家族と悲しみの別れをしてからも、ご遺族は休むことなく葬式の準備に追われます。葬式を出すのが初めての場合「亡くなってから何日後に葬式を執り行うことになるのか」疑問に思う方も多いでしょう。今回は、葬式までの日程とスケジュールについて解説します。
葬式までの平均日数は3日~5日
大切な家族との別れが訪れると、ご遺族は葬儀屋に相談しながら、通夜~火葬までの日程を決めます。一般的には、亡くなってから3~5日後に通夜・葬式が執り行われるケースが多くあります。
葬式の日程は、ご遺族や僧侶の都合や斎場・火葬場の空き状況などを考慮して決定します。「火葬場の空きがない」など日程の調整がうまくいかない場合は、葬式の日程が後ろ倒しになるという可能性もあります。
(亡くなってから火葬までのスケジュールの一例:臨終~通夜準備まで)
亡くなった日 | ・ 臨終 ・ 安置場所への搬送 ・ 僧侶への連絡 ・ 葬儀屋に連絡 |
2日目 | ・ 葬儀屋の決定 ・ 葬式日程の調整、式場の決定 ・ 親族や友人に連絡 |
3日目 | ・ 通夜準備など |
葬儀日程を決める前に確認すべきこと
葬儀日程はご遺族の希望に通りにならないこともあります。火葬場の空きがなかったり、菩提寺の僧侶の都合が合わなかったりすると、調整する必要が出てくるからです。日程を決める際には、主に4つの確認事項がありますので、以下でご紹介します。
- 葬儀形式と参列する人数
- 斎場や火葬場の予約状況
- 僧侶の都合
- 友引と重ならないか
それぞれに続いて、次の項で詳しく解説します。
1.葬儀形式と参列者の数
まずは、ご遺族の中で話し合い、葬式をどのような形式で執り行うか決めます。近年はライフスタイルの変化から葬儀形式が多様化し、全国的に家族葬や一日葬など簡略化された葬式が増えています。以下に主な葬儀形式を記載します。
一般葬 | 通夜と葬式・告別式が執り行われる |
家族葬 | 家族や親しかった友人などで執り行われる |
一日葬 | 通夜を省略する |
火葬(直葬) | 通夜と葬式を省略する |
葬儀形式か決まったら、参列者のおおよその人数を確認しましょう。どのくらいの広さの式場を何日間予約すればいいのかが見えてきます。
2.斎場や火葬場の予約状況を確認
葬儀形式と参列者の数が決まったら、斎場の候補を決めます。たとえば、「参列者50名程の一般的な葬式」を執り行う場合、50名が収容できる式場を探すことになります。家族葬向けの斎場などは、「1日1組」と決められていることもあるため、希望する日に予約が取れないこともあります。いくつか候補となる斎場を決めておくと安心です。
ほとんどの場合火葬は葬儀・告別式と同日に行われるので、火葬場の予約も考慮する必要があります。火葬場が少ない地域は予約が取りにくく、葬儀日程が後ろ倒しになるケースもあります。また、通夜・葬式を省略する「火葬式」を選択した場合、亡くなってから少なくとも24時間以上経過していないと火葬が行えません。
斎場や火葬場の予約も葬儀屋が行ってくれますので、要望などがあれば伝えましょう。遠方からの参列者が多い場合は、駐車スペースや最寄り駅からの距離など交通利便性なども確認しておくと安心です。
3.菩提寺の都合も確認
菩提寺がある場合は、通夜や葬式で読経をしてもらうため早めに連絡しましょう。どうしても「菩提寺とご遺族の都合が合わない」「遠方で頼むのが難しい」という理由がある場合は「仏事の代行サービス」や「僧侶派遣」などを利用する方法もあります。
4.【友引注意】葬式の日取りをカレンダーで確認しておく
「友引」は昔から葬式を行うには縁起が良くない日と言い伝えられていました。近年は、友引に葬式を行うことも珍しくありませんが、友引の日は休場にしている火葬場が多くありますので確認しておきましょう。
全ての調整が済んだら葬式日程が決まります。日程が決まったら、親しい人や親戚などにお知らせしましょう。
葬儀日程が決定したら当日のスケジュールを確認する
続いては、通夜・葬式当日のスケジュールについて確認しましょう。
(亡くなってから火葬までの一般的なスケジュール 通夜・葬儀~初七日法要まで)
4日目 | ・ 納棺 ・ 通夜 ・ 通夜振る舞い |
5日目 | ・ 葬式、告別式 ・ 出棺 ・ 火葬 ・還骨勧行、精進落とし |
通夜のスケジュール
通夜は、一般的には17時~19時に開始します。受付は1時間程前から始まりますので、ご遺族は余裕を持って集まり、受付などで参列者をお迎えしましょう。具体的なスケジュールや流れは以下の通りです。
- 受付
- 遺族、親族、参列者着席
- 僧侶入場
- 読経
- 焼香
- 僧侶説教
- 僧侶退場
- 喪主挨拶
- 通夜振る舞い
およそ1時間ほどで通夜は終了しますが、「通夜振る舞い」と呼ばれる参列者との会食を行う地域もあります。
(参考:主婦の友社「心のこもった葬儀・法要のあいさつと手紙」)
葬式や火葬のスケジュール
通夜の翌日に葬式が執り行われます。 宗旨や地域によって違う場合もありますが、 一般的な葬式~精進落としまでのスケジュールをご紹介します。
・葬式
- 参列者着席
- 僧侶入場
- 開式
- 読経
- 弔辞
- 焼香
- 喪主あいさつ
- 僧侶退場
- 閉式
・出棺
- 対面
- 別れ花など
- 釘打ち
- 喪主挨拶
・火葬
- 納めの儀式
- 骨あげ(収骨)
・精進落とし
- 還骨勧行
- 喪主あいさつ
- 精進落とし
- 喪主あいさつ
(参考:主婦の友社「心のこもった葬儀・法要のあいさつと手紙」)
葬式と火葬終了後は、ご遺骨を持ち帰り「還骨勧行」と呼ばれる読経が行われます。近年は、「初七日法要」も葬式と同日に行うケースが増えています。これを「繰り上げ初七日法要」といいます。法要の後は「精進落とし」と続き、精進落としの喪主挨拶で葬式の日程全てが終了します。
精進落としとは?
精進落としは、元々は四十九日の法要の後に行われるものでした。大切な人を亡くしたご遺族は忌明けまでは故人の成仏のため、肉や魚は口にせず精進料理を食べていました。そして、四十九日の法要が終わるとご遺族は忌明けとなり、肉や魚を食べたのです。この忌明けの食事のことを「精進落とし」と呼んでいました。
近年の精進落としは四十九日ではなく、火葬が終わってから行われることが増えています。そのため、精進落としの意味合いも、「遺族が感謝の気持ちを込めて、参列者や僧侶をもてなす」と変化するようになりました。また、「葬式のねぎらい」「区切り」といった意味を持つこともあります。
葬式だけではなく四十九日のスケジュールも
葬式と初七日法要を済ませたら、次は四十九日に法要を行います。四十九日は、「故人が極楽浄土に行けるかどうかの判決が出る日」とされ、とても大切な法要の1つです。ご遺族は早めに日程を決めて、親族や親しい人などにお知らせしましょう。
四十九日の法要は、参列者の都合が付きやすい土日に行われることが多いです。本来の四十九日が平日の場合は、その前の土日を選びましょう。四十九日を自宅以外の場所で行う場合は、場所を決める必要もあります。一般的には、葬式で使用した式場や寺院斎場などが多いです。法要プランなどもありますので、お世話になった葬儀屋に相談してみましょう。
まとめ
今回は、家族が亡くなってから葬式までのおよその日数と、通夜~葬式終了までのスケジュールについて解説しました。一般的には、亡くなってから3~5日後に葬式が行われます。しかし、ご遺族や僧侶の都合や、斎場・火葬場の空き状況などによって変わってくるため、何日後に葬式を執り行うことができるかは一概には決まっていません。本記事を参考に葬式までの一連の流れを確認し、悔いの残らないよう準備を進めていただきたいと思います。