こんにちは〜。
暑い日々が続きますが、がんづぅかりうらまずなー?vol.412 お届けです。
ぬかーぬか ゆみふぃーさまち〜。(ごゆっくりお読みください)
第25回鳴りとぅゆんみゃ〜く方言大会
松谷初美(下地・高千穂出身)
くとぅすまい(今年も)方言大会の季節がやってきた。一般社団法人宮古島市文化協会主催の「第25回鳴りとぅゆんみゃ〜く方言大会」。台風7号が接近し、開催が しわ(心配)だったが、予定通り6月30日(土)にマティダ市民劇場で開催した。
今年は、25回大会ということで、マティダ市民劇場ではこれまでの写真や大会冊子、新聞記事などの展示も行った。
平成6年に第1回が開催されているが、当時は「方言弁論大会」という名前でアバビルで開催。うぬあとぅ(その後)「宮古方言弁論大会」になり、第5回大会から現在の名称になっている。
マティダ市民劇場でやにるようになったのは第3回大会から。人気が出て、チケットは発売日初日に完売するように。今年も各地域(平良、上野、城辺、下地、伊良部)で一斉販売をしたが、早いところで5分、遅くても1時間以内で完売をした。
この人気を思うたびに、宮古の人にとって方言で話を聞くというのはどういう意味があるのだろうと考える。その時、思うのが、下地イサムさんの方言の歌を初めて聞いた時のことだ。飾ることない方言に心がふるえ、共感し、体が心が浄化されていくのをすごく感じた。(カタルシスというものらしい)。方言を聞くことでカタルシスを得る。まさに方言大会は、そういう作用を持っているのではないかと思う。
今年は40代から80代の方が出場し、いろいろな話をした。市長賞(最高賞)には「キビこそ我が命」と題して発表をした伊良部仲地出身の下地政吉さんが選ばれた。教育長賞(優秀賞)に天久富雄さん(城辺上区出身)、文化協会長賞(優良賞)に野原康男さん(平良西原出身)、審査員特別賞に砂川ジュディ(順子)さん(フィリピン出身)、奨励賞に瑞慶覧学さん(城辺福嶺出身)、根間直樹さん(城辺吉野出身)、照屋健市さん(多良間塩川出身)、狩俣榮吉さん(平良下崎出身)が選ばれた。
審査の合間には、宮古高校ダンス部がイサムさんの歌「ワイドー」に合わせてのダンスなど。平良裕明民謡研究所の皆さんは、クイチャー等。昨年「第1回U18島唄者コンテスト」で最優秀賞を受賞した村田かおりさんは「とーがにあやぐ」を披露した。
大会の様子は、旧盆に宮古テレビで放送される。DVDでも販売されますので、興味のある方はぜひ、ご覧ください。
お問合わせ:(一社)宮古島市文化協会 電話:0980-76-6708
◇あの話をもう一度
なー坊(上野村出身)
「ミャークフツ講座 オトーリ口上編」vol.54 2003/6/19
[すらぶうつ(棟上)で]
きゅうや、ばんたが あぐ ぬ 神童ぬ やーぬ すらぶうつ んかい まいばら っしばら あがにゃー いずにゃーぬ おじさん、おばさんたぁがまーつき よーずやしー うらまいてぃ まーんてぃ ぷからすぬむ きゅうや 神童ぬ くぬ かぎやーぬ やーんまり やーば やまかさ よーす゜ゆすうやー あつかー ばんから うとぅーす゜ゆ まーさっとう
(きょうは、私達の友人、神童の家の棟上に、前の家、後ろの家、東の家、西の家のおじさん、おばさんたちが一緒になってお祝いをして、大変うれしいです。きょうは神童の家が生まれる日だから、たくさんお祝いをしましょう。では、私から オトーリを回します)
[入学よーず(祝い)で]
きゅうや ひろ坊ぬ長男 昭ぬ 入学よーす゜ てぃ んーなしぃ またうぷよーす゜や しぅてぃ 昭が あぐぬぱな どぅすぬぱな てぃ 勉強んかいまい スポーツんかいまい さーてぃ がんばずよーん よーす゜ゆ すぅーらー
(きょうは、ひろ坊の長男、昭の入学祝いということなので、また皆で大きなお祝いをして、昭が 同級生の花、友達の花として勉強にもスポーツにも一生懸命頑張るように お祝いをしましょう)
[ささぎ よーす゜(結婚披露宴)にて]
きゅうや コウちゃんとぅ ミキちゃんが ささぎよーす゜やーば んーなしー ふたーずが よーす゜やしー さーてぃ また っふぉうまい なしーよーす゜ゆちゃーんぬ きないやしー うずよーん にがいうてぃ ばんから バフてぃ 地域搬入 うとぅーず ゆ まっさっちぃば
(きょうは、コウちゃんとミキちゃんの結婚式なので みなさんで 二人を祝いをしましょう。早く子どもも産み、お祝いの多い家庭でありますように願って、私から、勢いよくオトーリを回します。<地域搬入とは、テーブル近くの人 5〜6人で回すこと>)
[ゆさらぶず よーず(夜の祝い)にて]
きゅうや ばんたが あぐぬ 神童とぅどぅ とぅびゃーい にゃーんすぅが あんしゅうきゃー あぐぬきゃぬ やまかさ あつまりうーさー ゆさらび よーずゆ でぃかさやー コップぬ うわーびやー 上野線、コップぬすたーらー 下地線、それ以上 いじつかー 池間線。ばが き゜むぁー コップぬ すくんどぅ あーば んーな ぬまだかー ばが き゜もー つうじんどー はい うとぅずぅ まーさっとう
(きょうは、私達の同級生の神童と道でばったり会ったんだ そうこうしているうちに(他の)同級生たちもたくさん集まってきたから 夜のお祝いを盛大にしよう。コップの上まで入れたら上野線。下の方は下地線。それ以上入れたら池間線(いけません)。私の気持ちはコップの底にあるから、全部飲まないと私の気持ちは通じませんよ。では、オトーリを回します)
最近は、無理にオトーリを飲ませるというのは、少なくなった。少ししか飲めない人は、「とう(そこまで)」てぃ あっじよー(と言ってね)。また、「連帯」というのもあって飲めない人の為に他の人が連帯責任をとって飲んでくれる制度(?)もある。オトーリは楽しく飲みましょう。
ふふぁよなかの、ぴるますぱなす(暗い夜中の、不思議な話)
Motoca(平良・下里出身)
暑〜い夏がきましたので、ぴっちゃがま、すだーふなる ぱなす(ちょっと、涼しくなるお話)でもしましょうか。
ばんたが んま(うちの祖母)のこと。娘が生まれる少し前に亡くなり、娘と会わせることが叶わなかったことは、以前のくま・かまに書いたとおり(vol. 374 https://miyakojima.jp/kumakara-kamakara/vol-374/)。
でも実は一度だけ、祖母が またんまが(ひ孫)に会いに来てくれたぱず(はず)、と感じたできごとがあった。
3年前、娘が生まれたあとの1年近くは、夜中も頻繁に授乳のために起きていた。寝かしつけたあとも私はすぐに眠れず、にゅうにゅう(うとうと)している間に次の授乳の時間が来てしまったりすることも多かった。おかげでこのころは、金縛りにもよく遭っていた。まぁそんな生活をしていたころだ。娘が んにゃだ 4ヶ月ばかーす゜(まだ4ヶ月ぐらいの)赤子だったときだと思う。
そのときは珍しく、赤子を寝かせてすぐに私も寝落ちした。次に赤子のぐずる声に気づいたとき、何か夢をみていた気がした。あぁ、その夢のなかに、祖母がいたような・・・。
授乳しながら、夢の内容を一生懸命思い出そうとした。どうにかぼんやり思い出したのは、ふふぁーふふぁぬ(暗い)部屋のなかで、私が二人掛け用のソファの、左側に座って赤子を抱いていたこと。そして、うぬ とぅなす゜ん うた ふふぉーっふぉぬ かぎ ぬどぅ(その隣にいた黒い影が)、祖母だったと思う。ばが とぅなずん びじうた(私の隣に座っていた)祖母は、背中を少しまるめて、赤子をのぞき込んでいるようだった。思い出せたのは、それだけ。言葉を交わした覚えも、その状況に何かを感じた記憶もない。
ようやく寝ついた赤子を布団におろしたときに、目の前がふっと暗くなったのを感じた。夜中なのでもともと薄暗いのだが、さっきまで目の前に四角い影が見えていたのだ。廊下の途中にある扉の影だ。玄関の照明がついているときに、光がその扉のガラスを通って見える形だ。それが消えた。ということは、つい今し方まで玄関の明かりがついていたということ?
夢の内容を思い出そうと必死だった私は、消えてからようやくおかしいと気づいた。我が家の玄関照明は、感熱式センサーで、人が近づくと点灯する。そして1分ばかーす゜(1分ほど)で自動的に消える。あとから調べたら、空気の流れやちょっとした温度差で、センサーが誤検知することがあるらしい。けれど我が家の玄関照明についていえば、誤作動らしき状態になったのは、後にも先にもこのときだけである。
寝室から這い出て、廊下と玄関の方を見てみた(我ながら勇気あるぅ!)でもそこはただただ、ふふぁやん(暗闇)。だれかがいるような気配は、のーまいにゃーっだん(まったくなかった)。
そのときはただ、うとぅるす(怖っ!)と思ったが、あとから、祖母が赤子を見に来てくれたのではないかと考えるようになった。だって、タイミングが完璧すぎる。今もときどき、あの夢の中の祖母の かーぎ(姿)を思い出す。みぱな(顔)がよく見えなかったのが残念である。どんな表情をしていたのだろう・・・。
まぁそんな、ぴっちゃがま ぴるます ぱなす(ちょっと不思議なお話)。やー?(ねぇ?)すだーすふ(すずしく)なったでしょ? えっ、ぬふーぬふとなった(ほっこりした)? あば?
編集後記
松谷初美(下地・高千穂出身)
マンゴーの季節がやってきました。スーパーでも見かけますね。昨日はJAに家庭用のものが販売されていました。今年は例年より数は いきゃらの(少ない)ようですが、甘味はあるということですよ〜。
梅雨の頃はあまり降らなかった雨ですが、昨日もたくさん降りました。キビは青々として、うれしそうです。
さて、今回のくま・かまぁ のーしがやたーがらやー?
方言大会、今年も無事に終わり、うむやすーうむやす(思いやすかる)です。大会のようすが宮古毎日新聞、宮古新報にも掲載されましたので、ご覧くださいね。
あの話をもう一度は、懐かしの なー坊のオトーリ口上編をお届けしました。オトーリは簡単に説明をすると、その場にいる人たちでお酒の回し飲みをするのですが、その際、親になる人が口上を述べます。この口上がなんとも味わい深い。方言の妙が味わえますね。
Motocaさんのお話、ぴるます ぱなすやー(不思議な話)ですね〜。そいうことってあるんですね。でも、ぬふ〜ぬふの(温かい)気持ちになりました。おばあちゃんの気持ち、Motocaさんの気持ちが通じあって、きっと会うことが出来たんだはずね〜。
今回まい しまいがみ ゆみふぃーさまい たんでぃがーたんでぃ〜〜。
次号は、7月19日(木)発行予定です。
きゅうまい かぎぴかず(良い日)でありますように!
あつかー、またいら〜。