お葬式の参列はどこまで?会社関係で知らなきゃまずい対処マナー

一般的な葬儀について
会社関係で葬式に参列するときのマナー

急な訃報で会社関係のお葬式に参列することもあるでしょう。葬儀に参列することが少ない人は、葬儀にはどのようなマナーがあるのか詳しくない人もいるでしょう。今回は、香典や焼香、お葬式の服装など社会人として知っておくべきお葬式の参列マナーをご紹介します。 最後までお読みいただき、いざという時にお役立てください。

会社関係のお葬式に参列することになったら

会社関係のお葬式に参列することになったら

訃報を受けたら、通夜と告別式のどちらに参列すれば良いか悩む人も多いかもしれません。どちらに参列するかは、地域性やご遺族の意向によっても異なります。基本的に、通夜も葬儀も参列するのがベストですが、予定がつかないときは周囲と相談しどちらか一方に参列するという形でも良いでしょう。

告別式はどこまで参列していいのか

告別式に参列する際は、一般の参列者は出棺までと言われています。 出棺が終わったら、立ち話などせずに速やかに退場しましょう。 一般的に火葬場まではご遺族や近親者のみが行きますが、火葬場が斎場内に併設されていて、徒歩で移動できるところもあります。その場合は、ご遺族から同行のお誘いがあるかもしれません。用事がない限りはご遺族の意向に従い、最後まで故人を見送りましょう。

知っておきたい一般的な葬儀マナー

ここからは、社会人としてお葬式に参列する際、知っておきたいマナーについてご紹介します。まずは、通夜や告別式などで持参する香典袋についてご説明します。

結婚など慶事のときに使われるのが「ご祝儀袋」で、弔事の際に使用する袋を「不祝儀袋」といいます。不祝儀袋は、仏式・神式・キリスト教式とそれぞれ袋の種類や表書きが異なります。訃報を受けたらまず宗派を確認し、適した不祝儀袋を持参しましょう。

仏式の香典袋と表書き

仏式の香典袋についてまとめました。一般的には四十九日が済むまでは、表書きが「ご霊前」と書いてあるものを使用します。

表書き外包み水引の色
・ご霊前
・お香典
・白無地
・蓮の花
・黒と白
・双銀

浄土真宗の場合は表書きに注意

仏式の中でも浄土真宗はマナーが変わるので注意しましょう。一般的な仏教では、四十九日までは成仏しないと考えられているため「御霊前」と書いてある香典袋を使用します。しかし、浄土真宗は亡くなったらすぐに成仏するという考えがあります。そのため、最初から「御仏前」と書いてある香典袋を持参する必要があります。

神式

神式の表書きは、「玉串料」「御榊料」が一般的です。「ご霊前」でも問題ありませんが、蓮の花が印刷されているものは仏式の香典袋になりますので注意が必要です。

表書き外包み水引の色
・玉串料
・ご霊前
・無地の白・黒と白
・双白
・双銀

キリスト教式

キリスト教は香典を包むという習慣はありませんでしたが、近年は「御花料」として仏式同様に封筒に入れて包みご遺族にお渡しします。キリスト教の場合は、「カトリック」と「プロテスタント」など宗派が分かれています。宗派によって表書きを変えても良いですが、どちらの宗派か分からなければ、共通して使用できる「御花料」と書いてある袋を選びましょう。

表書き外包み
・御花料
・お花料
・御ミサ料(カトリックのみ)
・無地の白
・十字架
・白百合

お葬式の服装とは平服?喪服?

一般的には通夜に参列する場合は平服でいいと言われます。ただし、近年は通夜までに日数があり、あらかじめ知らされることも多いため、時間に余裕があるなら礼服が良いでしょう。急な知らせで勤務先などから駆けつける場合は、男女ともに普段のスーツ姿で問題ありません。ただし、女性はアクセサリーを外し、肌の露出は控えましょう。告別式は男性ならブラックかダークのスーツと黒ネクタイ、女性は黒いフォーマルドレスなどが適しています。

3つの焼香方法

香典や服装などのマナーは把握されている方も多いでしょう。しかし、焼香に関しては何度も経験がない限りは戸惑ってしまうものです。代表的な作法を解説しますので、参列前に確認しておくと安心です。 会社関係者のお葬式に出席する場合は、役職の上の方から受付や焼香をするのがマナーです。

立礼焼香

比較的大きな式場で行われることが多いのが、立礼焼香と呼ばれる焼香方法です。歩いて祭壇まで向い、立ったまま焼香を行います。

  1. 周囲に会釈をして祭壇へ
  2. ご遺族に一礼
  3. 前に進み祭壇に近づく
  4. 遺影に一礼・合掌してから焼香
  5. 再度合掌
  6. 下がって着席

座礼焼香

式場が和室などで座って参列する場合は、座礼焼香が多いです。祭壇前には座布団が用意されていますが、いきなり座るとマナー違反にあたる場合もあります。以下の焼香手順を確認しましょう。

  1. 周囲に会釈してから祭壇に
  2. 正座してご遺族に一礼
  3. 祭壇に一礼
  4. 立ち上がらずに膝をつきながら祭壇前の座布団に
  5. 座布団の上で焼香
  6. 合掌してからご遺族に一礼して席に戻る

回し焼香

自宅で式を執り行う場合や、家族葬向けの式場に見られる焼香です。香炉を遺族から順番に回し、その場で焼香を行います

  1. 香炉が回ってきたら、自分の前に置く
  2. 焼香
  3. 遺影に合掌
  4. 次の人に香炉を回す

仏式以外のお葬式のマナー

仏式の焼香などのマナーがお分かりいただけたと思います。続いては、仏式以外の「神式」「キリスト教式」のお葬式のマナーをご紹介します。日本では仏式の葬儀が多く、神式などは参列する機会が少ないため、あらかじめ参列マナーなどを確認しておくと安心です。不安な時は、葬儀スタッフなどに聞いても良いでしょう。

神式

神式では「手水の儀(ちょうずのぎ)」と呼ばれる、式場に入る前に手を清める作法を行います。神社でも入口に柄杓が置かれ、参拝前によく行われれているためご存じの方も多いでしょう。また、神式のお葬式では、仏式の焼香と同じ意味合いを持つ「玉串奉奠」も行います。玉串奉奠の流れは以下の通りです。

  1. 神官から榊の枝に紙を付けた「玉串」をもらい一礼
  2. 榊を右回りに回して祭壇に供えます。
  3. 遺影に二礼二拍手(音は立てないように)
  4. 神官と遺族に一礼
  5. 着席

キリスト教式

キリスト教のお葬式で一般的に行われるのは「献花」とよばれるものです。献花で使用するお花は、カーネーションや菊など茎の長いものになります。持ち方と供え方に注意が必要です。

  1. 花を受け取ったら、花が右手側にくるように持つ。左手は手のひらを下に向けて茎部分をそっと掴む。
  2. 祭壇に進む
  3. ご遺族に一礼
  4. 祭壇に一礼
  5. 花を時計回りに回し、根本が献花台になるよう向けて供える
  6. 黙とうをしてから祭壇に再度一礼
  7. 着席

NGマナーも確認

お葬式でのNGマナー

香典と香典の表書き、お焼香のマナーなどをご紹介しました。ここからは、反対にマナー違反となる項目についてご紹介します。 「服装」「挨拶」「行動」に分けてそれぞれ解説していきますので、会社関係者のお葬式に参列する時などはしっかりと確認しておきましょう。

服装のマナー違反

女性の場合、特に気を付けたいのが服装などの見た目のマナー違反です。喪服以外にも気を配らなければいけないポイントがあるので以下でご紹介します。

  • 化粧やネイルは控えめに
  • 大きなブランドロゴがデザインしているバッグなどは避ける
  • ツヤツヤとした光沢のある靴
  • 肌色のストッキング

上記はマナー違反の一例です。これ以外にも、パール以外のアクセサリーは着けないようにしましょう。ストッキングに関しては、暑い時期でも肌色ではなく黒のものを選びましょう。素足はもちろんNGです。

挨拶のマナー違反

一般的に、お葬式に参列するときはご遺族に対して「ご冥福をお祈り致します」ということが多いです。しかし「ご冥福」という言葉は仏教用語になりますので、神式やキリスト教式のお葬式に参列したときは使わないようにしましょう。

また、弔事には「忌み言葉」と呼ばれるものがあります。「たびたび」といった重ね言葉や「引き続き」といった続き言葉はNGとされます。ご遺族に対し、「死」を連想させる直接的な言葉(死ぬ・生前など)も避けましょう。

行動のマナー違反

お葬式の時は、社会人としてのマナーを守らなければいけません。ご遺族に話しかけて個人的な話をするのはもちろん、参列者の中に知り合いを見つけて立ち話をするのもマナー違反です。また、通夜、告別式ともに10分前には受付を済ませるようにしましょう。交通事情等で急遽遅れる場合は、会場に遅れることを伝えてください。

まとめ

今回はお葬式の参列マナーについてご紹介しました。お葬式に参列する機会はなかなかありませんが、訃報は急に訪れます。いざという時に対処できるよう、社会人としての参列マナーを身につけて、故人やご遺族に失礼のないようにふるまいたいものです。お葬式は仏式がほとんどですが、神式やキリスト教式なども場合もあります。マナーがそれぞれ違いますので、あらかじめ確認しておきましょう。