喪服でのハンカチの色やデザインで覚えておきたい3つのマナー

葬儀の服装やマナー
喪服でのハンカチのマナー

喪服で気をつけるハンカチマナー

涙を拭ったり、手を拭いたり、お葬式でもハンカチは必需品です。しかし、外からひと目見て分かる喪服と違い、ハンカチは必要なときにしか取り出しません。そのため、「あまり気にしなくてもいいのでは」と思う方も多いでしょう。

しかし、冠婚葬祭においてはハンカチに至るまで細かくマナーは決められています。今回は、どのようなハンカチならマナー違反にならないのかご紹介します。また、ハンカチの色やデザイン、持ち方のマナーなどについて解説しますので併せて確認してみてください。

1. ハンカチの色

喪服のときのハンカチの色

冠婚葬祭全般で使用するなら、「白色」のハンカチがおすすめです。弔事に限って使用予定なら「黒色」のハンカチを別に用意してもよいでしょう。

男性のハンカチの色

男性の場合は、黒色以外に「紺色」や「濃い紫色」などダークカラーのハンカチを使用しても問題ありません。また、落ち着いた寒色系もマナー違反にはなりません。しかし、ビジネスの場などでマナーを意識するのであれば、白か黒のハンカチを1枚持っていると安心です。

女性のハンカチの色

女性の場合は、白色や黒色以外に薄い水色などでもマナー違反にならないといわれています。ただし、「薄い黄色」や「薄いピンク色」など華やかな色は慶事を連想されるため、お葬式の場で使用するのはやめた方がよいでしょう。

2. ハンカチのデザイン

喪服の時のハンカチのデザイン

女性の場合、気になるのはハンカチのデザインです。特に「レース」や「柄」「刺繍」などが入っているデザインはお葬式の場で使用しても問題ないのか悩む方も少なくありません。基本的にお葬式で使用するハンカチは、無地が推奨されています。ただし、目立たないような控えめな刺繍やレースなどが入っているものも、マナー違反にはあたりません。

反対に、「花柄」や「目立つ刺繍」などが入ったデザインはお葬式の場には相応しくないため、使用するのはやめましょう。また、光沢のある「サテン素材」が使われているハンカチや「絹素材」のハンカチもお葬式の場には相応しくありません。

お葬式に向いているハンカチのデザイン控えめなレース
ワンポイントの刺繍
お葬式ではマナー違反となるハンカチのデザイン目立つ刺繍(ブランドロゴなど)
レースが目立つもの
全体的に柄がある(花柄、アニマル柄など)

素材別お葬式ハンカチの選び方

ハンカチの色やデザインはお分かりいただけたと思います。続いては、お葬式用ハンカチの素材に注目して解説していきます。長く使用したい方は自分にあった素材を考慮して選びましょう。

木綿素材のハンカチ

ハンカチの代表的な素材は、「木綿(コットン)」です。季節問わず使用することが可能なので定番から選ぶ場合は、素材に綿が使用されているハンカチを選びましょう。吸収性や肌触りが良く、汗や涙を拭き取ってくれます。

また、お葬式に持参するバッグは男女共に小さめのサイズが多いですが、木綿のハンカチは薄く嵩張らないため少ないスペースに入れて持ち歩くことができます。シワになりやすいため、お葬式に持参する場合はシワがないかなど確認しましょう。

麻素材のハンカチ

「麻素材」のハンカチは木綿と同様に吸収性に優れているため、夏の時期におすすめです。ただし、木綿と違い麻が使用されているハンカチは、シワになりやすいのが特徴です。使用する際はアイロンがけをきちんと行い、シワが目立たないように注意しましょう。

また、デザインによってはカジュアルな印象を受けるタイプもあります。無地や目立たないワンポイント程度のもので、白か黒色を選びたいですね。

ポリエステル素材のハンカチ

「ポリエステル素材」は手に入りやすいため人気のハンカチです。ポリエステルを含む合成繊維は、シワになりにくい点が特徴なので使用しやすいです。しかし、他の素材と比べると吸収性が低いため、たくさん涙を流したときや夏の暑い時期などはべたつくと感じることもあります。

NG素材はタオル素材や絹など

白や黒の無地柄であっても「タオルタイプ」のハンカチはカジュアルな印象を与えてしまいます。吸収性や肌触りが気に入って普段から愛用している方も多いかもしれませんが、お葬式ではタオル素材のハンカチは使用しない方が良いでしょう。

また、「絹素材」は上品ですが光沢があるため、やはりお葬式には不向きな素材です。

3, ハンカチの持ち方のマナー

お葬式では、ハンカチを持つときやしまうときにもマナーがあります。守りたいマナーを男女別にご紹介しますので、葬儀知識の1つとしてご確認ください。

男性のハンカチマナー

男性はお葬式の際にカバンを持たないことが多いです。そのため、ハンカチはスーツのズボンのポケットに入れておきましょう。胸ポケットなどは相応しくないので、注意してください。ポケットに入れるときはシワにならないように心掛けると、取り出したときにきれいです。

女性のハンカチマナー

女性は葬儀用の小さなバッグを持っていることが多いので、中に入れておきましょう。読経のときなどはスカートの上に置いておくと、涙が溢れてきてもバッグを開けなくても静かに拭うことができます。お葬式の際は化粧は控えめなことが多いですが、万が一ハンカチが汚れてしまった場合は、汚れた部分を内側に折りたたむなど工夫して使用しましょう。

喪服のときハンカチはどこで手に入れる?

喪服のときに使用するハンカチは、どこで手に入れることができるのでしょうか。急な訃報に慌てないためにも、1,2枚弔事用のハンカチを用意しておくと安心です。ここでは、フォーマル用のハンカチの入手場所についてご紹介します。

百貨店やショッピングモール

上質のハンカチを用意したいと考えている方におすすめなのが、百貨店です。ハンカチ売り場にさまざまなブランドのハンカチが並んでいるので、こだわりたい方にはおすすめです。また、フォーマル用品を取り扱っている売り場に並んでいることもあります。

たくさんの種類の中から選びたい方は、ショッピングモールがおすすめです。500円~2,000円の価格帯のハンカチが手に入りやすいです。冬から春先など、フォーマルウェアを扱う時期に特設会場が設置されると、併せてフォーマル用のハンカチも販売されていることが多くあります。 ショッピングモールなら、他の買い物のついで手に入れやすいでしょう。

紳士服専門店

男性は普段のスーツや喪服を揃える際に、紳士服専門店を利用する方も多いです。スーツを購入するついでに一緒に揃えておくと良いでしょう。数珠やネクタイなど、お葬式に必要なものも一度に購入できることが多いです。

コンビニ

「ハンカチを忘れた」「派手な柄だった」「汚れやしわが目立つ」といった場合、コンビニで白いハンカチを手に入れることもできます。気軽に立ち寄って入手できるため、急いで揃えたい場合などにおすすめですが、種類が少ないので素材などにこだわることはできません。コンビニには不祝儀袋も置いてあることが多く、併せて購入できるので便利です。

100均で販売していることも

「とにかく安く手に入れたい」という方は100均で買いそろえる方法もあります。安く手に入るので、数枚まとめて購入しておくと汚れたときなどに替えられるので便利です。ただし、無地のハンカチを取り扱っていない店舗もあるので、急いでいる場合は電話などであらかじめ在庫を確認しておきましょう。

お葬式ハンカチの保管方法

使用したハンカチをバッグに入れたままにすると、黄ばみの原因になります。特に白色のハンカチの場合は、汚れが落ちなくなると冠婚葬祭用として使用できなくなってしまいます。一度使用したバッグから取り出しすぐに洗濯をしましょう。

お葬式ハンカチは頻繁に使用するものではないため、保管方法には気を付けたいです。お葬式用のバッグに入れっぱなしにしたり、スーツのポケットに入ったままにしたりすると、知らない間に汚れていることもあります。洗濯済みの清潔なハンカチであっても、使用する前に汚れなどを確認するのがおすすめです。

まとめ

今回はお葬式のハンカチマナーについて解説しました。喪服と違い、目立つものではないためあまり気にしないという方もいるかもしれません。しかし、お葬式では黒を基調としたものを身に着けるというマナーがあるため、ハンカチのような小物類にも気を配り、ご遺族に失礼のないようにしたいものです。比較的安価で手に入るものなので、白や黒の無地ハンカチを自宅や会社などに用意しておくのがおすすめです。いざというときに慌てて探す手間がなくて済みますね。