時間というものは、やっかい。(困ったものだ)自分の中では、まだ今年は半分ばかーず(くらい)しか過ぎていないけどけど、もうあと2ヶ月と少しで終わりとは。なんでそんなにとびゃがりて(急いで)行くかねー。
あつかー、ぱじみっとう。(じゃ、始めようねー)
『ぴとぅお(人は)景色?』
Hatsumi.M/著
宮古は、イミッチャヌスマヤーバ(小さい島だから)自分の住んでいる家の半径3キロ以内は、ほとんどが知り合いだと思う。カヌヤーヌ(あの家の)お父は、サヤフ(大工)をしているとか、長女はピサラ(平良)に住んでいるとか、家の事情もだいたい知っている。
ヤラビバタ(子供の頃)から近所の人は皆知り合いだから、そうそう悪いこともできない。また、平良市内に出ても、必ず誰かしら知っている人に会う。
一方、東京などでは、隣の人でさえスサン(知らない)ということが多い。顔は知っていても挨拶をする程度で、何をしている人かなんて知らない。知らなくても、もちろん不都合はない。アンチーヤーバドゥ(そういうわけだから)ヤラビバタから近所の人(つまり他人)の生活を知らずに育つ。
他人を知るということは、そこにもドゥタトゥユヌグウ(自分たちと同じ)「大切な暮らし」があるということを知ることでもある。東京の雑踏の中にいると、大勢の人は景色の一部のように感じ、血の通った自分と同じ人間だという事を忘れてしまうのではないか。
アシバ(だから)電車の中で化粧をしたり、着替えをしたり、はたまた席をゆずってほしいと言った人をなぐったりするんじゃないだろうか。(もちろん、こういうことをする人はごく一部の人ですが・・)
これが宮古だったら、隣の席に座った人がアガズニャー(東の家)のおばさんだったりパイニャー(南の家)の兄さんだったりするわけだ。そうしたら、そこで化粧をしたり着替えたりはできない。
若い時は周りが知っている人ばかりというのが、すごく窮屈だった。でも、そういう中で育ったことも悪くはなかったねーと思うこの頃である。
『宮古のことわざ』
[ あぐが花 どぅすが花 ]
アグガパナ
ドゥスガパナ
“あぐ”は、同年代の友だち、“どぅす”は一般の友人のこと。「友だちの中でも常に大輪の花の如く目立っている」というほめ言葉。
んきゃーんじゅく 佐渡山政子/編 より
『学校がない』
神童/著
国際保護鳥に「サシバ」というのがいる。歯医者が育てるのではない!(念のため)宮古ではサシバのことを「タカ」と言っていて、神童が幼少の頃は、初秋に宮古島へ渡ってくる「タカ」を大人たちがユナイ(夜)森に行って捕獲していたのであった。
捕獲された「タカ」の内、比較的傷の少ないフタカラ(2羽)が宮島分校へ寄付された。鍋に入れて寄付してくれたら良かったものを。よりによってその「タカ」フタカラは元気であった。
先生達の判断でそのフタカラは、うさぎ小屋の横で飼育されることとなった。飼育と一言でいうがこれがとんでもない作業であった。ナント、「タカ」は、うさぎのエサを食べないのである。
うさぎ当番はこれまでもあったが、それはパリ(畑)に行って雑草を取ってくれば良かった。雑草をとるのが面倒くさい場合は、その畑で人参なりタマナー(キャベツ)なりを盗んでくれば、用は済んだのである。
しかし、「タカ」は違う。タカ当番に課せられる仕事は、フナタ(かえる)ユムヌ(ねずみ)パウ(蛇)等の動物を捕まえてくることなのである。
「タカ」はわがままな動物でカエルと言ってもヒキガエルは食べないのである。トノサマガエル ONLY。
元来、トノサマガエルは、俊敏な奴で素手で捕まえる事は、至難の技なのである。又、パウにしても50センチから60センチのものは、タカは食べることができず、ただ見ているだけである。1メートル以上のパウの場合は、その大きさにウーイウィ(怯え)見ることさえできない始末であった。
ノーシヌ、ナンギ(なんという大変な)飼育当番だったか。その後、タカは放鳥されたのだった。
*この話は、1960年代頃のことです。現在、タカを捕獲することは、禁じられています。
『ミャークフツ講座 性格偏』
naicyar-shima/著
- ゆがいなんまり = 面白い人
- まないむぬ = おとなしい
- ゆっふぁーしゃ = なまけもの
- くきふや = 気取り屋
- おうみざか = 恐がり
- すなんずぎ = いやしい
- きむがま = 短気
- うすんきゃー = 引っ込み思案
- わちくむぬ = 意地悪な人
- ぼうちら = 腕白(ワンパク)
- とぅりばりゃ = ぼーっとしている人
- ふがましゃ = 文句ばっかり言っている人
- がーずぅーんまり= 口で負けない人
- きむかぎ = 純粋な心、心優しい人
※例・・のーゆがとぅりばりゅうりゃー(何、ボーっとしてんの!)
『お便りコーナー』
沖縄市在 マエドマリさんより
初めまして、沖縄タイムスで知りました。ニシムラ(西辺)出身、コザ在のマエドマリです。よろしくおねがいします。
25年位前、満員の平良市民会館での話です。何かの映画(だったと思う)上映中。しんと静まりかえった会場に、隣同士で座る仲良し女子高生ふたり。うち一人がどうしても我慢できずに周りに気づかれないよう音をたてず出したオナラ。
しばらくして、前の席に座る男の人の様子が、おかしくなった。急に体調が悪くなったのか、うずくまる勢いである。その光景を見ていた女子高生。心配し聞いてみた。「大丈夫ですか?」
すると、男の人は苦しそうに、こう言った
「ノーシー、ゥバガピープスター バガバタヌヤンガマタラー」
(どうして、あんたがオナラをしたら俺の腹がいたむかヨ)
*こういう男の人のことを、<わちくむぬ>というさねー。マエドマリさん、楽しい話をたんでぃがーたんでぃ。
『編集後記』
Hatsumi.M
性格の話。いまだかつて、まないむぬと言われたことのない私です。根っからのがーずーむぬは、年年歳歳、がーずー度が増していっているような気がしております。反省。。くき度は、年とともに減る傾向にあるようです。これからは、きむかぎむぬと言われるように精進いたします。
さて、次回は、10月18日(木)発行予定です。