お葬式のお菓子何にする?お供え物に適したお菓子の選び方

一般的な葬儀について
お葬式のお菓子

お葬式に駆けつけるときは、香典以外にお供え物のお菓子も持参するという方も多いでしょう。しかし、お葬式には数多くのマナーがあるため、どのようなお菓子を選べば良いか悩む方もいるかもしれません。今回は、お葬式にお供え物のお菓子を持参する際の選び方や「のし紙」の種類、お菓子を渡すときのマナーなどをご紹介します。いざというときのために、ぜひ最後までお読みください。

お葬式におけるお供え物

故人に対してお供えもの(供物)をする風習は古代から世界各地で見られ、仏教を通して日本にまで伝わりました。宗教によって考え方は異なりますが、仏教においては「故人への感謝の気持ちや哀悼の意を表している」とされることが多く、仏式の葬儀では、果物や菊などの生花・お菓子などが故人に供えられます。

お供え物でお菓子を選ぶときのポイント

お供え物のお菓子のポイント

お供え物としてお菓子を用意するなら、和菓子など賞味期限が長いものがおすすめです。洋菓子なら定番のクッキーやマドレーヌなどを選びましょう。以下で、急な訃報のときでも手に入りやすいお菓子をまとめていますので、参考にしてください。

和菓子洋菓子その他
干菓子
落雁(らくがん)
饅頭
最中
せんべい
羊羹
マドレーヌ
クッキー
カステラ
果物の缶詰

お菓子以外には、仏式なら線香やろうそくなども喜ばれるでしょう。故人がお酒が好きだった場合は、ビールなどを持参しても問題ありませんが、アルコールに関してはご遺族が好まないケースもあります。親しい関係ではないなら控えた方が良いかもしれません。

東海地方のしきたり「お淋し見舞い」として用意するとき

愛知県など東海地方では、通夜の付き添いをするご遺族に対し「お淋し見舞い」を贈ることがあります。お淋し見舞いとしてお菓子を選ぶなら、ご遺族が気軽に食べられるような「饅頭」や食べやすい「洋菓子の詰め合わせ」がおすすめです。10個~20個に分けられているタイプなら、ご遺族同士で分け合うこともできます。

【NG】お葬式のお供え物として適さないお菓子

お供えものとして避けた方がよいお菓子は、「日持ちのしないもの」「香りの強いもの」です。そして、プリンなど冷蔵の必要がある生菓子などもタブーとされています。ただし家族葬などで故人と近い親族ばかりが集まる場合は、「故人が好きだったケーキをみんなで食べる」ということもあるようです。

また、キリスト教式の葬儀では、食べ物を供物として贈る風習はあまり見られません。持参するのは白いカーネーションなどの「生花」と仏式の香典にあたる「御花料」となります。キリスト教式の葬儀に参列するなら、あらかじめ確認しておきましょう。

お供え物として用意するお菓子の相場

そもそも、通夜や葬儀で香典を持参するのに、お供え物も用意するべきか悩む方もいるでしょう。あまり多く贈り物を渡しても、ご遺族が気を遣うことも考えられます。本来、香典とお供え物は「故人へ供える」という意味では同じものになります。両方は必要ないと考える場合は、香典のみ持参しても問題ありません。

しかしながら、「香典のみでお供え物は一切持参しない」という考えが正しいのかは、地域性や故人やご遺族との関係によるところもあり一概にはいえません。実際のところ、香典+5,000~15,000円程度のお供え物を用意する参列者も多くいます。心配なときは、ご親戚や周りの方に尋ねるのも良いかもしれません。

葬式のお供え物につける「のし紙」の種類は?

お葬式にお菓子などのお供え物を持参するときは、弔事用の「のし紙」を付けます。「のし紙」は「香典袋」とは異なる表書きとなるため、注意する必要がありますが、購入した店に「お葬式用」と伝えると適したものを用意してもらえる場合が多いです。また、西日本の一部地域では、「のし紙」が黄色と白の2色の場合もありますので、持参する前にあらかじめ確認しておきましょう。

仏式:のし紙

掛紙の種類表書き
黒白又は双銀5本結び切り御供
御霊前

神式:のし紙

掛紙の種類表書き
黒白5本結び切り御供
奉献
奉納

お淋し見舞い:のし紙

掛紙の種類表書き
黒白御淋見舞
御淋見舞い
お淋見舞い など

葬式でお菓子を渡すときのマナー

お供えのお菓子を持参する場合は、受付に着いたタイミングで施主などにお渡ししましょう。その際には、「御仏前にお供えください」などひと言添えてください。勝手に祭壇や棺に近付き、持参したものを許可なくお供えするのはマナー違反となりますので気を付けましょう。

「供物は辞退する」と書かれていた場合

ご遺族が香典やお供え物を辞退することがあります。訃報の連絡などで「香典やお供え物を辞退する」などの文章が記載されていた場合は、贈らない方が良いでしょう。近年は、西日本で香典や供花、お供え物の辞退のケースが増えてきていますので、訃報の連絡を受けた際はしっかりと確認しましょう。

「御香典や御供え物は辞退申し上げます。」
「故人の遺志によりお気遣いはご遠慮させていただきます」

香典返しとして用意するお菓子

香典返しのお菓子

ここでは、遺族側として香典返しを配る際のポイントをご紹介します。以前は、海苔やお茶・インスタントコーヒーなどが香典返しの定番でしたが、近年は、和菓子・洋菓子問わず、さまざまなお菓子を香典返しとして選ぶご遺族も多く見られます。

香典返しに適しているお菓子

和菓子洋菓子
おかき
かりんとう
サブレ
クッキーなどの詰め合わせ

香典返しのお菓子を選ぶときは、ご遺族や故人の地元の銘菓などを用意するのもおすすめです。

香典返しで使用するのし紙

香典返しにのし紙を付ける場合、仏式なら表書きは「志」などが一般的です。しかし、西日本などでは「粗供養(そくよう)」という言葉が使用されることもあります。

仏式:香典返しで使用するのし紙

掛紙の種類表書き
黒白又は双銀5本結び切り
会葬御礼
粗供養(そくよう)

神式:香典返しで使用するのし紙

掛紙の種類表書き
黒白5本結び切り偲び草
志 など

香典返しは「即日返し」が増えている

お香典をいただいたら、四十九日の忌明けの頃に会葬者宛てにお礼の品物を発送する方法が一般的です。しかし、近年はお葬式当日にお返しする「即日返し」を選択するご遺族が増えています。即日返しは、香典の金額に関係なく一律で用意した品物を参列者に手渡しするため、ご遺族の負担が少なく済みます。 即日返しの特徴や適したお菓子を以下にまとめているので、参考にしてください。

即日返しの品物の特徴・渡すタイミング 香典の金額に関係なく、一律で用意。
受付で香典をいただいた後に、会葬礼状を添えて品物を渡す。
用意する品物の金額の相場2,000円~3,000円前後
即日返しに適したお菓子持ち帰ってもらうので、かさばらないもの。重くないもの。
クッキー
パウンドケーキ
マドレーヌ
あられ
小さなお煎餅など

まとめ

今回は、お供え物としてお菓子を選ぶ場合のポイントなどについてご紹介しました。お葬式に持参するものは、香典だけでも問題ありません。しかし、心のこもったお菓子をお供え物として用意すると、ご遺族に対するお悔やみの気持ちや故人への敬意などがより伝わります。お供え物としてお菓子を選ぶなら記事内でご紹介したマナーなどを確認し、失礼のないように贈りましょう。