こんにちは〜。寒暖の差が激しいこの頃ですが、
がんづぅかりうらまずなー(お元気ですかー)?
vol.427お届けです!お楽しみください〜。
宮古を歩きたい
キムキム(平良・西里出身)
都会に住んでいると、少し歩けばバス停や駅があって、たいして待たずに乗り込み、移動できる環境が、とても便利である。地方に行くと、市内でも1時間に2、3本のバスや電車しか走っていなかったり、田舎となれば、歩いて十数分かかるバス停に1日数本しかバスが止まらなかったりする。
私が住んでいる町は、バスは1時間に3本程度、最寄駅に出るのに、バスの時間に合わせバスに乗り20分はかかる。それでも、東京へは1時間ほどで、羽田までは、1時間半ぐらいで行ける距離だ。
小さい頃、母の実家を訪ねるときは、叔父がキビ倒し用の軽トラで案内してくれたものだが、中学生の頃、叔父の亡き後、バスで行くことがあった。遠く「ほこり」が舞うバス通りは、長い道のりだと感じた。なにより「いつ降りたら良いか」ばかりが気になり、景色を楽しむ余裕すらなかった。
バス停からは、30分ほど歩く。バスも信号もない田舎道が続く。やっとの思いでたどり着いた時、「つんだらーさや。とーまい、んかいがぴらったんな〜(かわいそうに、誰も迎えに行ってくれなかったのか?)」とおばぁは気の毒そうに迎えた。
20数年ぶりに、あの頃の「バス通り」を歩いて、おばぁの家に行ってみた。近い。「こんなに近くに、おばぁは住んでいたのか」と思うほど近かった。大きく変わってしまった通りを、ゆっくり見ながら、30分も歩かずに着いた。(宮古でこんなに歩くのは初めてだ)
宮古でも、生活するには「車」が不可欠。おばぁも、病院や役場に行くには「くるまぬ、にゃだーかーいかいん(車がなければ行くことができない)」と嘆いていた。「くすぬぅやみ、ならん(腰が痛くて辛い)」と言っていた叔父も「車」の運転はこなせていた。
私が、車の免許を取ったのは、40歳になる頃で、子供達の送り迎えや週末の買い物に、時間に追われる毎日が「車なし」では過ごせなくなったから。その時は行動範囲も広がり、アクセルを踏むだけで、すぐに目的地に行ける気楽さと仕事で迎えの時間が遅くなった時は、帰りの車中で、おにぎりにかぶりつきながら子供達と1日の出来事を話すのも楽しみで、この便利さは手放せないと「車社会」を絶賛したものだ。
同級生の中には「親の介護中」が多く、仕事の昼休みに帰宅し親に食事をさせ、仕事に戻り、帰りは買い物をすませ、孫の迎えと「車なし」では生きられないと叫ぶ者もいる。あんちーさい(そのとおり)。その時、その時に合わせ、人も物も便利に使えばいいさー。
我が家は、子育ても終わり、親を見送り、夫と二人だけの生活になってから、歩くことが楽しみにもなっている。「ウォーキング」というほど洒落たものではないが、今まで住んでいた町の違う側面が見えることに不思議な感じである。
車で通り過ぎるだけだった十字路に、ガジュマルが立っていることに25年住んで初めて気がつく。駅までの途中に沖縄料理屋を見つけた。3軒隣の表札に、「あばっ、沖縄?」と思わせる苗字と門柱にシーサーさいが。近くの眼科医院のカーテンが紅型でできている、院長が沖縄ファンだという。周りに目が行くようになる気持ちのゆとり、大事にしたい(あたらかどぉ)。どんな時も、「沖縄」を見つけると心が躍る。
今度、宮古に帰ったら「くまかま」を歩いてみようと思う。
◇あの話をもう一度
naichar-shima(下地・高千穂出身)
「ミャークフツ講座 にゃーん編」vol.80 2004/7/15
「にゃーん」には、いろいろな意味がある。「物がない」ことや「〜ではな い」の否定、あるいは、「〜のように」、又は、「〜してしまった」など。用 法は、やまかさ(たくさん)あるどうや。みゃーくふつは音楽に乗せると、ま すます楽しくなるよー。さぁ、次の例文をラップ調しーあっじみーるよー(で 言ってみれね)。ハイ!
・ばやー じんぬどぅ にゃーん(私はお金がなーい)
・バスまい ぴんがし にゃーん(バスにも乗り遅れてしまった)
・まーんてぃ うむっしふぁ にゃーん(ホントに面白くない)
・あすぅが のーっふぁ にゃーん(でも大したことではない)
・かいが にゃーん(あの人のように)
・ぴとぅう みんぎ にゃーん(人を殴ってしまった)
・こーっふぁ にゃーん?(つらくないか?)
・えげー ばがしゃこー にゃーん(全くー 私ほどではないな)
・っしゅう にゃーん(知っているように)
・うむくとぉー にゃーん(知恵がない)
・あしば ばやー のーまい にゃーん(だから私は何もない)
・にゃーん にゃーん いき゜でぃどぅ ます(無いなりに生きるが良い)
ういがどぅ ます(それが良い)
・ニャーン!(ネコの声)
うすか(おしまい)。
やまとぅ(大和)にもあった『二十日正月』
與那覇 淳(平良・鏡原出身)
「あの世の正月」、「かん(先祖)の正月」ともいわれる、じゅうるくにつ(旧十六日祭)から4日後の旧暦の1月16日に行われる、城辺の比嘉集落の「二十日正月(ぱつかしょうがつ)」。この行事を知ったのはいまから40年ほど前、宮古テレビの記者時代のことでした。比嘉出身の同僚の案内で取材したことを思い出しました。
祭りの舞台は公民館から始まります。みーびき(雌雄)2頭の しーしゃ(獅子)がツカサとサスに導かれて、お清めと出陣の儀式が行われます。そのあと笛やかねのお囃子に獅子は勇壮に身をくねらせながら、公民館の建物周辺を反時計回りにまわります。マーニ(クロツグ)の かうす(冠)をつけた部落の老若男女を従えた獅子は、建物を3周して、集落の厄払いをして安寧を祈願します。
さらに公民館を出発した獅子と村人たちは、昨年の二十日正月からその年の二十日正月までに新築や増・改築した家、車や農業機械を購入した家に出向き、獅子舞いで子孫繁栄、無病息災を祈ります。そのあと、公民館敷地の広場では、獅子の先導でクイチャーの巻き踊りが賑やかに繰り広げられ、集落の五穀豊穣、安全と繁栄が祈願されます。
二十日正月は県内では那覇市辻町と比嘉のみで行われている行事で、以前は宮古各地から見物客が集まるほど賑わったようです。昭和の終わりごろまでは集落の各家庭からお重を持ち寄り公民館の みなか(前庭)に陣取って、獅子舞いや競馬、相撲、村芝居、 あぎいす(上石)力自慢大会などで盛り上がったとのことです。
ところで、この二十日正月は全国的な行事です。この旧暦の1月16日をもって正月行事は終了とし、正月に んかいたー(お迎えしていた)神様がお帰りになる日と考えられていました。まいぬ ゆーんな(前の日の晩は)慶事に尾頭付きのお膳や小豆ご飯をお供えする地方もあるようです。「鏡開き」といえば暦の上では11日に行われることがほとんどですが、江戸時代の初期の頃は、この日が鏡開きであったということです。
京阪神地方では、正月にお供えした、ぶりの骨や頭を酒かす、大豆、野菜などと一緒に煮て食べることから「骨正月」とか「頭正月」と呼ぶようです。そのほか群馬県では「棚探し」、岐阜県では「フセ正月」といって、正月のごちそうや餅を食べつくす風習があるということです。
正月の祝い収めとしての二十日正月。新暦では2月も下旬に入りました。
今年の目標を立てて日々精進している方もいらっしゃると思いますが、私は今年も目標に手付かずのまま。「今年こそは」志を高く持って歩んでいきたいと思います。
お知らせ
平成30年度第13回宮古島市民総合文化祭・一般の部 芸術劇場「歌と踊りと語りで 宮古を謳う」(主催:宮古島市・宮古島市教育委員会・(一社)宮古島市文化協会)を来る2月24日(日)に開催いたします。ぜひ、足をお運びください。
日 時 | 2019年2月24日(日)午後6時開演(午後5時30分開場) |
場 所 | マティダ市民劇場 |
出 演 | 【第1部】ニガイ、みゃーくふつ落語 【第2部】芝居、歌、踊り *2部は、米寿を迎えた女性を主人公に、現在、過去、未来へと繋ぐ物語。 |
チケット | 一般1,200円 会員1,000円 高校生以下500円 未就学児無料(要入場券) |
販 売 | TSUTAYA沖縄宮古島店 Bookaきょうはん宮古南店 宮古島市文化協会事務局 |
お問合せ | (一社)宮古島市文化協会 0980-76-6708 http://miyakobunka.com/ |
編集後記
松谷初美(下地・高千穂出身)
2月もアッという間に後半となりました。
2月7日に第2回「宮古島文学賞」の最終選考会があり、今年度の入賞作品が決定しました。詳細は、宮古島市文化協会のホームページをぜひ、ご覧くださいね。
2月10日は、父の一周忌でした。あれから1年。ぴゃーむぬやー(早いなー)という気持ちと んなぴ まいんだかに(もっと前だったような)感じがします。でも、そうやって時は過ぎていくのかもしれませんね。
2月16日は義母の三十三回忌。東京に行ってきました。義母の亡くなった日も雪が降り、ぴしーぴしの(寒い)日でしたが、今年の寒さもすごかった。うって変わって、昨日の東京は暖かかったようですね。
昨日は、じゅうるくにつ(十六日祭 あの世のお正月)でしたが、すっきり晴れて、ぞうわーつき(良い天気)でした。夏を思わせるくらい暑かったです。ぱんびん(天ぷら)、餅、しーむぬ(お吸い物)、うぷにずー(大根の煮物)などなどお供えし、紙銭もたくさん焼いて、上等な、じゅうるくぬつでした。
さて、今回のくま・かまぁ のーしが やたーがらやー?
キムキムさんのウォーキング、楽しそうですね〜。子どもの頃の距離の感覚と大人になってからでは、ぜんぜん違いますね〜。歩くといろいろな気づきがあるようでいいですね。私も近所だけでも歩いてみようと思いました。
あの話をもう一度は、naichar-shimaの「ミャークフツ講座 にゃーん編」でした。同じ音で違う意味を持つ、その組み合わせをうまくラップに合わせての紹介でした。みゃーくふつは、音も面白いですね。
淳さんは今回「二十日正月」についてのお話でしたが、二十日正月は大和にもあるんですね〜。すさったん(知りませんでした)!ところ変わればで地域によっていろいろなやり方があり、大切にしているものが見えてきますね。
芸術劇場「歌と踊りと語りで 宮古を謳う」、ぜひマティダ市民劇場まで足をお運びください〜。
貴方の感想もぜひお寄せくださいね。投稿もぜひお気軽に。まちうんどー
今回まい しまいがみ ゆみふぃーさまい たんでぃがーたんでぃ〜〜。
(今回も最後までお読みくださりありがとうございました)
次号は、3月7日(木)発行予定です。
次がみ ぱだーぱだ うらまちおー(次回までお元気でー)
あつかー、またいら〜。