正月気分マイ(も)抜けて来た頃ですが、皆さん、ノーシーリャー?「くまから・かまから」もおかげさまで vol.20となりました。これも応援してくださる皆様のおかげと感謝しています。
さぁ、今回もはりきってまいりましょ。
『今年は宮古がクル!のだ。流行るのだ。』
宮国優子
深夜番組で「アガイタンディガマ(あらら、大変だー)」とギャグを連発していたガレッジセール。彼らは沖縄本島出身でいまや売れっ子のお笑いスター。私(わたし)的に今年はきっとクル!人たち。その彼らが宮古ふつ(方言)で「アガイタンディガマ」と叫んでいた。むふふ。
沖縄でも結構マイナーな、宮古の方言が日本中を駆けめぐった。そうだ、そうだよ….宮古島だから出来ること、何かあるんではないか?小さな島のわりに人間は小さくまとまっていない…と言うかまとまれない。毎日、他人に強烈なインパクトを与えながら生きている。島を訪れると、そのアクの強さに一日一回は笑える。
その最高峰に位置するのがおじいおばあ。哲学ぶっちぎりの鉄学を持っている。ルールは自分。すべてを受け入れ、泣いて笑って踊りまくる。さまざまな功績を残し、各界へ優秀な人材を送り込んでいるシュタイナー教育があるが、それを見習い、宮古ではシュウター(おじいたち)教育はいかがでしょうか。たぶん宮古、いや日本の未来は明るい。
今年は妄想のように繰り返し考えている。宮古はクル!のだ。流行るのだ。その中身のおもしろさ、良ささえわかってくれれば(たぶん)。そのためには多くの人に知って貰わなければいかん。宮古のマルチメディア界はここ数年インフラ整備がめざましい。その波に乗って二十四時間ノンストップ宮古ニュース。定点で島民一人の生活を映し出す。それもあいうえお順で。一日一人。私は見てみたい。「生活こそが芸術だ」と、いにしえの芸術家達は言い残しているし。
他に見てみたいもの、欲しいもの。*ピィツキ゜(針突き)のアートブック。観光地の代わりに強烈なおじいおばあが載っているガイドブック。島民の百円貯金による一年に一度、宮古行き無料キャンペーン。数限りなくあるけれど、とにかく宮古はクル!のだ。流行るのだ!なんだか危ない勧誘のようだけど、みんな一人一人が宮古の営業マン。呪文のように唱えよう!宮古はクル!のだ。流行るのだ!
*手の甲に入れた入れ墨のこと。昔の風習で、未婚の少女達の将来を祈って家族が勧めたものと言われている。他にもいろいろな説があるが、現在は百歳前後のおばあ達の甲のみに残っている。(沖縄本島ではハジチと言う)
『宮古のことわざ』
〔 一夜ぬ 縁ぬどぅ 百年ぬ縁 染まいす 〕
ピィトゥユヌ インヌドゥ
ムムティヌイン スゥマイス
男女の一夜の契りが一生のものとなったり一夜酌み交した盃の縁が一生の盟友となったりする。そのために、一夜とはいえ、一時(いっとき)とはいえ、人との関わりは大事にしたい。
んきゃーんじゅく 佐渡山政子/編 より
『ミャークフツ講座 ぶーき゜編』
naicyar-shima
- キビの収穫 =(日本の標準語)
- キビ倒し =(宮古の標準語)
- ぶーぎなぎ =(宮古の方言)
- ぶーき゜= サトウキビ
- ぱり = 畑
- いざら = 鎌
- ゆき = 斧
- ぱー = サトウキビの葉
- すぅら = キビの先端(葉の青い部分)
- つかにずな = 綱
- にー = キビの根
- たばい = 束ねる
- くんぎる(かたみる)= 肩にのせて
- ぴとしら = キビを切り倒した一山
- つふい = 切り倒したキビの葉を落すこと
- ちょうき = 10時、3時のおやつ
<ぶーき゜なき゜講座>
まずは、すぅらうつから始めます(キビの先端を刈り取る)
(ナイチャーが手伝いに駆り出されて、「あんたも”そらをうって”」と言われて、ん?!?”空を撃つ?”???となった話を聞いた事があるような、ないような・・・)
次にキビを根っこからゆき(斧)で切り倒す。それを何十本かずつぴとしら(ひとやま)にして、だいたい5?6しら位出来たら、今度は、先が二股になってるいざら(鎌)でキビの葉を落とす(ちょうどキビがはさめるように二股になっている)それが”つふい”ですね。
方言ではこう言います 「ばが、ながっちゃー うわーつふい」
(オイラが切り倒すからよー 君、葉を落としてくれる?)
だいたい20?30本位で一束にして、つかにずな(綱)で、にーとすぅら(根っこと先端を)を縛る。それが全部できたらトラックに積みやすいように、くんぎて(肩にかついで)一ヶ所に集積する。一束12?3kgくらいあったんじゃないかな?。トラックが来たら全員で積み込んで終了(昔はほとんど人力だけ。あんな重いキビを・・・)
ちなみに、今の話は1970年代位までで(たぶん)、今は、ほとんど機械で収穫できるようになって「大分楽になっているよ?」と、うちのおとうが言ってました。
『お便りコーナー』
イラウピンザさんより
明けましておめでとう御座います。早々にマガジンを送信していただき、楽しく読ませていただきました。今年も元気で楽しい情報を届けてください。30数年前の正月風景を懐かしく思い出しながら読みました。
今では、宮古でもマイホームだけで正月を祝うようになり、親族や地域の結びつきが毎年薄れてしまっていくのが、淋しくてなりません。そのうち「年始回り」という言葉が死語になるのではないかと案じています。
キビ出しも機械化されて、ユイ(ユイマール)も少なくなりつつあるようです。宮古の素晴らしい慣習が次々と消えうせるのは、耐えられません。せめて「くまから・かまから」の皆さんの力で、宮古のよき伝統を守ってあげてください。御健闘をお祈りします。
※イラウピンザさん、お便り、たんでぃがーたんでぃ。これからも、宮古の古い風習など取りあげていきます。今年もよろしくお願いしますね。
『編集後記』
Hatsumi.M
ブーキ゜ナキ゜もいよいよ本格的にパズマズガマタヤー(始まりますね)地球温暖化のせいか、宮古も年々暖かくなってきているようです。
私がヤラビ(子供)の頃のブーキ゜ナキ゜と言えば、雨が降ってピシーピシ(とても寒く)だったさー。アシバ(だから)ブーキ゜のスゥラ(葉の方)を束ねたものをいくつか立てかけて、そこをカタカ(風よけ)にして、ブーキ゜をかじってものです。今年も豊作となりますように。
さー、今年は、宮古がクル!ぞーー。ということで、一日一回は、みゃーくふつをしゃべってみよう!私のきょうの一語「あば?」(あれ?)
次号は、2月7日(木)の予定です。お楽しみに。