こんにちは〜。お久しぶりのくま・かまです。今回もいろいろな話がやまかさ(たくさん)ですよー。いずんまありーぬ(実がぎっしりの)読みきりサイズ、お楽しみください。
くとぅすぬテーマ(今年のテーマ)
宮国優子(平良市出身)
少し遅れましたが、あけましておめでとうございます。相変わらず かかみ きてますが(おっちょこちょいですが)、今年もよろしくお願いします。今年 の自分のテーマは何にしようか考えていたら、友達から電話があった。友人と 話しているうちに「おお、宮古も時代の波をかぶっているのだな(流されてい るのではなくかぶっているような….どばーっとよ)」と思ってうっすらとテ ーマが見えてきた。
宮古在住の友人は「内地から来た人の間で超シンプルライフが流行っている らしい」と言う。「超シンプルライフ」という言葉で勝手にまとめてしまった が、要は古きものや様式を見つめ直す温故知新系という感じでしょうか?「島 暮らし」という言葉には何かノスタルジーな香りがするし、島を満喫して暮ら したいというのはだいずよくわかる。なんだか「ライフスタイル」という言葉 を使うとちょっとどぅぐりー(気恥ずかしい)けど、世の中がちょうどじわじ わと変わってきているからなぁ。生活に焦点があってきたといえば、聞こえは いいが「シンプルライフ」「ライフスタイル」なんてあまりにも流行り言葉の ようで個人的には、んば(大嫌い)だ。それと同列で「勝ち組負け組」という 言葉が流行るのも同じ感覚なんだろうか?(何が勝ちで何が負けなのかは不明 ですが。)でも実際は二分化する訳ではなく細分化してるだけのような。
自分の半径5メートル話で恐縮ですが「配偶者立ち会い出産は当たり前」と 思っている私は、母ちゃんから言わせると「うとぅるすきふっふぁ!(怖い子 供)」らしい。周りを見渡しても自宅出産(家族立ち合いのもと)から、計画 無痛分娩(配偶者の立ち合い無し)まで一人として同じような出産はしてない。 友達にそうそう違いはないんですが…..。
宮古の母から聞き出すと、子供の頃に目撃したのは綱を握っての立ち出産だ ったそうです。(推定55年前)先頃、知り合いの新進気鋭の作家の奥さん (在東京)がその立ち出産?を実際やったそうで聞いて大変びびりました。水 中出産みたいにハワイの海で産むのも流行っている……なぜかウミガメを想 像してしまうのは宮古人のサガでしょうか。
「宮古でも自宅出産が流行り始めているらしい」というのを聞くと、逆行し ているのか最先端なのか、宮古島!と問いただしたくなる。ちなみに私は陣痛 時、看護婦に「何の音楽にしますか?」と言われ「痛いからなんでもいい!」 と激怒。結局は病院にあった聖歌のCDで出産し、自分の気の短さに情けなく 落ち込む私と裏腹に厳かな雰囲気でした。宮古の自宅で産むと風の音とかキビ のさらさらという音がBGMになるのだろうか。ロマンチックさいが(じゃ ない?)。そんなシチュエーションで産まれたら一生自慢できそうだ。あば、 とーんかい?(あら、誰によ)
さて、児童虐待と戦争関連のニュースが交互に出てくる昨今、命は大事にし ようよ・・・と肩を落としています。単純に「なんで?」と聞きたくなる。特 に虐待に関してはなんだか人ごとはないように思える。「子育てって普通にみ んなやってきているんだから」と励まされると小さくなってしまうからだ。人 の普通にできること事はそう簡単にできなかった私は、小学生の時は教室で一 人きり計算ドリルを前に日が暮れ、高校生になっても家庭科でも美術でも居残 りは当然だった・・・。未だ蝶々結びができないまま、つい先頃33歳の誕生 日を迎えてしまいました・・・。プチカミングアウトしている場合じゃないさ いがよ・・・(←空しい一人つっこみ)。
あぁ、結局、宮古の微妙な都会化がちょっと気になりつつ旧正も迎えてしま いました。おお、忘れていました。テーマさぁ、テーマ。シンプルライフ・・ いや無理そう。それは他の方にお譲りします。うーん。また今年も当たり前の 幸せを祈って「んぬつや宝。がんずーうやき(命こそ宝。健康こそ富。)」を テーマにしてみました。あがい去年と同じさいが! 皆様もかんずーうやきで 今年を楽しんでくださいね〜。またや〜。
みゃーく んなまずぶん(今ごろ)
さどやませいこ(城辺町出身)
先月は、宮古は狂っている、アティアツカーバナラン(あまりにも暑くてか なわん)と、ブズ、ブズと文句を言ったのが冬帝に聞こえたらしく、今度はア リャーミュンピシサ(とんでもない寒さ)を、ウリ!と降ろしてきた。マーン ティ、タキャーナラン(全く、話にならない)。そのお陰で、サトウキビ農家 は糖度が上がり、ホクホクだが、今度は日照不足が原因でガウラ(ニガウリ) の花が咲かないと野菜農家は渋り顔。「世の中を丸く治めるのは大変だ」とブ ッシュさんも、小泉さんも悩んでいます。
ところで、今、みゃーくは一番活気のある季節。大型トラックがキビを満載 して島中を駆け回っている。むかしは、荷馬車で運んでいたので、男の子たち は、後ろからキビを引き抜こうと必死だった。見つかって追いかけられる風景 もよくあった。女の子はせいぜい落ちた物を拾って食べるくらいかな。でも中 にはオトコマサリがいて・・・後はご想像あれ。今の子は落ちていても拾わな い。まず、食べられるということを知らないハズ。知っていても、あんな堅い 物を誰が食べるか、ッテ顔で見向きもしない。そうかと思うと、観光地で、絞 ったキビジュースをおいしい、おいしいと飲んでいる。ユーヤ カーリードゥ ウー(世の中は変わっている)。
平良から上野村の外れ、海の近くに引っ越してから四年になる。ウイピャー 山の西側にあたる。一年のうちでも今の季節が最高。ウルカ(城辺町砂川)に ある宮古製糖からアズマーイ(甘い)香りが一日中漂い、時折、島番鷹(はぐ れ鷹)のピーツク、ピーツクという鳴き声が辺りにこだまする。天気は冬にな ったり、夏になったり落ち着かないが、その都度変わる海の表情もまた楽しみ だ。世の中の喧噪から逃げてきた訳ではないが、最近は新聞やテレビを見るの がコワい。
ミャークフツ講座あまり使われなくなった言葉編2
ざうかに(平良市宮原出身)
・てぃてぃっふぃ → 口の中が油っぽくてむせかえること
・じじっふぃ → 人に惑わされて自分が戸惑っている様
・んばい → 傷口が化膿してひどくなっている様子
・っぎゃ → あ、だって、(このニュアンスは伝わるかねー)
・にまり → 食べ物の腐りかけの様子
・きょうぎん → おどけている様子、狂言
・まーず → 毬
・すだむす → 年中、腹をすかせている人
・ふぁずだ → 食べ物に対してガツガツしている人
・いずんまにゃーん→ 実入りがよくない
・すとぅがず → あご
・ぴかぎ → 持ち上げて
・ふとぅてぃ → 完全に腐敗、ダメになっている様子
(例)その昔、ばが どぅすっさ ふとぅてぃパンツをはいていた。
(その昔、私の友人は使い古されたボロボロのパンツをはいていた)あがいたんでぃ!まーんてぃ どうや。(本当だよ)
通過
神童(平良市出身)
台風14号マエミーは宮古島の人々に「おごえ(おお!)」「んびゃーいん (絶えられない)」「たすからん かじがま(救いようのないオバカな台風)」 という印象を残して宮古島を通過していった。マエミーの通過後、このマエミ ーの馬鹿に対して、こんな話しを聞いた。神童の「なすあんな(産みの母)」 の旦那というか、父がこうのたまった。
「あっがいたんで、あっぶないかじふきぃ。やりぃーやり うーたー やー ぬトタンゆ きちぎなり むきぃ ふぃーたーば。やがち やりトタンゆ と りしてぃってぃ 新品トタンゆど ふかってぃ うむい うーたー ときゃん ど ぴとゆーし んーな むきぃ うつきゅう。かじふきゆ とみぃ てぃま ーゆ ぱらーだかー ならん。(全く、すごい台風だ。オンボロだった家のト タンをきれいに剥ぎ取ってくれてよー。もうすぐオンボロトタンを取って捨て て、新品トタンにしようと思っていたところに一晩で全部剥いでおくとは。台 風を探して手間賃を払わなくてはいけないなー)」
なんて、前向きな意見だろう。しかし、親父、マエミーは「てぃまー(手間 賃)」を払っても領収書をくれないと思うぞ。
そう言えば、1月25日の日曜日。天皇皇后両陛下が宮古島を訪れた。神童 は、職場からかり出され、両陛下が通過する沿道の警備をすることになった。 警備担当に与えられた任務は不審人物を発見し、付近の警察官に通報する役目 だ。江戸時代の十手持ちの子分のような役目だ。岡っ引きだな。注意されたの は「あめうけ」だ。よく意味が解らないひとのために解説しよう。あ:あわて ない、め:目立たない、う:動かない、け:両陛下に敬礼しない。な、聞いた 俺でも意味がよくわからないだろう。(誰に言ってるんだろう)あばれない。 メンチ切らない。うちに帰らない。けっ飛ばさない。こちらの方がよく解る。
両陛下が通過する10分前には、神童が警備する人頭税石前道路は黒山の人 だかり。道路に飛び出さないように警察官が青のロープを張ったのだが、人が 多すぎてロープを延長しなければならなくなった。大急ぎで10名ほどの警察 官がロープを延ばし始める。しかし、ロープが短いためなのか、ロープの端を 結わえてないからか、一人の若い警察官が「厳戒です」「厳戒です」と叫びな がら通り過ぎた。正確には「ロープが限界なのでこれ以上引かないでください」 である。しかし、傍目には「両陛下が通過するので厳重警戒の厳戒です」とし か映らないのだ。宮古署の署長が言っていた「あわてない」をすっかり忘れた ような若い警察官の行動が微笑ましい両陛下の行幸啓でした。
編集後記
松谷初美(下地町出身)
3週間ぶりの「くま・かま」のうしがやたーがら(どうでしたでしょうか)。 3週間の間には、いろんな くとぅぬどぅあーやー(ことがありますね)。 ぶーき゜ぬ収穫まい、たばく(タバコ)の ないういまい(苗植えも)ぱんた むぬぱずやー(忙しいでしょうね)。
今回から名前の後ろに出身地を入れることにしました。みゃーくふつも地域 によっていろいろで、そのほうが分かりやすいかなーということでやってみま した。特にミャークフツ講座の場合は、部落名入りです。
さて、あつぁあ ジュウロクニツ(十六祭、あの世のお正月)やー。ぞうわ ーつき゜(良い天気)になるといいですね。私が子どものころは、ジュウロク ニツのあぎぱんびん(てんぷら)の歌をなーよく歌っていたけど、んなまぬや びたーや(今の子どもたちは)、あんちぬ あーぐゆばー すっさんぱずやー。 (そんな歌は知らないはずねー)♪じゅうろくにつぬ あぎぱんびん あつこ うこうてぃ ふぁーばーやー(十六日のてんぷら 熱々で食べたいなー)・・。 じゅうろくにつに帰れないけど、東京から てぃをかみようねー(手を合わせ ようねー)。
それから、5月に「遊び」についての特集をしようかねーと考いやーみーみ ー しています。あなたが やらびぱだ(子どもの頃)に遊んだ遊びを なら あしふぃーさまち(おしえてください)。遊び名と遊び方を書いてくださいね。 私がやった遊びは、「石蹴り」「しまとり」「めいこードン!」「ひま・わり」 などなど。名前だけだと のーしぬむぬがらすさいんやー(どういうものか分 からないですねー)。詳しくは5月に。手遊びや童歌などもいいですねー。ど しどしお寄せください。お待ちしていまーす。
〔訂正〕前号の「国立劇場おきなわ」の中で、国立劇場は東京以外では初めて とおしらせしましたが、東京、大阪以外では初めての誤りです。延べ面積約1 万5千平方メートル(約6千700坪)とあるのは、(約4千500坪)の誤 りでした。訂正してお詫びいたします。
vol.69の感想まい まちうんどー(待っていますよー)。
次号は、2月19日(木)発行予定です。お楽しみに〜。感冒っすなよー。