こんにちは〜。3週間ぶりの「くま・かま」どー。
今月は、「こどもの日」にちなんで「遊び」特集です。子どもの頃にタイムスリップして楽しんでくださいねー。
遊び特集
「遊び」の呼び方
武島玄正(平良市出身))
「遊び」の呼びかけがあったので、覚えているものをいくつか書いてみます。
●「キーパギ」(竹馬) 直訳(木足)
適当な竹がなかったので、「サンガマツ」(小角材)で作った。足を乗せる ところや支えの部分は厚板で、釘で止めた。得意な人は足を乗せるところを高 くし、石垣に上がってその竹馬に乗り、うらやましがられた。
●「トゥミヤーガフィ」(かくれんぼ)
「もういいかい」の前に数える数の唱え方が、ター、ユー、ムー、ヤー、トゥ ー(2、4、6、8、10)である。
●「カビトゥズ」(凧)直訳(紙鳥)
「ミャークカビトゥズ」(宮古凧)は台形の底のほうを上にした形で骨が沢山 必要だし、上級生が作っていた。 私は骨の2本しかいらない「カープヤ」し か作ったことがない。でも、これが良く揚がるのだ。 骨は「サナ」(和傘) の骨を使った。長崎でもカープヤに似たものがあるようだが、横の骨を弓形に するのではなく、直にするらしい。作りも形も単純だがけっこう揚がるのです。 錘になる紙(しっぽのこと)の調整をうまくやるのがコツです。小学校の運動 場で子供が小さい頃から、「カープヤ」揚げを楽しんだが、孫が早く大きくな ってまた「カープヤ」をあげて楽しみたい。
●「バガ ンマ ヌ ファーサバ」(直訳 私のお母さんが食べさせれば) 「ジェンカ」という歌の踊りのように、前の子の肩や腰に手を置き、つながる。 先頭の子が「お母さん」役で、両手を広げ、じゃんけんで負けた「鬼」の役の 子からあとに続く「子供達」を守る遊びである。 「バガ ンマ ヌ ファーサバ ノーガ スゥディガラ ガウ゛ウ゛ァ ガウ゛ ウ゛ァ」(お母さんが わたしを 守ってくれなくて 鬼に食べられたらどう しよう。 おにが がぶりがぶり)と歌いました。子供達は捕まって鬼の役に なるのがいやだから真剣でした。
●「ブーサー」 (じゃんけん)
親指 人差し指 小指 を使ってやりました。これは男の子がやるもので、女 の子はあまりしなかったようです。
◆親指 対 人差し指 親指の勝ち
◆親指 対 小指 小指の勝ち
◆人差指 対 小指 人差指の勝ち
◆小指は普通、赤ちゃんですが、この場合 女性だったのではと思います。
やらびの頃の遊び
菜の花(伊良部町出身)
私が小さい頃は、バービーちゃんもリカちゃん人形も無かったので、女の子 の遊びは簡素な材料でありながら、熱き戦いを繰り広げる(?)遊びが多かっ た。中でも、人間の手の運動神経機能を最大限に使って遊んだのが石遊びであ る。ちょっとオーバーなと思う人はやってみれば分るので、遊びの方法をお教 えします。まずは石を5個使った遊びから。
「5個石」の遊びの方法 その1
1.ビー玉くらいの大きさの石を5個集め、石の角をコンクリートの壁にこす ったり、ハンマーで角を取ったりして丸くしたものを自分の持ち石として使う。
2.ジャンケンをして、勝ったほうから先にゲームをする。まず、5個の石こ ろをまとめて手のひらにのせ、一列に並ぶことを願いながらさーっと地面に落 とす。そのとき、石と石との間が離れすぎていると石を取るのに苦労する。石 の並び方で勝負が決まることもあるので注意する。
3.利き手側の指で石を1個つまみ上に放り、落ちてくる前に並べた石のうち から1個拾い、放った石が落ちてくるのを手のひらで受け止める。手のひらに 2個の石がうまく納まったら拾った石を脇に置く。
4.次々に同じ要領で石を放っては、1個掴み、落ちてくる石を受け止める。
5.全部取れたらまた5個の石をパラパラッと並べ、1個の石を上に放り落ち てくる間に2個の石を掴み落ちてくる石を受け止める。これを繰り返す。
6.次は一個の石を放り上げ落ちてくる間に3個掴み落ちてくる石を受け止め る。同じ要領で残りの石を掴みとっていく。
7.次は4個。このとき石と石との間が離れていたり、手のひらが小さいと大 変なのだ。放り上げた石が落ちてくる間にぱっ、ぱっ、ぱっと石を掴まないと、 放り上げた石がすぐ落下してしまい受け止めきれなくなる。これは、難易度が 高く、小さい手の人はたいていここで負けとなり悔しい思いを味わうのだ。石 が落ちた時点でゲームアウト。相手と交代となり、これを交互に繰り返して遊 ぶ。
「5個石」の遊び方 その2
使う石は同じ5個の石。遊び方としては、5個の石をまとめて利き手側の手 のひらにのせ、それをヒョイと手のひらを返して手背にのせる。それを一気に 放りながら手のひらで1個も落とさないで掴みとる。石が1個でも落ちたら交 代となる。掴んだ石の数を足していって多いほうが勝ちとなる。 この遊びをするとき、女の子たちは指を反らしてみたり、手をかざしてみた りと、どうやったら手のひらがうまく反り、一個でも多くの石が手背にのるの かと探求し続けて勝負に挑むのだ。勝負に熱が入ると遊びを中断して手の大き さを比べたり、反論する子もいたりして結構真剣勝負だった。
「石とり遊び」
石遊びはまだある。ビー玉くらいの石ころを一人当たり数十個拾ってきてそれ を山積みに置く。(私はスカートの裾を広げて石を集めたり、運んだりしてい たのでスカートの裾はいつもジャリジャリになってしまっていた)石の準備が できたらジャンケンで順番を決め、勝ったほうからゲームをすすめていく。
1、まず石ころを手前に寄せ片方の手指でつまんで放った石を反対側の手のひらで掴み取る。
いっこ(うまく掴んだら脇に置く)
いっこ、にこ( 〃 )
いっこ、にこ、、さーんこ( 〃 )
いっこ、にこ、さんこ、よーんこ( 〃 )
手のひらで掴み取る石はどんどん増えていくので石が掴みきれず落としたと ころで交代となる。これを石がなくなるまで繰り返して遊び、取った石の数が 多い方が勝ちとなる。自分の前に山積みになった石を見て勝った子は大満足の 笑みを浮かべるのだ。
いかがですか?たかが石ころ、されど石ころ。おもちゃのない島の子には石 ころも大切なおもちゃであった。島の石は石灰岩なので遊びを終える頃は手の ひらは真っ白になり、それもまた「誰の手が一番白いか」との美白比べに代わ っていく。たあいの無いことが楽しくて、夢中で遊べたあの頃を思い出すだけ でも、満たされた思いになっていく。子どもの頃の遊びは映像のない写真であ りながら、いつでも鮮やかに蘇ってくるシーンである。
遊び
π里生(下地町上地出身)
1.いゅつっす(つり)
つり竿は裏庭から1間(約180Cm)ばかーす(ぐらい)のてごろの竹、 つり糸は木綿糸の先に一尺(約30Cm)の てぃふい(いわゆるナイロン製 のつり糸)に針を縛って竿にぐるぐる巻いて準備OK。びどぅ(えさ)は釣り 場に行きながら海の石を びらかして(転がして)、その下にいる さず(小 えび)や小魚をこれも準備していった空き缶にいれて釣りをしました。場所は 干拓で埋め立てられてしまった いきゃばるの海(与那覇湾の一部)。釣れる 魚はたぶん「たまん(フエフキダイの仲間)」の子供だろうな、たくさん釣っ てきて骨ごと刺身にして食べました。
あるとき、その魚と同じあだ名をもつ隣のおじさんについておふくろに聞い たところ「やらびぱだに うりーちゃーな とりきぃしゅーたりばどぅ あん しあすやりうー(子どもの頃に、そればっかり捕ってきていたから あんなふ うに言われているさー)」と言われて、「あがんゃだいず(わー大変だ)」と それからは行かなくなった。
2.うたきのおにごっこ
鬼を一人決めて、遊ぶのは普通のおにごっこと同じだが違うのは隠れないで 木に登り、鬼から遠くにいる鬼も木に登り皆を捕まえる(タッチする)。捕ま えられないように枝から枝へ移っていくそのスリルがたまなく面白かった。も ちろん落ちる人はいなかったが、あんなたー(お母さんたち)が見たら目を丸 くしただろうな。
松谷初美(下地町出身)
「やらびぱだぬあすぷ(子どもの頃の遊び)」
小さい頃よくやった遊びは「ままごと」。これは記憶の中の一番古いところ にある場面だ。たぶん幼稚園にもまだ行かない頃のこと。みなか(庭)で、幼 馴染みとふたり、ゴザを敷いて遊んでいた。私はお母さん役、彼女は子どもの 役だ。私が持っていた とぅなか(卵)の殻を何かの拍子にグシャとつぶして しまい、ふたりで大笑をしている・・・。遠い昔のたったそれだけのシーンだ けど、今でも何かの折にフッと甦る。
「ままごと」は、大好きだったからよーくやった。家の周りに生えているト ゥナラ(アキノノゲシ)を使って野菜炒めのまねごとをしたり、赤花のしおれ たものを葉っぱで巻いて、巻き寿司にしたりした。包丁も本物のカミソリ(母 ちゃんが使っていた、柄の赤い使い古しのもの)だったよー。鍋も使い古しの 鍋だったし、その中に水と土を入れて味噌汁ーとやっていたさ。きな(しゃも じ)は、貝の半分を木の枝にはさんだもの、お箸は木の枝。大きな葉っぱをお 皿にして、アムアムアム。ジャーと流して捨てて、はい、ごちそうさま。こん なことを飽きもせず、よくやっていた。「ままごと」は小学校3年生くらいま でやっていた気がする。
それから、ガジュマルの葉っぱでもよく遊んだねー。葉っぱを重ねていって ぼうしにしたり、一枚の葉っぱは、さじにもなった。ままごとにも使ったけど、 ゆにく(麦焦がし)なんかをそれですくって食べたりした。
女の子らしい遊びでは、首飾りもよく作った。す玉(植物、和名は数珠玉) をたくさん取ってきて、針に糸を通し繋げる。す玉の中には髭のような芯があ って、それを針で つぁんきて(突付いて)玉を繋いでいった。40〜50センチ のができたら、首にかけ、スカートをひるがえしてお姉さん気どり。それから、 おしろい花の種をはじいて、白い粉をだして、顔に塗ったりー、透明の液がで る木の実(名前が思いだせんさー、緑色の小さい実なんだけど、誰か知ってい る人がいたら、おしえてください)でマニキュアの真似事もしたりした。やっ ぱり、みどぅんわどー(女の子だねー)。
とは言っても、おもいっきり跳ね回っても遊んださー。なかでも「ゴム飛び」。 あの黒くて長いゴム。パンツのゴムか?(それがない時は、輪ゴムを やまか さ(たっくさん)繋げてやったりもした。)最初は、まずくるぶしの高さから。 誰でも簡単に飛べるのに、なんでか掟のように始まりは必ずくるぶしと決まっ ていた。
そして、膝、腿の付け根、んーぶ(おへそ)、腰、脇(この脇にゴムを挟む ポーズを思い出すとなぜか笑いたくなる。決まりすぎているとのばーかね。)、 肩、耳、頭とつづいていく。頭の次は、片方の手の親指を頭につけ、ジャンケ ンのパーを作り、その上にゴムを乗せる。もうこれくらいの高さになると、足 だけで引っ掛けるのは難しく、手を使っても いいぎょう(良いとするルール) にしようねーとなった。そして、最後は、つま先立ちをして手を高くあげての 高さだ。あっがい、これは難しかったさー。 遊ぶ年齢もバラバラだから、背の高さもずいぶん違い、ゴムは斜めになって いることも多かった。だから、かならーず真ん中を飛ばないとだめだよ。決ま りさこれも。スカートのすそをパンツに っふぁして(挟んで)いざー! 「ゴム飛び」最高〜。
同じ遊びに かまりたら(飽きたら)、すぐ次の遊びを考え出す。あしだり (汗だく)になるのも、洋服が汚れるのも、少々のケガも のーまい かまー ん。(何もかまわない)。日が落ちるまで遊んでいた。夕暮れには、やらび( 子ども)たちの笑い声と どこからか ゆずぬかざ(夕飯の匂い)。まだまだ 遊びたいけど、この続きはまた明日。ずぅ やーんかい(さぁ家に帰ろう)。
子供の頃の遊びから
アモイ(平良市出身)
私の子供の頃の遊びと言えば色々な遊びがあったが、私が今でもやってみた いと思う遊びは「げっちょう」と言う遊びで、子供の頃遊んで以来、1度も目 にした事も聞いた事もない。50歳以上の人ならよく知っているかもしれない。 ちょっと記憶に曖昧な部分があるが思い出して書いてみる。遊びといっても点 数を争うゲームであった。「げっちょう」と呼んでいたのだが、日本語でどう いうかは知らない。
遊び前に準備するもの
1.長い丸棒(直径約2cm長さ30cm位)
2.短い丸棒「げっちょう」(直径約2センチ、長さ10cmで片側をへの字に 平らに削り削り込んだもの)
3.ホームベース(30センチ四方の線を地面に書いて、その中に前後向きに細 長い穴を掘る)
遊び方
野球で言えば、1がバットの役目。2がボールの役目に当たる。ゲームとし ては、ホームベースから「げっちょう」を飛ばした地点までの距離で点数を競 う遊びで、広い庭でやるか広場でやる。
遊び順序
(1)親に当たる人がホームベースの穴から「げっちょう」を前方に飛ばす。
(親以外の人は全員守備要員として、ホームベースの前方の好きな場所に立っ て構える)。守備要員が「げっちょう」をキャッチすると親はアウト。次の人 と交代。キャッチされない場合、親はバットをホームグランドの後ろの線の上 に置き、守備要員は「げっちょう」の落ちた地点からバット目掛けて「げっち ょう」を投げ、バットに命中するとアウト、外れると(2)の遊びに移る。
(2)「げっちょう」を手にもってバットで打つ、できるだけ遠くへ飛ばす。 (強いと「げっちょう」が風切る音をたてて飛んで行く。)守備要員は、前記 と同じ。アウトにならない時は(3)に移る守備要員はここで終わる。
(3)「げっちょう」のへの字の部分を地面に伏せて置くと頭の部分が蛇が、 かま首をもたげたような格好になり、頭の部分をバットで叩くと上に跳ねあが る。その跳ね上がった「げっちょう」を思い切り打って前に飛ばすが、上にあ げた後、空振りするとゲームオーバーとなる。バッドで打った回数によって点 数の数え方が違うので、羽付きのように出切るだけバットに当たる回数を稼い でから最後に思い切って打って遠くへ飛ばす。欲張って回数稼ぎをすると、し くじってその場に落としてしまう事もある。
点数の数え方(打った回数によって点数のカウントの仕方がかわる)
1回=「げっちょう」の落ちた地点からバットで何バットあったか1,2,3とカウント
2回=同じく何バットあったか2,4,6とカウント
3回=落ちた地点から「げっちょう」で何げっちょうあるか、1,2,3とカウント
4回=おなじく「げっちょう」で2,4,6とカウントする。
いつか、この「げっちょう」を再現できるときがあれば嬉しい。
編集後記
松谷初美(下地町出身)
あなたが子どもの頃やった「遊び」は、いでぃどぅ きすたー?(出てきま したかー?)。今回のライターは、全員40代以上です。おもちゃらしいもの はほとんどなく、自然の中で自分たちで工夫して遊んだことばかりです。しか し、これを豊かといわずしてなんていう?島崎藤村は「玩具は野にも畑にも」 と書いたそうです。
この「遊び」の特集をするにあたり、何人かの人と話をしましたが、いやー 話が尽きるということがなかったね。あんなのもあったさいが、こんなものも と、微に入り、細に入り。今思えばなんてことない遊びでも、あの頃はそりゃ 真剣そのもので、それを思うとまたおかしくて イヒーがアハーと笑いが止ま らなかった。今回書いてくれた方たちもたぶん書きながら、思い出し笑いや、 幸福感に包まれていたんじゃないかと思う。間違いない。(笑)
それにしても、いろいろなことをしてよく遊んだもんだ。子どもの一日の長 さは、大人の二倍はあるんじゃないかと思う。余りあるほどの時間のなかで無 心で夢中になった数々の「遊び」が今こうして思いだすとき、光輝くのだから 不思議だ。
子どものころは、こんな遊びができて幸せだなーとは特に思わなかったけれ ど、大人になったいま、あんな遊び方は子どもの頃にしかできない、かけがえ のないものだったと気付く。
今の子どもと昔の子どもと どっちが幸せかなんて簡単に比べられるもので はないけど、今の子どもたちが大人になったときに、自分の子ども時代の遊び を幸福感を持って、生き生きと話すことができますようにと願わずにはいられ ない。
さて、次回も「遊び」特集、続きます。またいろいろな「遊び」が出てきま すよー。ご期待くださいね。そして、まだ間に合います!あなたの投稿。なん でも結構です。短くても大丈夫。まちうんどー(待ってますよー)。
武島玄正さん、π里生さん、投稿 たんでぃがーたんでぃでした。
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次号は、5月20日(木)発行予定です。あつかー うぬときゃがみ がんず ーやし うらあちよー(それではその時まで、お元気で!)