こんにちは〜。
宮古に台風9号が向かっていますね。どうぞ、みなさん、お気をつけくださいね。被害がでませんように!
vol.249お届けで〜す。
地デジ VS がーずーんまり(頑固者)
Motoca(平良・下里出身)
7月24日、テレビ放送と ばかなりた(別れた)。
そう、我が家では現在、テレビが みーらいん(見られない)。いろいろ悩みはしたが、結局何もしないままアナログ放送の終了日を迎えてしまった。まだまだちゃんと使えるはずのテレビは、ただの箱になった。
デジタル化対応を見送った一番大きな理由は、何だか強制されるような感覚が嫌だったから。だいず、この件に関しては怒っています。
視聴者や放送局(特に地方局やケーブルテレビ局)に負担をかけて、一体、とうがたみん、のうがたみん(誰のための、何のための)デジタル化なのか? 納得のいく答えに出会えない。
いつかは全世界の放送がデジタル化される。そこまで んば(No!)だというつもりはない。でも、うぬすく あわてて しーだかならんむぬな(そんなに急いでしないといけないものなのか)? デジタル波送出開始からアナログ停波までの期間が、一番長い都市圏だって5年に満たない。沖縄の先島地方なんか2年もない。いくらなんでも急ぎすぎだ。
がーずーんまり(頑固者)の私はとうてい、素直に従う気になれず、しばらくテレビなしの生活を選んだ。
「放送」というメディアの一番の特徴は速報性。「いま・すぐ」の情報が手に入れられることだ。でも、それでもいい。急がなければ、いいだけのこと。情報を遅れて受け取ることには慣れているはずなのだ。なにせ私が子どもの頃はほぼ、宮古には民放が来る前の時代。NHK以外は宮古テレビで数週間遅れの番組を見るのが常だった(詳しくは初美さんがVol.224でお書きになった「あの頃の宮古テレビ(1)」で!)。
夏休みに、子ども番組は七夕の話。正月気分もすっかり抜けきった頃、音楽番組はクリスマスソング。そんな風だったけど、特に、腹が立ったり困ったりすることはなかった。それに、ここ数年はニュース以外ほとんど見なくなっていた。だから、テレビがなくてもたいして問題はないはずだ、と思っていた。
でも。アナログ放送が終了したその日の夜遅く、小さな揺れを感じて目を覚ました(都内は震度2)。これまでならすぐにテレビをつけていた。スイッチを入れてさえおけば、どんな時間帯でもすぐに地震の情報を見聞きできた。このあたりの震度はどのぐらいか、震源はどこか。こちらの身に迫る危険はないだろうか。
いまはそれがない。ラジオのスイッチを入れてみたが、日曜深夜〜月曜早朝の時間帯は放送を休止している局がほとんどで、放送中の局からも、地震情報らしいものが流れる様子はなかった。
テレビがないことで早速こんなに困るとは。そうだった。まだ余震は収束していない。テレビは、災害時の情報を真っ先に伝えてくれるメディアだった。「いま・すぐ」の情報を目と耳でわかりやすく知ることのできる手段だった。もし、今住んでいるところのあたりにもっと大きな揺れが来たら、何で情報を得ればいい・・・?
それから約一週間後の真夜中。また余震が来た。今度はもっと大きく揺れた。あがい、んびゃーいん! すぐに情報を手に入れられないというのは、とにかく心細くて、怖い。たまらなくなって、その日の昼には家電店へ向かった。
のうがらん うすかされ うーん だかり・・・
(何かに急かされるように)
下地勇さんの「捨てぃうかでぃな」の歌詞が頭の中を巡る。がまらすむぬ(悔しい)。納得できない世の中の流れに、あっさりと流されるようで。使えるテレビを捨てて、新しいテレビを買うのも本意じゃない。もう少し気持ちの整理をつけてから、自分の気に入る機種をゆっくりと探したかった。
けれどもう、買うことにした。しかしさすがに時期柄、テレビは品薄。手頃なサイズで欲しい機能がついているものはまず売り切れ、製造も追いついていないらしい。
でも、これから何年もつきあう家電。今すぐ手に入れられるからといって、妥協だらけのものは選びたくない。やっぱりそこで思いとどまってしまって、結果、選んだ機種は「納期が9月中旬になります」 っつぁ(だってさ)!
あがいー、ばやー きゅうや、のーがたみん 電気屋ぁ がみ 行き゜うたーがら(あぁ、私は今日、なんのために家電店まで行ったのか)。
がーずーんまり(頑固者) は、やっぱり損かなぁ。とほほ。
うちの車にナビがない理由
松谷初美(下地・高千穂出身)
うちの車には、ナビがない。目的地までを案内にしてくれるナビゲーション。いまどきは車を買うとつけるのが普通らしいが、うちの車には一度も搭載されたことがない。
昨年、車を買い換えたときも、夫は「ナビつけようよ」と話していたが「えー、いらないよ」と私。
得意分野のない私であるが、方向感覚は、ぴっちゃ(少々)自慢できるかなーと思っている。ただし、てぃだ(太陽)がでているときに限る。だけどね。(そんなの誰でもわかる!?)
いやいや、都会育ちの友人など、てぃだがでていても、どこが あがず(東)で いす゜(西)か分からないってよ。それもひとりやふたりじゃないのだ。ゆえに、東京の友人たちの間で私は方向感覚が優れていると思われている。コホン。
宮古では、方角でものを言うことが多い。あの店は道から にす(北)にあるとか、ぱい(南)とか。風が んざ(どこ)から吹いているなんていうのは普通の会話だ。
やっぱり私は、みやこひと〜。せっかく自分自身で方角を知ることができるのにこれを使わずして機械に頼るなんて宮古の血が泣くではないか!?
しかし失敗も多い。以前、昼間、神奈川にひとりででかけた時のこと。初めての場所だったが、行きはすんなり行けた。(てぃだが出ていたからね)帰りは夜になった。来たときと同じ道路を走っていたつもりだったが、気がついたら高速道路に乗っていてびっくり。あわてて下りたが、どこだかさっぱり分からない。標識を頼りになんとか知っている道に出て2時間オーバーで やー(家)に帰ってきた。ふぅー。
夫は、この話を聞いて、ほらやっぱりナビをつけておけば、こんなことにならなかったのに。と言う。
この間、免許を取って一年の息子が都心に行くという。初めての場所だ。親としては、しわ(心配)。夜中に帰ってきた息子。「目的の場所がぜんぜん見つからなくてさー、皇居の周りを三周しっちゃったよ。行きは3時間。帰りは1時間。ありえねー」
でも息子もナビを入れたほうがいいんじゃない?とは言わない。さすがだ。間違えるのもいい経験。それによって方向感覚にも磨きがかかるというものだ。君にも宮古の血がながれている。やすやすとナビにいくんじゃないよ。
というわけで、我家の車にはナビがないのである。
にこねこ物語
アモイ(平良・宮原出身)
8月になりました。宮古島の夏は本番を迎えていて、日差しが強く暑い日が続いている。雨も少なく、むずふす(農作物)の生育状況が心配ですが、不思議なもので雑草は我が物顔で伸び放題だ。
我が家の裏山の下草も蒼々と茂っている。そんな裏山をきれいにしながら下草を緑肥にしようと思い、鎌で下草刈りを始めた。子供の頃に馴らした草刈技で軽快に刈り始めてしばらくすると、鎌がちょっと何かに当った。良く見ると草陰の下に黒白の物体が、なんと4匹の子猫が横たわっていた。まだ目が開いてないので生まれて間もないようだ。
幸いにも鎌の刃先が折れていたので、突き刺さらずに打撲傷くらいで済んだようで、命に別状はなかったようだ。二匹は黒一色、あとの二匹は白黒の毛色が半々、ちっちゃくてその可愛さにしばしみとれていた。動物は目が開いた時一番最初に見たものを親と思う習性がある?と聞いたような気がして目が開いたときに立ち会おうかな?なんて思いながら子猫が陽に晒されないように、木の葉で覆って草刈りを続けた。
そのあと子猫の事が気になっていたが、見に行ったのは2日後だった。しかしそこに子猫の姿はなかった。危険を察知した母猫が連れていったんだなー、と思いながら、ちょっと淋しい気持ちになったものだ。
裏山の下草はまだ3分の2以上も残っている。下草を緑肥をとして集めるには手刈りの方がロスが少なく量が確保できるが、面積的には、てーしや まーだ、まいやみーだな、こーかーば(手刈ではなかなかはかどらないし、きついので)そこで草刈機で刈りる事にした。
「きかいんな かなーんやー」(機械にはかなわんなー)と独り言をいいながら、アクセル全開で突き進んでいく、直径20mm位の木でも難なく切り倒していくものだ。そして、サニンバーの かたまりゅー とかのー(月桃の茂みを)切り開いたあと、なんか異変を感じた。
下を見ると、なんとそこには見覚えのある光景が、あの4匹の子猫が横たわっていた。危なかったなー、もう少しで切り刻むところだった。ほっとしていると、近くで母猫が鳴いている。ここへ引っ越したのか、元の場所から4m位しか離れていなかった。
作業を中断してちょっと離れた木陰で様子をみていると、黒毛の母猫が現れ、一匹を口にくわえて、木の茂みの方へ入っていった。安全な引越し先を探して置いてくるに違いない、5分位して戻ってきた。引越し先は少し遠いところらしい。もう一匹を口に加えて、連れていったので、その様子をカメラに収めようと思い、カメラを取りにいった。戻ると、最後の一匹が残っていた。子猫の写真も収めようと思い、母猫が来ないうちにと、子猫の顔が見えるように向きを変えると、「うわー、やっぱりか」背中から腹の方に切り傷があり、子猫はびくりともぜず死んでいた。すんだらーさやー。(かわいそうだなー)
近くの畑で農作業をしていた友人が、飲み物を持って話しにきたので、「まゆのど っふぁーなし うーばよー」(猫が子供を産んであるよ)「あんちーなー」(あ、そう)と猫にはあまり興味なさそうなので、日陰で涼を取りながら一方的にしゃべる友人の話を聞きつつ、目は猫の様子を追っていた。
戻ってきた母猫は話し声のする我々の方を警戒しながら、肩をすくめるような格好で子猫の方に近づき、死んでいる子猫も同じように口にくわえると、足早に茂みの中へと消えていった。シャッターチャンスは逃がしてしまった。
引っ越した子猫はどうしているのかな、3匹は元気なのかな、とちょっと気にかかるところです。前から父猫らしい白毛の猫が時々尋ねてきて、母猫を追っかけていた。別の黒毛の猫も現れてなにやら3角関係の様相ではあったが、子猫の毛色から父親と思われるのは白猫のようだ。
子猫の二度目の引越しから数日後、父親らしい白猫が、東方の芭蕉の木陰の畑で寝そべっている。部屋から見えるその場所は風もあり涼しいところで涼を取るには一等地だ。その寝そべっている様子をみながら、のどかな風景だなー、俳人ならここで一句詠むだろうなー。画家ならスケッチするだろう。と感じていた。
俺は何が?と思いながら、そうか、これだ!と思いつき、二胡を取り出して、猫の鳴き声のように「♪ニャーン」と奏でてみた。すると、寝ていた猫の頭がニョキッと持ち上がり、もう一度奏でると起き上がった。こちらを見ている。もう一度奏でると2〜3歩動いた。「ニャーン ニャーンニャーン」連続で弾いていると、だんだんこちらに近づいてくる。塀の3m位のところまで近づいてきて、相手の猫がどこにいるのか捜しながら不思議がっている。どうやら完全に二胡の音を猫の鳴き声と思ってるらしい。
それじゃ1曲聞かせてやろう、猫用の曲ではないが、「賽馬」(競馬)というテンポの早い中国の曲で、今練習中の曲を聴かせてあげた。弾き終わって、今日のライブの観客は一匹、反応はどうかな?と外の白猫をみようと、猫の方に目線をうつしたとたん、おごえ(びっくり)例の母猫が、塀の内側の開いたアルミ戸の下まで来ていて見上げながら覗いていた。
目と目があって、俺もびっくりしたが、向こうも目を大きく開けて驚いていた。鳴いているのが猫じゃないのにびっくりしたようで、慌てて塀の外に逃げ出していった。逃げていく母猫に気づいた白猫もすごい勢いで追いかけて山の中へと消えていった。二胡の音はどの猫にも猫の鳴き声と区別がつかないんだと確信できた。
母猫には二胡を弾いてる現場を目の前で目撃されているので、気付かれてしまった。しかし二胡の音に誘われてきた白猫は、二胡の音は母猫の鳴き声だと、未だに思い込んでいるに違いない。
そういえば、宮古島に二胡を置いてる楽器屋が一軒ありますが、そこに行って、私が二胡を弾くと、そこの愛犬が、ウーン、ウーンと鳴くのを思い出しました。なので私がその店に行くと奥さんが愛犬をつれてきて二胡を弾かせたがります。そして、閃きました。私は現在定職がないので、猫や犬をはじめとして、他のペットや動物や植物の癒しとして二胡弾きを職業にできたらいいかも、のーしーがらやー?(どうでしょうか)希望者があれば出張演奏しましょう。とある人に話したら、「二胡屋か?にこやかでいいね。」
編集後記
松谷初美(下地・高千穂出身)
先月29日、新宿伊勢丹で行なわれた「めんそ〜れ大沖縄展」のオリオンビアフェストに行ってきました。SAKISHIMA meetingのお二人、新良幸人さん、下地勇さんと砂川恵理歌さんが出演。会場は、やまかさ(たくさん)の観客であふれ、熱気むんむんでした。お三人さんの人気の高さが伺えますしたよ。会場では、オリオンビールはもちろんのこと沖縄料理(そばやゴーヤーチャンプルーやジューシーなど)の出店もあって、こちらも大賑わいでした。
伊勢丹6階では、沖縄の物産が所せましと並べられ沖縄の市場のよう。「楽園の果実」のコーナーでは、砂川智子さんもいらしていて、たくさんのスイーツをその場で作って出していました。菊の露のコーナーもいろいろ充実していました。宮古木工芸の与儀栄功さんもいらしてましたね。(物産展常連です)沖縄の中でもやはり、宮古のものを目にすると、ぷからすーと(うれしく)なりますね。
それから、31日に、関東宮古郷友会連合会の総会があって、11月5日、6日に宮古で行なわれる「生まり島・ミャーク大会」の話がありました。下地敏彦市長が大会長を務め、とても だいばん(大きな)会らしいです。みんなでそれに向けて帰ろうと盛り上がりました。宮古を離れて長いこと経つ方など、これを機会に帰ってみるのもいいかもしれませんね。私も んなま(今から)計画しています。詳細が分かったらおしらせしましょうね。
さて、今回の ぱなすっさ(話は)、のーしが やたーがらやー?
地デジ放送、始まりましたね。デジタルかアナログかという選択ではなく、もうデジタルしかやりません。ということですものね。昨日まで見ていたものがただの箱になるなんて。Motocaさんの気持ち分かりますデス。まだ替えてないとか、入荷待ちとか。結構いるかもしれませんね。
ナビがないのを自慢するのもどうかと思うけれど、宮古出身の人は、結構つけないんじゃないかぁと。あらんびゃー(違うかな)?あ、なんか、Motocaさんの話とリンクするものがあるような?(笑)はい、私も、がーずーです。
アモイさんは、宮古で二胡の演奏ライブなどもされて大活躍です。その二胡の音色が猫も聞き違えるほどに、猫の声にそっくりとは!人間よりも猫のほうがびっくりしたようで・・・その様子には笑ってしまいました。にこやか二胡屋上等はず〜。ご用命の方はぜひご連絡を!
今回の感想もぜひお寄せくださいね〜。
今回も、しまいがみ ゆみふぃーさまい、すでぃがふ〜!
もうすぐ すとがつ(お盆)ですね。それに合わせて宮古に帰ります。菜の花も帰省しますよ〜。15日(月)には、オフ会を予定していますので、宮古にいる方ぜひご参加くださいね。メール(感想のあて先と同じ)いただけるとうれしいです。
次回は、8月18日(木)発行予定です。どうぞお楽しみに!
きゅうまい かぎぴかず(よき日)でありますように〜。あつかー、またいら!