知っているのだろうか。かりそめにも神童は、にんじんの所有者の子息に許しを得て、にんじんをかじったのだ!その旨、先生に反論したのだが、こともあろうにこの先生は、所有者の子息をも罰したのである。にんじんを生でかじったという罪で!ヘルシーでいいじゃないか!

かなり矛盾した先生のおかげで、徳○は今、法律関係の仕事にはついていない。左官だ。徳○は弁護士になったかもしれないのに・・。

「宮古のことわざ」

〔 家畜と道具わ 主人どぅ命 〕

イキィムストドゥウワ
ヌスドゥンヌツ

家畜も道具も人間の扱い方ひとつで、長生きしたり、長持ちしたりする。物も生き物もその辺りを考えて接しなさい。

『んきゃーんじゅく』 佐渡山政子/編 より

「ミャークフツ講座 形容詞編」

松谷初美

  • カギッチャ(きれい)
  • シッシャナ(汚い)
  • ピャーピャ(早い)
  • ミズーミズ(新しい)
  • フズ(古い)
  • ピシーピシ(寒い)
  • ヌフーヌフ(温かい)
  • ツカフ(近い)
  • アガタ(遠い)
  • プカラス(うれしい)
  • スゥンザ(うらやましい)
  • ウカース(恐ろしい)
  • イミッチャ(小さい)
  • ウポーヌ(大きい)
  • クキークキ(きどった)
  • ヤマカサ(多い)
  • イキャラー(少ない)
  • シバーヌ(狭い)
  • ピスーヌ(広い)
  • ゾウ(良い)
  • バズカー(悪い)

「結婚披露宴ぬぱなす(の話)」

アモイ

冠婚葬祭といえば、国や地方によってだいぶかわりますが、それだけではなく、同じ場所でも時代によってだいぶ変わってきます。

所変わればですが、中国の結婚式は、一般的に地味です。自宅や、ホテルのホール等で披露宴を行いますが、ホテルの場合、ホテルの玄関かロビーで新郎新婦が出席者を迎えてくれます。しかし式場の中に入ると、新郎新婦の紹介もなし、円形の8?10人のテーブルに座らされ、ひたすら、出てくる料理を食べながら、同席の人たちと乾杯!乾杯!して自分達で盛り上がります。ただ出てくる料理の量は半端じゃありません。最後の方は料理のお皿がピラミッドのように積みあがる程になります。引きで物もありませんし、余興なるものなどは一切ありません。

それに比べて宮古島の結婚式と言えば親戚、友人知人、隣近所と出席人数が多いことに加えて、歌、踊り、漫才と舞台での盛り上げもすごいですね。

高校生の時に担任の先生が結婚式をあげる事に成り、余興をやって欲しい、と頼まれ、クラスメートと2人で当時覚えたてのギターで何曲か歌うことになりました。私がギターを弾き友人が歌うスタイルで選曲することにしましたが、私のギターのレパートリーは限られています。結婚式で歌う歌とはかけ離れたものとなってしまいました。

「ヴィーナス」(ショッキングブルー)「湯の町エレジー」「影を慕いて」「別れの一本杉」などとおよそ結婚式にはタブーとされる歌ばかりとなりました。結婚式の”いろは”をなにも知らなかった当時の2人と、なんの歌を歌うのかを事前にチェックする様な事も無く進行されるプログラムのおかげで、悲劇の始まりです。

当時高級だった「レストラン○―ル」の舞台にあがり”ヴィーナス”で賑やかに歌い始めたまではよかったんでしょうが、だんだん懐メロの淋しい歌となり「別れの一本杉」を ♪泣けたー泣けた??・・。と堂々と最後まで歌いきってしまいました。会場がシーンとなったかどうかは覚えていませんが、その後、最近の高校生は、なかな・・・・といってフォローに苦労している司会者の姿がそこにありましたが、それでもその場では気がつきませんでした。出席者達はきっと「ぷりむぬこうこうせいぬきゃーさいが」(ばかな高校生たちさいが)といったことでしょう。しかし我々は気にとめる事も無く、歌い終わった清々しさを感じながら退場しました。

それから暫くして結婚式での”タブー”がある事を知り、「だいずやーばんたー結婚式んどぅ、別れの一本杉ゅーあいしゅぅーきぃす、あがいたんでぃどぅぐりさ、」(俺らはとんでもなかったなー、結婚式に”別れの一本杉”を唄うなんて、とんでも恥ずかしい)

あれから、30年以上も経ちました。お二人(先生)が別れたという噂も聞きませんので悪い影響は無かったようです。それにしてもあの歌のタイトルが”出会いの一本松”くらいだったらよかったのになー。

今度頼まれたら”家庭和合”を歌うつもりです。

「ライン、レーン、ローン、あなたはどちらですか?」(投稿)

π里生さん

下地勇さんのCD「我達が生り島」を聞いていて「アバ、ピンナ ムヌズ」(あれ言葉が違う)と思ったので書いてみます。

それは歌詞の中にたくさん出てくる「・・ばっしれぇん」である。(歌詞ではひらがなですが、こちらでは、カタカナでバッシレーンとします。)その意味は「・・が忘れられない」だが、そういえば空港の近くに「バッシライン」とのレストランがあったなあと思いだして、ふと、なんでレストランは「バッシライン」なのに、勇さんの歌では「バッシレーン」となっているのかと思った。

ちなみに自分の生り島、下地町上地では「バッシローン」と言う。気になるので同期のムヤイ座(集まり)で聞いてみたところ、多いのは「ライン」が多かった、小さな下地町でこんなにも違うのかと自分でも驚いた。他の島ではどんなに言うのか知りたいと思って投稿しました。多分「ライン」が多数で「レーン」と「ローン」は少数派と思う。

ただでさえ難しい宮古フツを難しく思わせてすみませんが、これもまた宮古フツの面白さかと思う。

※ダイズ、ウムッシ(面白い!)だね。クリャー、バッシライン(これは忘れられない)投稿になりそうだ。というわけで、私は「ライン」です。

「編集後記」

松谷初美

神童の話に出てくる、ひざまずき(正座)の刑は、小学生の頃、よくやらされたなー。畳の上じゃないからね。廊下はコンクリートでしょ。校庭は、小石もある土の上でしょ。痛っいわけよ。すぐは立ち上がれない。アガーな(痛い)日々だったなー。金○先生お元気ですか?それにしても神童よー、私は、あなたの子供時代を望遠鏡ででもいいから覗いてみたい。あなたの辞書に「退屈」なんて言う言葉はなかったでしょ。え?今もぉ?

結婚披露宴は、まーんてぃ所変わればってやつですね?。アモイさんが今住んでいる中国もまたこっちから言わせると、変ーりーどぅうーやー(変わっていますね)でも、プログラムが余興で埋まっている披露宴は、世界広しといえども、沖縄だけだはずねー。きょうも宮古のどこかで、余興の練習が繰り広げられているはずよ。

次回は、11月7日の予定です。あつかー、また。