くまから・かまから vol.436

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 こんにちは〜。
 宮古島は梅雨明けしましたが、九州や四国、本州ではうぷあみ(大雨)が降り、しわ(心配)ですね。どうぞお気をつけください。vol.436お届けです!

サガリバナの花を見に

松谷初美(下地・高千穂出身)

 先月30日の夜、宮古島の添道(そえどう)サガリバナ群生地で開催されている「夜のお花見会」に どぅす(友人)と行ってきた。毎年、新聞やテレビのニュースなどで見聞きはしていたが、なかなか行くことができず、今年、やっとがま行くことができた。

 サガリバナとは「夏の夜、夕闇とともに芳香を放ちながら白やピンクの花を咲かせ・・・夜明けには、惜しげもなく花びらを散らせ、辺り一面を花びらの絨毯に」するという。(主催:宮古島環境クラブのパンフレットより)

 夜8時過ぎ。星が瞬く闇の中、道に迷いながら行くと、道路に車がギッシリ!おごえー、こんなに やまかさ(たくさん)の人が見に来ていたとは。車の並ぶ先には、ライトアップされたサガリバナの花々。近づいていくと、かばすーかばす(良い香り)

 遊歩道の両脇に白やピンクの花が枝から連なり垂れ、かぎむぬ(美しい)目の高さで間近で見られるものもあり、サガリバナと一緒に写真を撮る人も多く見られた。観光客6割、地元4割といったところか。

 それにしても、こんなにたくさんのサガリバナの木があったとは。もともと自生していた木があったところに増やしていったとのこと。主催者(宮古島環境クラブ)の想いが伝わってくるようだった。

 宮古島環境クラブは「宮古島から自然と環境の保全をめざし実践活動と情報を発信する任意団体」で、その活動は、マングローブの植樹や水辺の環境に関する観察会、セミナー、講習会など多岐にわたり注目を集めている。添道サガリバナ群生地をここまで整えるのも相当な労力と努力が必要だったのだろうと想像すると頭が下がる。

 群生地には、沖縄県版レッドデータの絶滅危惧2類に指定されているケミズキンバイも見ることができるという。今度は、昼間に来てみよう。

 遊歩道を歩き、戻る間にすっかりサガリバナに魅了され、帰りには苗木を購入、帰路に就いたのだった。

◇あの話をもう一度

菜の花(伊良部町仲地出身)

「ヤラウギー(テリハボク)」    vol.102 2005/6

 島に降る太陽の白光、風と遊ぶさとうきびの葉すれ音、掘り返された土の匂い、そして花の香りや色彩・・・。子どもの頃を想う時、不思議と感覚器官も一緒に呼び覚まされる。

 おもちゃまい にーったん(玩具のなかった子ども時代)、日常に在るもので退屈など感じることなく過ごしてきた。

 ヤラウギーの実がなるのも まつかにーぶたーどぉや(待ち遠しかった)。ヤラウギーは島のあちこちにあったが、主に ぱるとぱるぬかつに(畑と畑の境)や、どーるぬ かたぱたなぎんどう ぱーゆぴすすぎーぶたー(道路脇などで枝を広げていた)。真っ白い花が咲くとほのかに良い香りがする。蜂や蛾などが絶えず花の周りに群がっていた。花の後には実が房状に付くのだが、ヤラウギーは高木で、小さい私にはとても手が届かず地面に落ちてくるのを今か今かと待ったものだ。

 風が強く吹いた後、ヤラウギーの木の下に緑色の実が転がっているのを見つけると、嬉しくてスカートの裾を広げてその中にヤラウギーの実を入れては持ち帰った。その時のヤラウギーの葉が太陽の光を反射してキラキラ輝く様も忘れないでいる

 ヤラウギーの実は熟すると橙色になり、ほんのり あずまーてぃぬ あずぬあす(甘い味がする)。でも、私は食べるのが目的ではない。人形を作るのだ。ヤラウギーの表皮を剥くと、内には白い果肉がありそれをさらに剥いていくと、真ん丸い殻が出てくる。この殻にキリで穴を開け爪楊枝を刺し、もう一個の殻にも同じように穴を開けて二個の殻をくっつけてまん丸の頭と胴体を作る。これに絵の具で顔を描き、服を描いてはマッチ箱に並べて遊んだ。

 以前、島の実家にはブーゲンビリアの大木があり、この枝は自宅の屋根から庭全体をすっぽりと包んで、木陰を作っていた。木陰の下にむしろを敷いてはヤラウギーの実で遊んだ。眠くなったらそのまま涼しい風に包まれて昼寝もした。

 今思い出すと何も無いが故に、何かを作る楽しみがあり、それは意外にも幸せな時間であったとしか言いようがない。

 父は私がヤラウギーの実で遊んでいるのを見ては、学校の床をヤラウギーの実でワックスがけしたようにピカピカに磨いた事や、ヤラウギーの殻の中身を取って やーんぷーかぐ(蛍入れ)にした事などを話してくれた。きばんなしー(貧乏で)、ランプ用の石油が思うように使えず、野に光る蛍をたくさん捕まえてきて、その灯りで勉強したと聞いた時、父の少年時代の姿を不思議な思いで想像した。今でも、「蛍の光」の歌を耳にするとヤラウギーの殻の中でぼんやり光る蛍を想う。

 この季節、島ではヤラウギーの実が すだりて(たわわに)なっているだろうか。かばすーとのかざ(香ばしい香り)までもしてくるように感じる中、ヤラウギーの油分から「ヤラウギーオイル」が採れないものだろうか?!食用にしたらどんな感じなんだろうかと、一人空想の世界を彷徨う。

守りたいもの

キムキム(平良・西里出身)

 沖縄の観光地としては石垣島に水をあけられていた宮古島だが、全長3,540mに及ぶ伊良部大橋が開通し、観光客は急増、ホテル建設ラッシュにより地価は高騰。一部で坪単価が500倍になった土地もあるという(琉球新報ニュースより)。空前の好景気に「宮古島バブル」だと伝わってきた。

 「定年後は、南の島に住むのが夢だった」といって、沖縄の いみっちゃぬ(小さな)島に一戸建てを買って移住した友人夫婦がいる。目の前に広がる白い砂浜とコバルトブルーの海に大満足の夫妻は、海で泳いだり、テニスを楽しんだり、東京の友人達を招いたりして島生活をエンジョイしていた。情報はネットで入手したり、島にない商品は通販を利用したり、不便さも感じていないようだった。
 
 あすがどぅ(しかし)、梅雨に入り、台風シーズンになると状況は一変した。台風で停電が続き、エアコンがつかない、部屋の蒸し暑さはかなりのものだ。熱中症だと騒ぎ出す。冷蔵庫の中身が腐り出す、オール電化の家では、コンロも使えない。船が欠航になるので店に行っても食料が何もない。

 長年の夢で海辺に家を買ったものの、台風が来るたびに家も庭もめちゃくちゃに破壊される。被害が想像以上に大きく台風との共存に疲れ、結局3年目に「夢の家」を売り、島を引き払って都会に戻ってきた。今では、夏の一時期だけを楽しむために出かけている。

 同級生の間では、「エゲーィ、何でおまえも伊良部に土地を買っておかんかったか?」「うむくとぅぬ にゃーん にばどぅ、すさったんゆー(知恵がないから考えつかなかった)」「あがぃ、買っておけばよかったなぁ〜とみんな言っている」・・・同級生Lineがにぎやかだ。

 「下崎山辺りもナイチャーだらけだよ」「昔、くばすみゃ(イカ)を取りに夜潜りした場所もプライベートビーチみたいになって入りにくい感じだよ」「飛行機の切符も取りにくくなっているし」「あんなに海を壊してよ〜やらびぱだ(子どもの頃)の頃に泳いだ海に珊瑚が全然ないんだよな」「もう、宮古は、だいず(大変なこと)になっている」

 今、宮古はどう変わっていこうとしているんだろう。どこに向かっているんだろう。豊かに変わっていくように聞こえてくる宮古だが、何だか手放しでは喜べない。
 
 自然は本当に正直で、その姿を通して私達にメッセージを伝えてくる。たくさんの命を育んできた美しいサンゴ礁の海に、10年後、100年後も潜ることができるのか。

 宮古は、今、試されているのかもしれない、と考えてしまう。

編集後記

松谷初美(下地・高千穂出身)

 7月になりましたねー。今年も後半に入りました。あてぃどぅ ぴゃーかーやー(あまりにも早いですね)

 一般社団法人宮古島文化協会では、第26回「鳴りとぅゆんみゃ〜く方言大会」を今月13日に開催しますが、そのチケットの販売を6月29日に市内5地域で一斉に行い、今年も半日で完売となりました。(早いところでは5分で完売)たんでぃがーたんでぃ。8名の発表者が、あずーあず、だすーだすの(味わい深い)方言をそれぞれのシマの方言で発表します。どうぞ、お楽しみに〜。

 さて、今回のくま・かまぁ のーしがやたーがらやー?

 サガリバナのライトアップ、幻想的で、だいず(とても)素敵でした!今日(4日)までだそうですので、間に合いそうな方は、ぜひお出かけくださいね。水辺のある光景も新鮮です。

 あの話をもう一度は、菜の花の「ヤラウギー」をお届けしました。白い花の時季はそろそろ、しみゃー(おしまい)で、小さい青い実が生ってきました。今の子どもたちは(大人も)、あまり関心を持たなくなりましたが、菜の花の書いたあの頃の話、心にとめておきたいですね。

 キムキムさんの「守りたいもの」、今まさに宮古が抱えている課題ですね。このバブルな状態を複雑な思いでみている人は多いと思います。一部では、すでにバブルは終わりはじめているとの声も。時には、立ち止まり大切なものは何か、守りたいものは?考えていきたいですね。

 くま・かまでは、くまからまい、かまからまい(いろいろな角度から)物事を見ることが出来たらと考えています。貴方の感想もぜひお寄せくださいね。まちうんどー(待っていますよ〜)

 今回まい しまいがみ ゆみふぃーさまい たんでぃがーたんでぃ〜〜。
 (今回も最後までお読みくださりありがとうございました)

 次号は、7月18日(木)の発行予定です。
 きゅうまい ぞう(今日も良い)一日を! あつかー、またいら〜。