くまから・かまから vol.70

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 みなさん、こんにちは〜。 
 いつのまにやら70回目のくま・かまです。きゅうまい(今日も)バラエティ豊かな品揃え。読みふぃーさまち、みーさまち。

んーだーく(芋くず)ぬ ぱなす(お話)

ワタリマリ(上野村出身)

 長崎県名物の「かんころ餅」をいただいたので 早速食べてみました。一応 芋餅だということを意識しながら ナバシヌ ンマムガライ(おいしそうだな あ)と口へ放り込みました。次の瞬間 口の中の食べ物は私に昔の味を思い出 させたのです。 アバ ウリャア ンーダーク サイガ(なによこれ 芋くず じゃない!!)家人たちは ん?なに?「ンーダーク」ってなんだと訝しげだ私 の頭の中、心の中、口の中はとても感激していた。おー!! 宮古の食文化もす てたものではないと。で、もぐもぐしているうちになんだか違うぞ、どこかが 違うぞと味の違いに気がついたのだ。

 「かんころ餅」が入っていた袋をひっくり返してそこの書いてある説明に目を通しました。イーイカ!(あらそうだったの)納得さあ。その違いはよく分かりました そりゃ違うわねえ。

 説明によるとサツマイモを茹でて・・ここまでは宮古も同じ。この次の2文 字が決定的に違うのです。”寒風”にさらすのだそうです 寒い寒い北風にさら して乾燥させ水分をとばすのでしょうね。オホウ・・(なるほど)アシバドゥ クリャア ミズー ミズ ウランサイガ(だからこれは、みずみずしくないん だ)。さらに読んでいくと もち米を混ぜてつきあげると書いてあります。確 か宮古では もち米ではなく片栗粉だったような気がする。そして ”つく”よ うな難儀なことは多分しない ん・・こっちのほうが手が込んでいるぞと感心。

 ヤキファイ チイマイ カカリュウバ(焼いて食べなさいとも書かれている ので)焼き網の上にのせ考える。この焼くという調理法も私が育った普段の食 生活のなかにはなかったような気がする 焼くといえば パンビン ヌ ヤキ (てんぷらを揚げる)イユウヤキで(魚を揚げる)となっていた。焼き芋? したかねえ?

 アガガガ(あちっち)アツウアツウガマ(ほどよいぐわいで)かんころ餅が 焼きあがりました。ピイッチャ フクリガマアシ インマカイギ アン(ふっ くらしてきておいしそうなことよ)アム。

 こうして、「かんころ餅」は ンーダークよりはさらにおいしく素朴な仕上 がりとなったようです えっ?宮古のが一番って? そりゃあもちろん言うま でもありません バンタアヤ ブウギナギシイ イスウガスカアムヌ イラア 母ちゃん(私たちは製糖期で忙しいのよね お母さん)。

あがー、やんむぬどー(痛っー、痛いんだよ)

アモイ(平良市出身)

 ガキの頃の痛い想い出と言えば、学校では先生に体罰を受け、先輩からは虐 められ、友達からは悪戯ごっこで痛い思いをしたりさせられたりしたことだろ う。
 
 先生の体罰では、まーもをふぁーさい(拳骨され)かまっつぅ うたい(び んたされ)チョークや黒板拭きを投げつけられ、みんばにゃー ぴすかい(耳 を引っ張られ)つんきすさい、むでぃらい(小さく大きくつままれてねじられ る)(※注釈 このへんの小技は女性の先生が多かった)後は、手を上げて立 たされる、水入りバケツを持たされる、お辞儀を100回、運動場10週、掃 除当番、そろばんで頭をごしごし、頭の両側を押さえながら高い高い、等々、 やうわ しんしーには、みんがい、ふだかい、んたばい(怖い先生には、叩か れ、ぶたれ、ど突き回され)ほんとに痛いものだった。なんとなんと今で考え れば新聞紙上を賑わしそうな体罰の多かった事か、しかし、それが悪い事だっ たとも思えない。
 
 一方、先輩には、ずみぎばっち(綺麗なめんこ)や、めだま(ビー玉)を学 校に持っていくと奪われてしまったり、弁当のおかずを取られたり、登下校時 はかばんを持たされたり、使い走りをさせられたりと、悪い先輩が近くに居る といい思いはできなかったものだった。その中で同級生や友達になると、やっ たりやられたりで痛かったのだが、後で思うと楽しくさえ思える。
 
 当時(昭和41年前後)の小学校高学年の一部の間でちょっと流行った遊び で、上半身の上下運動を激しく2〜3分やらせ、息がハーハーしてる状態で後 ろから手を回して胸をぐーっと圧迫し意識を朦朧とさせ失神状態にさせて、周 りの人がそれを見て楽しむという遊びがあった。この遊びは程なく先生達に知 れ渡り、命に関わる危険な遊び、という事で禁止された。
 
 それから、両手の人差し指を合唱の形に合わせてお尻を突く悪ふざけがあっ た。今でも「浣腸!」といって子供たちの間でふざけ遊びになっているようで ある。ある日の事、近所の友達と草刈に行ったとき、きーぬ ゆどーうらすか てぃ(木の枝葉を切り落そうと ※牛の餌のため)山の岩場を登っていったの だが、私の前を登っていた友達が、ばが みーぬ わーぶん ちびるんむ ま んだしがまーしい うりば(俺の目の前にお尻を突き出したようなかっこうに なったので)思わず、チャーンス!!みたいな気持ちになり、とっさにもって いる ぃすさらぬ いー しー(鎌の柄で)肛門を突き上げてしまったのだっ た。これはもろに命中してしまった、鎌の柄は指よりも力が入る為強烈なのだ、 あがっーーー、と言った後は、あまりの苦しさに悶絶していたのだが、友達は 仕返しも忘れて不機嫌になり、その後、暫くの間、我々の友情も旱魃時のパリ (畑)の地面の如しだった。
 
 それから、教室では左の掌を机の上に伏せて指を広げ、右手に鉛筆を持ち広 げた指と指の隙間に親指側から1、2,3、4、鉛筆の芯を刺すように往復さ せる遊びもやったが、今の子供達もきっとやっていると思う。しくじると鉛筆 の芯で指を刺してしまう。草刈仲間では鉛筆代わりに鎌を使ってやったものだ った。右手で持つ鎌の柄から刃先までの距離があるので鉛筆よりもやりにくく 危険だ。一人がやってみせて、うわー かんちや しらいん だらー、(お前、 こんな事できないだろう)といってやって見せると、しらいがみどぅっすだら (できるさー)と言いながら真似する。あんちやーあらん、かんちーだら、 (そうじゃないよこうだよ)うわーやなざいやしー(お前、ずるいよ)指の間 に入ってないだろう、とか、あんちー、ぬかーぬかしや とーまい しらいが みどぅ っすだら(そんなにゆっくりなら誰でもできるさ)とお互い負けまい とエスカレートしていき、しまいには、爪や指を鎌で刺してしまう事もあった。
 
 本当に痛くて危険なのは、道具を使った体罰や虐め、悪戯、しごき等であっ たが、田舎ではその道具として草刈用の鎌がよく代用されたものだ。きちがい に刃物というが、当時は、ぷりむぬ(きちがい)や逆上した奴が鎌をもって追 いかけてくると(まんてぃーうとるすかーた)本当怖かったものだ。

ミャークフツ講座 ふく ふかす ふきる編

松谷初美(下地町高千穂出身)

 宮古を長いこと離れている人にとって、みゃーくふつは郷愁そのものだった り、幼い日へのタイムスリップだったり、自分の五感を覚ますものだったりす る。そんな中で、これまで久しく聞いていなかった言葉を突然耳にして、笑い 転げるという現象がよくおきる。私にとって、この「ふかす」は、そんな言葉 だった。

 東京でのこと。宮古の友人4人と飲んだ帰りだった。突然その中のひとりが 「どこかにトイレがないかなー」と言ったかと思うと、「ふすぅーふかしたか もしれん」と言って、トイレを探して走り出して行ったのだ。(ちなみに男性 です。)残された三人は「ふすぅーふかしたあ?」と言って、大笑いになった。 あまりにも懐かしい響きではないか。リアルに想像でき、なおかつ、そのせっ ぱつまった状況をこの三人に伝えるには、はまりすぎた言葉であった。残され た三人は笑いのツボに入りまくり、息も絶え絶え、なだぬ いでぃきゃー、 (涙が出るほど)、ばたぬ んにゃがまてぃっすきゃー(お腹がねじれるほど) あまい(笑い)転げるのであった。「あがいー、ふかすよーと」。

 これが日本語で「ウンコを漏らしたかもしれない」と言われたら、まぁ、笑 うかもしれないが、「ぷりむぬ!(アホか)」くらいで、終っただろう。しか し、あの一言の放った威力は、相当なものであった。私達は帰りの1時間、こ の話題から外れることはなかった。

 さて、「ふく」は、日本語の「漏く(くく)」にあたる。(「く」が「ふ」 に変化するというみゃーくふつのひとつの特徴) 「漏く」の意味は、1.くぐる、間を抜ける。2.漏れる。である。 先の「ふかした」は、「漏れた」ということですね。「ふす」は「糞」です。 はい。

 その他に 「きーぬ すぅたゆ ふきる」:木の下を通りなさい 「針に糸を ふかす」:針に糸を通す などとも使います。『宮古群島語辞典』参照

 さて、その後、彼はトイレを無事に見つけ、用を足してきた。たぶん ぴっ ちゃがま(少しだけ)ふかしたであろうことは、気にせず、とても安堵した顔 で戻ってきた。それにしても東京の空のした、「ふすぅーふかしたかもしれん」 と叫んだあんたは、えらい!私達は笑いの渦の中で、とても幸福感にひたり、 みゃーくふつは素晴らしいと思ったのでした。あがえー まーんてぃ うむっ しどぅ やたーどー(ああ、本当に面白かったよー)めでたし、めでたし。

 おもいがけない みゃーくふつにたくさん出合いたいものである。

お葬式

かい(伊良部町出身)

 今年は、年明けと共に告別式が相次いだ。前々から具合が悪いと聞いていた 人は、それなりにこっちの心の準備も出来ていたが、突然亡くなった方には何 とも言いようがなかった。人はいつかは死ぬものだが、そうとは解っていても やはり別れはつらい。

 葬式といえば、母は必ず葬式に行くときは「マアスミズウ ツッフイウキヨ ウ(塩水を作っておいてね)」といってからでかけていった。平服でだ。私の 子どもの頃は、今のように喪服など誰も着ていなかった。いや持っていなかっ たというのが正しい。一体いつから島の人たちは喪服を着るようになったのだ ろう。留守を守るものは、葬式に行った人が帰ってくる頃に合わせて、洗面器 に塩水をつくり、門の傍においておくのだった。母はそこで手を洗い清めてか ら、家の敷居をまたぐのだった。

 今私は那覇に住んでいる。那覇の告別式では、香典返しのなかに清め塩が入 っている。が、私はそれを一度も使ったことがないし、義父母が使うのを見た こともない。ほかの方はあの塩をどうしているんだろうか。不謹慎かもしれな いが、夫の友人の家では丁度携帯用に便利なので、とっておいてお弁当に活用 しているらしい。アンシイジョウブンナア?(そんなんでいいの?)

 数年前に叔母の葬式を島でやった。葬儀屋というものは島では成り立たない のだろう。だからいまでも親戚や隣近所で全てを手配する。でも驚いたことに お坊さんだけはいた。どこかで見た覚えのある顔だと思っていたら、私達が中 学生の頃、たしか電気の工事などをやっていたお兄ちゃんだ。ナウヤシイガ (どんなして)お坊さんになったのだろうか。でもお経の途中で、「ああしな さいこうしなさい」と近くにいる人に何やら喋っている。全くこんなに心のこ もっていないお経は初めてだ。お経を唱えているのかどうかさえ疑わしくなっ た。島では他に競争相手が誰もいないから、仕方なしにこんな坊さんに頼むの だろう。

 島では家から火葬場まで隣近所のものまでがぞろぞろついてくる。そして、 みんな骨が焼けるまで火葬場の庭で思い思いに過ごす。その間に親戚の者はジ ュースやらの飲み物、今では沖縄本島でも有名になった「まるそう」(チミイ やあ)の渦巻きパンなどを準備して、みんなに配る。誰かが近くの草むらに消 えたと思ったら、しばらくしてどこからもぎ取ってきたのか島バナナを抱えて 戻ってきた。みんなで美味しいと言いながら頬張る。笑ったり泣いたり、島で の葬式はおだやかでゆったりとした時間をもたらす。 優しかった叔母が亡く なった事は悲しかったけれど、みんなが久しぶりに集っていい時間を共有出来 た。

  最近那覇では,最新式の高速炉が入ったという火葬場が出来た。そこで焼い てもらった知人の話では、家に戻る間も無いほど速いらしい(那覇では出棺し て火葬場まで行ってから,いったん家に帰るのが普通だ)。それで、ホテル並 の豪華な待合室が準備されていて、家族はそこで待機する。余りに速すぎて、 それも又心が置き去りにされていくようで悲しかったという。

 アティ ベンリンカイナリウイスゥガ、マアンティ ナウガガラウ バッシ イ ウルブスムヌ(とても便利になったけど、何かを忘れているようだ)。 

編集後記

松谷初美(下地町高千穂出身)

 先にも書きましたが、いつの間にやら くま・かまvol.70を迎えました。 パチパチパチ。おかげさまでございます。たんでぃがーたんでぃ!!(深いお じぎ)。なーにしろ、編集ド素人なものですから、ご迷惑をかけかけ、やって おりますが、楽しみながらやっているので、あれま、いつの間にやら70回と いう感じです。ライターたちから届けられる原稿を真っ先に読めるのがうれし い私は、相手が ぱんたぎなり(忙しそうに)していても、聞かないふりして、 日々原稿の依頼をしております。

 さて、メルマガを発行していて他にも楽しみなことがある。読者の方からの 感想メールや投稿、掲示板への書き込みなどを読むこと。これはもう原動力で もあります。まーんてぃ ぷからすむぬどー(本当にうれしいことです。)そ してもうひとつの楽しみが、登録者数を確認することである。皆さんが登録し たアドレスを私は、知ることはできないが、(当然、どこの誰かというのも分 からない)今現在何人の登録者がいるかは知る事ができる。これ見るのが毎日 の密かな楽しみなのだ。イヒヒ。

 ちなみにきょう現在では418人。創刊時29人からおかげさまで順調に伸びて おります。しかし、たまにこれが減ることがある。昨日は400人だったのに、 きょうは399になっていたりするのだ。悪い事は重なるもので、その翌日には また1人減っていたりする。ドヨーン、気持ちは一気に急降下。のーぬが ば ずかたーがら(何が悪かったんだ)、と理由も分からないのに、反省したりす る。しかーし、また時が経つと1人増え、2人増えするので、すぐに ルンル ンとなる。発行者の気分は ぱんたむぬ(忙しいものだ)。ゆっくりのペース ではあるが、ともあれ 増え続けているので、ぷからすくとぅ(うれしいこと だ)。見えない相手だけにどんな人が登録してくれたんだろー、どうやって知 ったんだろうなど空想が広がります。インターネットは、面識も何もない中で やることが多い。でも、ちゃんと読んでいる人がいてくれるのを実感したい、 そんなことかもしれません。みぱなあ みーらいんすぅが(顔は見えませんが) ゆみふぃーたー(読んでくれた)あなたに、たんでぃがーたんでぃ!!

 ふぉむぬぬぱなす(食べ物の話)から、やんーやんぬぱなす(痛い話)、ふ さーぬ(臭い話)、葬式のぱなすがみ、vol.70は、お楽しみいただけましたか ー?ぜひ、ぜひ感想をお寄せくださいねー。よろしくお願いします。

 それから「遊び」についての投稿も まちうんどー。あなたが子どもの頃に した遊びをぜひ、ならあしふぃーさまち(おしえてください)。宮古出身以外 の方でもOK。どんない どんない(どんどん)送ってくださいねー。

 さて、次号は、3月4日(木)発行予定です。お楽しみに〜。